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秋の京都の寺巡り② 建仁寺、カフェ

光明院をあとにして電車で建仁寺に向かいました。

京阪の東福寺駅に向かう途中にある臥雲橋からは紅葉で赤く染まった小川を見ることができます。
通天橋に劣らない、散った紅葉のはかない美しさです。

風神雷神図

建仁寺には勅使門から入りました。本堂には俵屋宗達の風神雷神図屛風の複製が迎えてくれます。
複製とはいえ細部までじっくり見入ってしまいます。

雲龍図

方丈にある海北友松によって桃山時代に描かれた襖絵 「雲龍図」は、いまにも竜が飛び出して暴れだすような迫力があります。

法堂
双龍図

スリッパを履いて行った法堂の天井には建仁寺創建800年を記念して2002年に完成した小泉淳作画伯の双龍図が描かれており、見上げる者の心を見透かすようです。

如来

法堂には釈迦如来坐像が安置され両脇には阿難・迦葉像が控えています。
最近、仏像がマイブームで、仏像関係の本を読み漁っていますが、多少でも仏像についての知識があると「この寺には如来坐像があるのか」とか「和脇侍はなんだろうか」とか「この仏像の由縁は」などと、今までとは違った寺巡りの面白さを楽しめます。

もっと若い頃に仏像の基本的なことを勉強しておけばよかったと悔やまれますが、それはともかく、秋の建仁寺は素晴らしい仏教美術に加え、禅寺らしく控えめな紅葉が映える庭も美しく、座禅を組まなくても散策するだけで背筋が伸びるような寺です。

北門

建仁寺の余韻に浸りながら小腹が空いたので北門から出てカフェに向かいました。

カフェ

祇園 北川半兵衛。宇治茶問屋「北川半兵衞商店」が2018年に祇園に構えた日本茶カフェです。
平日のせいか行列もなく開店と同時に入ったのは私一人です。
1Fと2Fがあり、2Fに案内されました。1Fはテーブルとイス席。2Fはソファ席です。
人気メニューらしい抹茶のデグリネゾンを注文しました。

町家を改装した店内の照明は明るさを抑え天井が高く開放感があります。
小さい音で聞こえるBGMはチェロ。ソファの柔らかさとチェロの低音が気持ちを落ち着かせます。
1FのBGMはジャズ。2Fの方がまったりして居心地がいいです。

抹茶づくしなのでドリンクはほうじ茶にしましたが、コーヒーにもあう甘味です。
他にお客が来ないので、居心地の良さが増します。

天井


「休日は混むのでしょうね」
「そうですね。お陰様で、休日は多くのお客様にご来店頂いています」
そのうち、数組のお客さんが案内されてきました。BGMの効果もあり、お客さんの話声も小声です。
すっかりゆったりしてしまい、これでは寺巡りの時間がなくなると思い、席で勘定をして階段を降りて店を出ました。

太陽がまぶしく現世に戻ったような感じがしました。

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