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酒まつり

「酒まつり」というものを知っている人はどのくらいいるのだろう
わがふるさと広島県で毎年秋に開催されるお祭りである
広島県東広島市は酒の都であることをご存じだろうか
東広島市西条では多くの酒蔵が軒を連ねているのだ
酒まつりでは色々な酒蔵が解放され、試飲スペースを設けていたり、酒蔵内が見学できたりする

酒まつりの中で一番盛り上がりを見せる場所がある
大きな公園を完全に仕切り、酒広場という会場が登場するのだ
全国各地の様々な酒蔵の酒が集まり、入場券を購入して会場内に入り気になる銘柄を飲むことができる
中には開場後30分以内に無くなる銘柄もある
こう書いたはいいものの、毎年泥酔者が出ることなどの理由から飲み放題制度は廃止になっているらしい
2018年からチケット制となり、2100円でおちょこ7杯分(1杯300円の計算)飲めるらしい
会場の場所も変更されているようだ
時代の流れとは言え寂しい限りある
ちなみに今年はコロナの影響もあり、開催自体が危ぶまれる中、オンライン酒まつりたるものが計画されているらしい
https://sakematsuri.com/?p=85

そんな酒まつりにまつわるエピソードを一つ
誰とは言わない一人の18歳の少女の話である
今は立派な大人になっているので時効ということで温かい目で読んでもらいたい

大学生1年18歳の少女はある催しを楽しみにしていた
毎年サークルの皆で行く酒まつりというイベントだ
特に酒広場では色々な種類の日本酒を飲めるそうだ
開場30分でなくなる幻の日本酒もあるらしい
そのサークルは、そんな日本酒を絶対飲んでやろうと、開場前の朝5時くらいから並ぶ伝統があった
この年も男子部員が1番前を陣取り将棋をしながら並んで待っていた
開場時間が近づくにつれ人がどんどん並んでいく
サークルの部員たちも前の列に加わり、少女も並んだ
ご存じの通り日本の法律ではアルコールは20歳からしか飲めない
少女もそんな常識は心得ているのだが誘惑に勝てるはずもなかった
開場し走るように入場し幻の酒のある場所へ行き列に並んだ
おちょこに注いでもらい、先輩と声高らかに乾杯して飲み干した
幻の酒は水のようにすっきりとしていた
もう一度同じ酒蔵の列に並び2杯目を飲んだ
その後も様々な酒を試した
ブルーシートを持ち込み場所を確保して飲んだり食べたり開場から終了までずっと酒広場で過ごしていた
夕方になると泥酔者続出
時々聞こえる救急車の音
ここ酒広場はカオスと化していた

時間も来たため、会場を後にし、先輩の家に集まり飲み直すことにした
少女も千鳥足ながら歩いて移動した
家に到着し、ふと携帯電話をのぞくと親から沢山着信が入っていた
メールも何通か届いておりその文面にぞっとした
「あんた、人生終わったよ!」
思い当たることがなく、よくわからないまま折り返しの電話をかけた
母が電話に出て開口一番「この馬鹿!」と言うではないか
「あんた、今どこにいるの!人生終わりよ!完全に映ってたんだからね」
なんのことだか、、、、、??
「もしかしたら、退学になるかもしらないのよ!早く帰ってきなさい!」

頭を整理し、詳細を聞くと、なんとまぁ偶然にも、、、そんなことが起こるものかと耳を疑った
なんと、NHKで乾杯して飲んでいる姿が放送されていたらしい
しかも1時間に1回、その日に何度も放送されていたようだ
母はこれを見たのだ
もし、大学側にこの動画が見つかった場合は未成年飲酒のため何らかの処罰が与えられたに違いない
幸いなことに、大学内で彼女の顔は認知されていなかったようで気づく教授陣はいなかったようだ

帰宅後の彼女は人生で数回しか味わったことのないビンタを浴びたという
悲しくも可笑しいお話

だめ!絶対!未成年飲酒!!
でどころは偶然に、、、、、

コロナ期間中どんどん飲んでる

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