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シネマクティフ東京支部の忘年会(座談会書き起こし・後編)

こんな映画だったの!?観たら思ってたのと違った映画

ronpe 「じゃあ次のお題いきましょう。次はラロッカさんからのお題」

ラロ 「こんな映画だったの!?観たら思ってたのと違った映画。え?そっちだったの?みたいな映画です」

ronpe 「まるゆさんからお願いします」

まる 「まず余談でいいです?」

ronpe 「どうぞ(笑)」

まる 「候補としてあがったのが『ペンギン・ハイウェイ』、作品的にも良かったし内容的にもぶっとんでた」

ラロ 「小説は読んだんだけどなぁ」

まる 「あと『クレアのカメラ』ね」

ronpe 「あー」

まる 「もちろんこの監督(ホン・サンス)なんで変な映画ということはわかってたんだけど、まぁ違うところに連れていかれました」

ronpe 「作品内の整合性がないぐらいですからね」

まる 「そうそう。そしてもうひとつが『ジオストーム』」

ronpe 「あー」

まる 「これもパニック映画、ディザスター映画だと思っていたら、兄弟映画でした」

matsu 「なんか凍るやつですよね。ブラジルの海で」

まる 「そうそうそうそう」

ronpe 「最近WOWOWでやったかな」

まる 「私あれ大好きで」

ronpe 「僕モテ映画でもありますね」

まる 「で本番なんですけど」

ラロ 「今の違ったの?」

ronpe 「今までのは候補候補(笑)」

まる 「そうです。それで最終的に選んだのが『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』」

ronpe 「さっちゃんさんがね」

まる 「そう。さっちゃんがMCTTで紹介してくれた作品です。公開からけっこう経ってから観に行ったんですけど。タイトルにある志乃ちゃんが吃音で、志乃ちゃんを応援したくなる作品なんですよ。ただ私が超絶感情移入したのは別の役の方だったんです。その役を演じているのが萩原利久くん。私にとってはこの役が志乃ちゃんどころじゃないぐらい刺さってきて」

ラロ 「この子の映画だったってこと?」

まる 「私にとってはね。志乃ちゃんも良かったんですよ。でも変な話、ハンデがなくても辛いこととか生きづらいことってある。ちょっとズレるかもしれないけど志乃ちゃんメインで観に行ってるから、こんな映画だったんだ、って」

ラロ 「ちょっと『ワンダー 君は太陽』もそうゆう映画かも。けっこうまわりの人の映画だっていう」

まる 「うんうん」

ラロ 「重松清小説的というか。主人公にいくと思ったらこっちか、みたいな」

まる 「あそこまで主人公から離れて寄り添う感じになったのははじめてかも。良かったです」

ronpe 「じゃあ次は僕。まるゆさんは観てる作品なんですが、僕がこんな映画だったの!?と思ったのは、今年の東京国際映画祭 ワールドフォーカス部門で上映された『まったく同じ3人の他人』という作品です」

まる 「あー」

ronpe 「この作品では、こんな映画だったの!?というのが複数回起こります」

まる 「ふふふ。すごかったですよね」

ronpe 「これはアメリカの映画で、ドキュメンタリです」

ラロ 「あ、そうなの」

ronpe 「冒頭だけ詳しく説明しますと、この作品は現在起きていることを追ったドキュメンタリではなくて、過去に起きたことを関係者のインタビューや取材を通して描いていくドキュメンタリです。場所はアメリカのNY、1980年にひとりの青年が大学に入学するところからはじまります。で大学のキャンパスを歩いていると他の学生がすごい話しかけてくるんですよ。彼ははじめ、すごいフレンドリーな大学だなぁと思うんですけど、自分とは違う名前で呼ばれるんですよ。どうやら自分のことを誰かと勘違いしている」

ラロ 「あーそういうこと」

ronpe 「その勘違いのレベルが尋常じゃない。どうやらまったく同じ顔らしい」

matsu 「へー」

ronpe 「でその二人が引き合わさることになるんです。そうすると本当にまったく同じ顔。同い年。そしてわかったのは二人ともが養子であるということ。まぁここまで聞けばわかると思うんですけど、実は二人は双子なんですよ。そんな二人が偶然に会うことになったので新聞やニュースで取り上げられることになるんです。とゆうニュースを見ることになったもうひとりの人物がいるんですけど、その人物も彼らと同じ顔なんですよ」

ラロ 「あははは」

matsu 「えー」

ronpe 「つまり三人目がいるんです。その彼も養子であり、つまり双子ではなく三つ子だったんです」

ラロ 「それがわかってからドキュメンタリは撮りはじめてるの?」

ronpe 「もちろんもちろん。これは1980年の出来事で、映画が作られているのは今なんで。それでこの三人目まで含めて彼らが会うのですが、ここまでが冒頭の15分ぐらい一気に説明されます」

まる 「そうだったっけ?」

ronpe 「でも要点はこのあとなんですよ」

まる 「そう!」

ronpe 「こうゆうびっくりすることがあった話。というのが映画の最初の印象なんですけど。だんだん違う話になっていきます。日本公開があるかわからないのである程度話してしまいますけど、彼らはこの出来事で大々的にメディアに取り上げられて、全米で人気者になるんですよ。テレビのバラエティ番組に出たり」

まる 「お店出したりね」

ronpe 「ただ彼らはばらばらに養子に出されたわけなんですけど、調べていくといろいろとおかしな点が出てくるんですよ」

(このあとけっこうネタバレを話していますが割愛します)

matsu 「え。○○みたいですね」

ronpe 「そう!これが○○なんですよ。これがある種の○○なんじゃないかというがわかってくるこわい話で」

まる 「いま話聞いてるだけで鳥肌が」

matsu 「それアメリカの話なんですよね?」

ronpe 「アメリカの話。これはドキュメンタリなんですけど、いま劇映画としての制作の話もあるらしいです」

一同 「へー」

matsu 「面白そうですね」

ronpe 「云いませんけどこのあとさらなる展開もあるんですよ」

matsu 「でも○○だとしたら△△する人がきそうじゃないですか?」

ronpe 「それがね、きてたんですよ。その通りです」

matsu 「うわー。それこわいですね」

まる 「てゆうのが少しずつ明かされていくの」

ronpe 「matsuさんが好きそうな映画だなって思ってたんですよ」

matsu 「ははは」

ronpe 「てゆうことで偶然養子に出された三つ子が会いました、という話から印象が変わってくる映画でした」

matsu 「じゃあ次が僕ですね。候補が三作あったんですけど、ひとつは『クリミナル・ターミナル』」

ronpe 「カリコレのやつですね」

matsu 「(画像を見せながら)メインビジュアルがこんな感じで、アンセル・エルゴート主演なんで『ベイビードライバー』みたいな話かと思ったらけっこう社会派だったりして」

ronpe 「へー」

matsu 「もう一作は『RAW 少女のめざめ』ですね。少女が成長していく話だと思って観に行ったんですよ」

まる 「え?カニバリズムの話だと知らずに?」

matsu 「はい」

まる 「絶対matsuさん好きなやつじゃないですか」

matsu 「ぜんぜん知らなくて。どんどんそういう方向にいくので、これそうゆう話?って」

ronpe 「ははは」

matsu 「でメインで話すのが、ronpeさんに教えてもらった『カニバ』です」

ronpe 「あー」

まる 「イメフォのやつだ」

matsu 「はい。これは「パリ人肉事件」というのを起こした佐川一政のドキュメンタリで」

まる 「え?日本人」

matsu 「日本人です。僕はこの佐川一政の話だと思って観に行ったら、それだけじゃなかったという話で。え!マジで?みたいな展開に」

ronpe 「考えてみると序盤からあやしいところはあるんですけど・・・」

matsu 「ははは」

まる 「それたぶん観る機会ないと思うんで、もう少し説明しちゃってください」

(このあとさらに詳細を話しましたが一応割愛します)

ronpe 「監督が『リヴァイアサン』のコンビなんですけどね、びっくりしただろうなぁって。撮影もね」

matsu 「なんかずっと接写なんですよね」

ronpe 「劇場は満席に近いような状況でしたけど、客席がえ?ってなる瞬間がわかるような感じで」

一同 「ガハハハ」

ronpe 「面白かったですこれ」

まる 「すごい。なんでも映画になりますね」

ronpe 「じゃあ最後はお題を出したラロッカさん」

ラロ 「はい。なんでこのお題を出したかというと、今年そういう映画が多かった気がして」

ronpe 「ふんふんふん」

ラロ 「『カメラを止めるな!』がその筆頭だと思うんですけど。あと僕は『ブリグズビー・ベア』も何の前情報もなしで観たので」

ronpe 「それはいいですね」

ラロ 「そんな感じで印象と違った映画が多いなかで、僕が一番そう感じたのが『タクシー運転手 約束は海を越えて』です」

まる 「それが本題ね」

ラロ 「うん。すごく地味な社会派映画だと思ってたんですよ。DVDで見たんですけどパッケージも」

まる 「ソン・ガンホね」

ラロ 「そうそう。だからちょっとハートフルで社会派で、みたいな感じだと思ってたんですよ。そしてら最初はちょっとコメディタッチで、いい感じいい感じと思って見始めたら『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』だったっていう。もうびっくりした」

ronpe 「戦争映画ってこと?」

ラロ 「『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』そのものだと思ったんですよ」

まる 「ん?」

ラロ 「受け渡していくじゃないか」

ronpe 「あー」

ラロ 「しかも犠牲になっていくじゃないですか。まさに『ローグ・ワン』だと思って。本当にまったく思ってたのと違って。180度違った感じで感動しました」

ronpe 「映画としても面白かったですよね」

ラロ 「面白かった。本当にびっくりしたし」


見逃した映画で気になっているもの

ronpe 「はい。じゃあ最後のお題にいきましょう」

まる 「最後はmatsuさんからのお題ですね」

matsu 「見逃した映画で気になっているもの、です。ではラロッカさんから」

ラロ 「見逃したなぁと思ったのは『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ☆アディオス』」

まる 「あー」

ラロ 「前作は公開時に観てて。そのころサントラは毎日のように聴いてて」

ronpe 「21歳とか22歳のころですね(ronpe&ラロッカは同学年)」

まる 「99年とかですか」

ronpe 「シネマライズかな」

ラロ 「いまでもカルディとかで流れてるんですよ。気になってたけど見逃しちゃって」

まる 「UPLINK吉祥寺とかでやらないかな」

ラロ 「あのころ(前作のころ)でもおじいちゃんでしたよね」

ronpe 「そう。だからけっこうメンバーが亡くなってたり」

ラロ 「観ました?」

ronpe 「僕は観ました。けっこう前作の内容を深堀りする内容でもあるんですよ」

ラロ 「あー。映画の内容はあまり覚えてないんだよなぁ。曲だけ強烈に覚えていて」

ronpe 「『アディオス』は前作の映画のあとの成功やツアー、あとオバマ政権時にホワイトハウスで生演奏したとことかも撮影されてますね」

ラロ 「へー」

ronpe 「面白かったです。僕はシネマシティの極上音響上映で観ました」

まる 「そりゃそうでしょうよ。いいなぁ」

ronpe 「Chan Chanて曲がいいんですよねぇ」

まる 「ラロッカさん音楽の映画好きですよね」

ronpe 「はい。じゃあ次はまるゆさん」

まる 「えーと。20作ぐらいあるかな・・・」

ronpe 「え。そういうことですか?それなら僕もありますけど・・・」

まる 「『修道士は沈黙する』、『生きる街』・・・。この『生きる街』観たいんですよ」

ronpe 「『生きる街』?」

まる 「邦画です。夏木マリが出てるやつ。武蔵野館。これも好評だったんだけどすぐ終わっちゃったんですよ」

ronpe 「ふーん」

まる 「あと『ダウンサイズ』・・・』

ronpe 「あー。『ダウンサイズ』見逃している人なんであんないるんですかね(笑)」

ラロ 「あれも意外な映画でしたね」

matsu 「そうですね」

まる 「私以外は観てるんですね。あと『RAW 少女のめざめ』も。何回もチャンスがあったんですが」

ronpe 「僕は去年のフランス映画祭で観ちゃってましたからね」

まる 「あと『ロープ 戦場の生命線』」

ronpe 「僕も見逃したなぁ」

まる 「あと『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』も」

ronpe 「僕は観ましたけど、あれシリーズの2作目ですよね」

まる 「そうなんだ」

ronpe 「僕も前作の方を観れてないです」

まる 「あと『Vision』ね」

matsu 「観ました観ました。めっちゃ眠かったですね」

一同 「ガハハハ」

matsu 「いや、面白かったんですけどね」

まる 「『バーバラと心の巨人』、『高崎グラフィティ。』、『愛しのアイリーン』」

ronpe 「『愛しのアイリーン』は観ておきたかったですねぇ」

まる 「あと『レザーフェイス -悪魔のいけにえ』。誰か観ました?」

ronpe 「観ましたけど。そんな見逃しですかね?」

matsu 「ガハハハ」

まる 「あと『29歳問題』」

ronpe 「僕もそれ見逃してるなぁ。話題になってましたけどね」

まる 「あと『いつだってやめられる』シリーズ」

ronpe 「僕は全作イタリア映画祭で観ましたね」

まる 「あと『オー・ルーシー!』」

ronpe 「うん、見逃したなぁ」

まる 「あと『犯罪都市』」

ronpe 「マ・ドンソクが強いやつね」

まる 「あと『太陽の塔』、『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』、『スターリンの葬送狂騒曲』、TIFFでの『ROMA』と『十年 Ten Years Thailand』。以上です」

ronpe 「では僕ですけど。もちろん見逃しは20本、30本とあるんですが」

まる 「ははは」

ronpe 「2本だけ挙げます。てゆーのは、その2本はシリーズの3作目なんですよ。しかもシリーズの1作目、2作目は劇場で観てたのに」

まる 「どっちとも同じ条件ですか?」

ronpe 「そうなんです。それが『メイズ・ランナー:最期の迷宮』と『ピッチ・パーフェクト ラストステージ』」

一同 「あー」

ronpe 「とくに『ピッチ・パーフェクト』はけっこう好きなシリーズだったので残念でした。以上です。じゃあ最後matsuさん」

matsu 「はい。ひとつは想田監督の二作を見逃したこと」

ronpe 「あー」

matsu 「そして一番の見逃しは『僕の帰る場所』ですね」

まる 「私、2回観ましたよ」

matsu 「あれだけまるゆさんがすすめてくれたのに・・・。想田監督の二作も評判良かったのに・・・」

と、ここらへんで居酒屋の制限時間となりました。
年間ベストとかじゃなくても1年の映画を振り返るのは楽しいものですね。
とゆうわけで2018年にMCTTに参加してくれた皆さん、シネマクティフ東京支部のnoteを読んでいただいている皆さん、来年もよろしくお願いします。
よいお年を。

text by ronpe

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