見出し画像

三日坊主日記 vol.86 『春の雨に思う』

ここ暫く青空を見てないような気がする。

僕の仕事部屋からはほぼ遮るものがなく生駒山が見える。直線距離で17〜8kmほどだろうか。山までは遠いんだけど、その分空が広い。机に向かって仕事をしている時、特に考え事をするときはずっと空を見ている。だから天気の様子がよく分かるし、なんなら天気に自分の気持ちが引っ張られるのだ。

だから、曇りや雨が続くとちょっと気持ちが滅入ってしまう。菜種梅雨とか三寒四温とかいう言葉があるぐらいだから、春は長雨が多いのだろうけど、今年は雨が多すぎやしまいか。寒すぎるんじゃないか。今日もヒーターをガンガンにかけながら生駒山を見ている。街で卒業式帰りの家族を見かけるが、雨の式典は気の毒だ。

過日、冷泉貴実子さんのお話。今でこそ春は花の季節で、いろんな花が咲き春を謳歌しているけど、ほとんどが外来種である。いにしえの日本では春に咲く花はとても少なかった。だから、せり、なずな、すずな、すずしろ、ほとけのざ、ごぎょう、はこべら、七草を愛でたのだと。


寒くて、暗くて、恐ろしい冬がようやく終わりに近づき、日照時間も長くなり、喜びの季節がすぐそこまできているのに降り続く雨。試練のようなものなのかもしれない。しかし、この時期の雨は百穀春雨ともいわれ、穀物が健やかに育つために必要な恵みの雨でもあるのだ。

スカッと晴れた青空の日には、決してこんなことは考えないんだろうな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?