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シネマクティフ東京支部の2019年上半期ふりかえり(座談会書き起こし・その3)

2019年上半期に観た映画で印象に残った俳優

ronpe 「次は僕からのお題 2019年上半期に観た映画で印象に残った俳優 です」

けん 「俺はウド・キアです」

まる 「え?」

ronpe 「ウド・キア」

まる 「わからないです」

けん 「俳優のウド・キアです」

ronpe 「ウド・キアを複数作品で観てるってことね」

けん 「そう。ある日急にウド・キア体質になってしまったみたいで、今年7作も観てるんですよ、ウド・キアの出演作を」

まる 「それはすごいね」

ronpe 「それラース・フォン・トリアーでしょ」

けん 「そう。ラース・フォン・トリアーのオールナイトで荒稼ぎした感はあるんですけど」

一同 「ガハハハ」

けん 「それでも5月以降に7作観てるんで、急にウド・キアばっかり映画に出てくるなぁと感じるようになって」

まる 「あー」

けん 「具体的には『サスペリア』(旧作)、『ドント・ウォーリー』、『ソウル・キッチン』、『アメリカン・アニマルズ』、『奇跡の海』、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、『メランコリア』です。後半3作は池袋文芸座で観たラース・フォン・トリアー・オールナイトですね」

まる 「あったよねぇ」

けん 「でも『ハウス・ジャック・ビルト』には出てないんですよ」

ronpe 「そうだね」

けん 「ウド・キアはドイツ出身の俳優さんなんですけど。『アメリカン・アニマルズ』とか観ました?」

ronpe 「観た」

まる 「観たけど、どの人?」

けん 「あれですよ、マフィアと交渉するときにいる人 あのこわい方」

まる 「ふーん」

matsu 「ヒトラーの役やってるんですね『アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲』で」

けん 「そうなんですか?」

ronpe 「あーヒトラーの役ですっけ」

けん 「うん、なんかね、最近ウド・キアばっかりだなぁって。しかもそんなにいっぱい出てこないんですけど、ちょこちょこ出てくるなぁって」

matsu 「へー」

けん 「あ。またウド・キアだ!って」

matsu 「ハハハハ」

ronpe 「ラース・フォン・トリアーの過去作にはいっぱい出てるイメージあるけど」

けん 「オールナイトで皆勤賞ですからね」

matsu 「え?『ダウンサイズ』に出てるんですか?」

ronpe 「出てる出てる。あのやんちゃなおじさん的な感じの」

matsu 「あのクリストフ・ヴァルツの友達みたいな?」

ronpe 「そうそう」

matsu 「あーあいつか」

けん 「みんななんかそういう感じなんですよ出てるの」

matsu 「あーたしかに。でもなんか教えてもらってよかった気がします」

けん 「出てるくると画面がちょっといい感じになるんですよねウド・キア。ちょっとシーンをリッチにするのがウド・キアなんですよ」

まる 「ハハハハ。今日何回云った、ウド・キアって」

けん 「はい。覚えておいてくださいウド・キア」

ronpe 「これ書き起こすと「う」って打つと「ウド・キア」が出てくるようになるでしょうね」

けん 「一回しっかりした演技も観たいですけどね」

ronpe 「あのトリアーの過去作で病院のやつ見てみれば(『キングダム』のこと)」

けん 「そうなんですか」

ronpe 「もともとTVシリーズのやつかな」

matsu 「では次は僕ですが、ブリー・ラーソンです」

まる 「ちょっと意外」

matsu 「今年観た作品では『キャプテン・マーベル』『エンドゲーム』『ガラスの城の約束』、あと家では『タナー・ホール』見ました」

けん 「『タナー・ホール』いい映画ですねー」

mastu 「いい映画ですねー。今年たくさん観た女優ですし、キャプテン・マーベルはキャラクタとしても好きですし」

ronpe 「『ユニコーン・ストア』見ました?

matsu 「『ユニコーン・ストア』?見てないです」

ronpe 「監督もやってるやつです」

matsu 「あー!Netflixのやつですね。それも調べたんですけど見てないですね」

けん 「『ガラスの城の約束』の監督は、前作も主演がブリー・ラーソンです。『ショート・ターム』ってやつ。すごいいい映画」

matsu 「僕が今年観た映画の中では印象的だったし、この3作でけっこう好きになりました」

まる 「へー」

matsu 「いま一番好きな女優かもしれないですね、ハリウッドでは」

けん 「飛ぶ鳥を落とす勢いですもんね」

matsu 「『キャプテン・マーベル』の続編も絶対作ってほしいなぁって思ってます。もうストーリーとかめちゃくちゃでいいんで」

まる 「ふふふ」

matsu 「もうスーパーサイヤ人のように敵を倒し続けるっていう」

けん 「いいですかそんな暴力的な話で(笑)」

matsu 「圧倒的な強さを見せてほしいっていう。『エンドゲーム』のストームブレイカーのシーンの目つきとかもすごい好きで。
なんか強さを演じることができるっていうのがいいなぁと思ってます。いろんな役もできますけど」

けん 「そうそう」

ronpe 「『ルーム』とかはまた違う感じですからね」

けん 「弱い感じの。『ショート・ターム』とか『ルーム』とかはそのー」

ronpe 「繊細な感じ」

まる 「うん」

けん 「家庭内の女性の立場みたいなものを表現してる感じはしますね」

まる 「『ガラスの城の約束』は現在の話ですか?」

ronpe 「いや、メインのパートもちょっと過去ですね」

matsu 「『ガラスの城の約束』は映画の結末としてはあまり好きじゃないですけどね。でも役としてはとても良いと思います」

まる 「じゃあ私ですが、このお題は私のために考えてくれたんじゃないかと思うぐらい。そうです、京マチ子さんです!」

ronpe 「あーなるほどね」

まる 「もちろんご存命のときに、シネマクティフ東京支部の音声配信でも紹介したぐらい好きなんですけど、今年の5月12日に95歳でお亡くなりになられたということで。やっぱりもっと観とけばよかったなぁという後悔ですよ。
私は京マチ子映画祭で7本観たんですね」

(このあと、まるゆさんが7本についての紹介、感想を自由に話してくれていましたが、まとめる自信がないので作品名と一言感想でご容赦ください)

『浅草紅団』 初めて観ました。女剣士の役で、立ち振る舞いで泣けてくる。

『婚期』 2回目の鑑賞。3人の女によるコメディ。面白い。

『藤十郎の恋』 初鑑賞。人妻の悲恋ものも良い。恥よりも死を選ぶ。こういう京さんもいい。

『黒蜥蜴』 女盗賊の役。男装の麗人の軽やかなステップ。京さんだから納得。

『鍵』 2回目の鑑賞。のほほんとした奥さん役。

『羅生門』 京さんの女優的魅力を見るのに最適。

『夜の素顔』 メロドラマっぽい話ですけどただの二流ドラマにはなっていない。

ronpe 「はい。最後は僕ですけど、僕は『ひかりの歌』より、俳優は、金子岳憲さんです。
『ひかりの歌』は4首の短歌をベースにした全4章構成の長編作品で、金子さんは第3章に登場します。
3章は主人公の女性が、ある理由で北海道のカメラ屋を訪ねます。
そこで出会った男性と行動を共にすることになるのですが、この男性を演じているのが金子岳憲さんです。
まずこの出会いのシーンで、この男性がそんなにメインキャラクタになるとは思えないような登場のしかたをするんですよ。
しかも僕はこの俳優さんを元々知っていたのに、最初は気づけなかったぐらい自然で」

まる 「うんうん、たしかに」

ronpe 「このシーンではもうひとりカメラ屋のご主人が登場するんですけど、この方は役者ではなく、本当にそこで働いている地元の方で、だから金子さんの役の男性も地元の方かなって思ったぐらい」

まる 「へー」

ronpe 「この金子さんの役は演技のアプローチも面白かったし。
金子岳憲さんは映画も出てるんですけど、どちらかというと演劇の方で活躍されていて、僕も演劇の人っていう認識なのですが、毎年、五反田団(前田司郎)とハイバイ(岩井秀人)という2劇団が、お正月の数日間『新年工場見学会』という、まぁくだけた演劇公演みたいのをやるんですけど、僕はそれに10年近く通っていて、数年前には金子さんが出てたんですね。
その中で毎年やっている「ポリスキル」という出し物があって、おそらく黒田大輔さんが実際に職質を受けた出来事を再現してるんだと思うのですが、それの職質してる警官役が金子さんだったんですよ。これが最高で。
でもここ数年は金子さんが出演されていなくて、別の役者さんが同役をやっていて、ちょっと残念に思っていたんですけど。
で、3月に下北沢B&B にて『ひかりの歌』のトークイベントがあったんですけど、これに金子さんも出ていて。
トークの最後にパンフにサインをもらえたので、金子岳憲さんには僕が「ポリスキル」をいかに好きか、ということを伝えられたので大満足です」

まる 「ふふふ」

ronpe 「ちなみに金子さんは杉田監督の前作『ひとつの歌』では主演をされていて、この作品の上映がこの夏に恵比寿の写美でありますので、気になる方はこちらを是非」

text by ronpe

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