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あなたが元気ないと、私も元気出ないよ

もしあなたが表題のようなことを言われたら、率直にどう思うだろうか。



先日インフルエンザに罹患した。

平熱になっても続く咳と、寝込んでいて落ちた筋力。
休んだ分の仕事の量の処理と、日常執務。
そして家事。

体調は回復しているのだが、以前のように仕事をこなせる体力はまだない。
疲れた表情をしていたのだろう、声をかけられた。

「如月が元気ないと、自分も元気なくなるよ。」

私はその言葉を聞いて、心と体がずっしりと重くなるような感覚を得た。

私のことでそんなに影響を受けないでよ。
コントロールできないことに自分の気分を乗せないでよ。
私だって、あなたが元気ない時もそのままを受け入れているのに、どうして私は元気でいないといけないの?
私は24時間365日元気でいなければいけないの?
それは、誰のため?

そんな気持ちがブワッと心を占めたけど、言葉にするのはやめた。


私をそんな気持ちにさせるつもりで言ったわけではないことはわかる。
優しさからで、私に元気になってほしい気持ちで伝えたのだと思う。

必要とされていることがパワーになる人もいる。
それに、別に怒ってもないし、泣かれてもいない。
これは攻撃の言葉ではない。


なのに、どうして私はこんなふうに思ったんだろう。


もしかしたら、我慢していたのかもしれない。
相手の気持ちをそのまま受け入れようとすることに、こだわりすぎていたのかも。

私だって一緒にいて不快に思う時もたまにある。
流したつもりだったけど、本当はいろいろ言いたい気持ちを溜めていたかも。
その疲れを無視していたのか。


もしくは気付きの機会なのかもしれない。
登校が難しい生徒がたまに顔を見せてくれたときに、私も似たようなことを言う。

「学校に来てくれてありがとう。」
「会えて嬉しいよ。」
「昨日来なかったから寂しかったよ。」

もしかしたら中には私のように重く感じる生徒がいたかもしれない。
学校に居ることをサラッと受け止めてもいいのかもな。




どんな言葉でも、話し手の思いと受け取り手の思いが食い違うことがある。

この言葉1つで私がこんなことを考えているだなんて、きっとあなたは予想もしないだろう。
もしかしたらあなたも、私が予想していないことを考えているのかな。


「うん、ありがとう。早く元気になりたいよ。」


思考の全部を言葉にはしないけど。

それはお互い様か。

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