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三日坊主日記 vol.34 『空き家再生活動という事業』

空き家再生活動をしている方と会った。

古い家や借地に建つ家、駅から遠い家などなど、維持するのも売却するのもなかなか大変な物件が実は多い。人口が年々減っているんだから、地方はもちろん都会でも空き家が増えるのは仕方がないのかも知れない。

しかし、近所に空き家があるとなんとなく物騒な気がするし、地震や火事の心配もあって、いろんな意味で恐ろしい気もする。だけど、好きでそうなっている訳じゃないから、相続した人もマジで大変なんです。財産になるならいいけど、負の遺産を相続しても困るのよね(実感がこもっている)。

そこで、空き家再生なんていう業種が登場するんですね。世相を反映した新しいジャンルかも知れません。どんな仕組みかというと、オーナーから安く借り上げて、入居者(または利用者)を探して家賃を取る。その差額からオーナーと入居者それぞれののニーズに合わせて不必要なものの撤去や簡単なリフォームをし、その差額分を利益にするらしい。オーナーも利用者も地域社会も三方よし、と近江商人のようなことを謳っている。

不動産仲介業者と違うのは、客が来るのを待つのではなく、汗をかいて地域住民の需要をキャッチし、そこに場所を供給する(時には自前でリフォームまでして)。話を聴いていると、なるほどなと何度も膝を打つことがあった。

しかし、冷静に考えてみるといくつか疑問が浮かんでくる。

オーナーに入る所謂家賃の額では、固定資産税や火災保険などを支払うと手元にはほとんど残らない。まあ、それは良しとしよう。では、この方法で仮に5年間賃借契約した場合、その5年間の間で確実に家は傷んでいく。いくら大切に使っても、木の家は経年劣化が避けられない。では5年後、この家はどうなるのか。仮に次の借主が現れて更に5年使ってくれたとして、その5年後はどうしようもなく傷んでもう使えないかも知れない。ではその時に誰がその家の面倒を見るのか。手元に利益は残っていないのだ。

結局は問題の先送りになってしまうのかも知れない。そればかりか事態は更に悪化しているのかも知れない。いやぁ、これは非常に深刻な問題なのである。

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