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三日坊主日記 vol.87 『いらんこと言い』

言わなくてもいいことを言う人っているよね。

言っても何の得もしないし、誰のためにもならない。むしろ嫌な気持ちにさせたり、争いの元になるのに言ってしまう人。いわゆる余計なことを言う人。憎まれ口とか、減らず口とも言うのかな。大阪では「いらんこと言い」と言う。


相手の間違いを指摘したり、矛盾している部分を正したりする一言。これはケースバイケースかも知れない。時と場合によっては言ったほうがいい時もあるし、言わないといけない事もある。ただし、言い方は考えないといけないし、やはり必要最小限を超えると、それは「いらんこと言い」になる。

言わなくていいことだと分からずに言う人。物事を客観的に捉えられない人は一定数いる。自分が言われたらムカッとするひと言を他人には平気で言う人。想像力が足りないのか、アホなのか、人の気持ちを考えずに発言してしまう人。実は割といる。

マウントを取りにくる人。自分に自信がない人は、相手に先制攻撃(いらんひと言)を放って優位に立とうとする心理が働くのか、結構余計なことを連発する。もはや癖になっているのかと思う人もいる。


今現在、僕の暮らしの中で余計なことを言われて嫌な目に遭うことは殆どない。家庭でも、仕事関係でも、友人の中にも、そう言う人は見当たらない。それは僕が知らず知らずに選別しているのか、そもそも社会の中に占める「いらんこと言い」の割合がそんなに多くないのか分からないけど。


身内の恥を晒すようでアレなんだけど、母の姉妹はなかなか強者揃いだった。女性ばかり6人で、滅多に全員が一緒になることはなかったと記憶するが、どんな組み合わせになっても激しい撃ち合いが始まった。何でもありの異種格闘技戦。誰かが誰かにジャブを撃つと、それを合図にそこかしこでジャブの撃ち合いが始まる。酷い時はジャブの応酬だけでは済まずに、敵味方入り乱れて本格的なパンチが飛び交う壮絶な戦いになるのだ。つまり「いらんこと言い」のひと言が姉妹喧嘩に発展する。

僕はこれが嫌だった。この試合自体を見るのも嫌だったけど、うちの母は試合の後もその気持ちを引き摺った。不機嫌な母が僕は嫌いだった。余計なひと事は、当事者も周りの人も不愉快にするのだ。


なぜ僕がこんなことを書いているのか。それは久しぶりに「いらんこと言い」に出会ったから。最近お付き合いしているある金融機関の営業マンが、ほんの微かに「いらんこと言い」なのだ。ジャブほど攻撃性はない。例えば、引き際にベーっと舌を出す感じ。何の実害もないが、やはりムカッとする。

自分でもけつの穴が小さいなと反省するんだけど、やはりほんのちょっとムッとする。人のふり見て我がふり直せ。気をつけよう。


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