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AV現場の作り方(キャスティング編その1)

監督や作品により違いはかなりあります。
僕の場合、1回の撮影で2〜4名の女優さんを撮影する事が多いです。
撮影期間は1日だったり2日続けてだったり。
いわゆる【素人モノ】ばかり撮ってるので、女優さん1人だけでパッケージバーン!みたいな【単体作品】を撮る機会は今のところほとんどありません。

基本的に1名ずつ順番に撮っていくので、人数増えるほど時間かかります。

社員監督の頃は1日に4名撮影してた頃もありましたが、終わるのはテッペン(0時)越えることもしばしば…
フリーになってからはシンドいことはしないと固く決めてるので(笑)、僕の現場は比較的健康的な時間(19〜20時頃)に終わる事が多いです。
#とは言え早朝から動いてる

今回は女優さんのキャスティングについて大まかな流れをお話しますね。

1.女優のキャスティング

まずは女優さんがいない事には始まりません。
メーカーサイドから「この女優さん撮って」と言われることもあれば、僕の方から「この女優さんで」と提案することもあり、割合半々って所です。

女優さんをあらかた選定したら、次にスケジュール確認です。
大まかな期間を提案して、女優さんの動ける候補日を何日か出してもらいます。
同時に大まかな内容と拘束時間を伝え、ギャランティの交渉もしておきます。
#むしろギャラ交渉が先かな

ここでまず始めの面倒くさいとこ。
さっきもお伝えした通り、1回の撮影で何名かをキャスティングするので、全員のスケジュールを上手いこと組み合わせないといけません。
サラッとハマることもあれば、どうにも日程が噛み合わないことも。
そうなるとまた別の候補にスケジュール確認を取り…と、決まらない時は本当に決まらない(涙)

何とか組み合わせが出来たら、女優さんのスケジュールを【キープ】します。
まだ確定ではなくキープです。
撮影日よりかなり前に予定するので、諸々決まるまでは確定が出せません。
AV新法が施行されてからより一層スケジュールは前倒しにされ、数ヶ月前に予定組むところもあるくらい。
余談ですが、一時期めちゃくちゃ売れてた女優さんは1年待ちとかありました。
#よくそんな撮影組もうと思うなぁ

この【キープ】状態って地味にくせものです。
演者、スタッフともにの話ですが、キープは早いもの順で日程押さえてるにも関わらず、例えば2日間キープしてる時にどちらかの日に「別の撮影入れたいから残りの日のみのキープに変更してください!」とか言われることもあります。
#そりゃないよ
#たいていNGの方の日で組みたい場合が多い

また、こちらとしても確定ではなくキープな訳で、現場準備進めてる間に様々な理由で他の女優さんを撮る必要が出ると、今回は不要になった(言い方悪くてゴメン)女優さんの【キープ】を【バラし(キャンセル)】にする事もあります。
そうすると先方からあからさまに嫌な態度を取られたり、「この為にスケジュール調整したのに酷い!」みたいな事を言われたり。。。
#勿論誠心誠意ごめんなさいするよ

これはお互い様だし人間なので仕方ない部分でもありますよね。

その後に続く段取りを踏まえ、良きタイミングで撮影【確定】となります。
今は件のAV新法もあり、1ヶ月前までには内容や条件を全て決めた上でメーカーと女優さんが契約書を交わさないといけない決まり。
#昔は前日に女優さん決める事もあったけどそれはそれでどうかと思う

確定した後も気が抜けません。
男優さんも同じですが、日々粘膜接触を繰り返す演者たちは性病の危険と常に隣り合わせです。
撮影数日前、下手すると前日に「性病検査で陽性出ちゃいました。キャンセルで」と言われることも少なくありません。

業界のルールとして、撮影当日に【1ヶ月以内に受診した指定9項目の性病検査で全て陰性である証明書】を持参しなくてはなりません。
ルールに則った撮影しかしてない方は比較的安全ですが、そもそもAVに出演する人たちはそういった行為が好きな人たちの集まり。
そりゃ撮影以外でもヤります。
プロ意識高い女優さんは「プライベートでは素人男性と絶対しない!ヤリたいなら検査表持ってこい」って方もいます笑

風俗の仕事を掛け持ちしてる人の場合は、先週の検査で陰性だったところでこの1週間に何があったかなんて知りようがない。
でなくとも、性病は潜伏期間があるので絶対安全な状態ってのはほぼ誰も言い切れないんです。

「1ヶ月以内の性病検査の陰性証明書」は無いよりあった方が良いけど、100%の安全を保証するものでは全くないということです。

ちょっと脇道にそれましたが、撮影当日まで、いや撮影が終わるまで全く安心できないということですね。

という事で、結構長くなってしまいましたが今日のところはこの辺で。
また次の機会に続き書きますね。

現状そんな感じでーす。

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