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私は明日の天気を知らない。──「逆算型」か「積み上げ型」か。

私は明日の天気を知らない。

だから、明日の朝目覚めた私は、雨が降っていたらいつもより少し急いで準備をして、いつもは自転車で向かう道をバスで駅へと向かう。
もしかしたら、予定時刻ギリギリに目的地に着くかもしれない。

けれどきっと、しっかり者のあの子は今日のうちに明日の天気を確認して、目覚ましをいつもより早くセットして、いつも通りに準備を終えて、いつもより早く家を出るだろう。

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いつだって私は「あまい未来予想」を立てて、大概その予想とははるかに違う道を選んでいたりする。
未来予測能力が少しだけ低い。

「もしかしたら風邪を引いてしまうかもしれないから、余裕をもって締め切りの数日前には仕上げておこう。」
「1年後にありたい姿に向かって一ヶ月、一週間、1日単位で目標設定して、ひとつずつクリアしていこう。」

これが出来たらいいのにと思うのに、やっぱりうまくいかなくて、目の前の突如として現れる心踊る方を選択してしまう。
予定通りに事が運ぶことなんてなかなかない。

そんな自分に嫌気が差してしまうことだってしばしば。

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ふっと思い起こしたのは小学生の時の図工の授業。

多くの生徒が何週間かに渡る制作期間の中盤くらいにはある程度のカタチができているのに、私の作品は終わりが見えない。
終わりが見えないというのは、全く手がつけられていないのではなく、ある程度は出来ているのに完成には辿り着いていない。

なぜなら私の頭の中には完成図は作られていなかったし、作る過程で欲しくなったものを足していっていたからだ。

結局、昼休みも図工室に通い、期限ぎりぎりで自分が納得できる完成に辿り着いた。

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将来は、大きい犬を飼いたいから、庭の広い家に住みたい!
大きい犬を飼うなら、フード代に毎月のトリミング代や予防接種代は小型犬よりも多くかかるから、それだけ多く稼がないといけないし……

と、未来を想像するのが好きな私は、てっきり自分自身を「逆算型」の人間なのだと思い込んでいたけれど、思い返してみるとどうやら逆算型ではなく「積み上げ型」だったみたいだ。

そう気づいてからは、今までよりも少しだけリラックスして生きられるようになった。
緩い流れに身を任せて、巡ってきた機会に乗っかればいいや。
無理に「逆算型」を演じなくてもいい。
それが本来の自分の生き方だから。

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私は明日の天気を知らない。
けれど、晴れなら晴れなりに、雨なら雨なりに、今日も1日楽しかったと思いながら眠りにつくだろう。

いただいたサポートは今後の創作費に充てさせて頂きます。インタビューとか取材とかしたいなぁ…♡