エレファントカシマシ 紅白選曲に思うこと

 2023年紅白歌合戦で、エレファントカシマシが『俺たちの明日』を演奏する事が決定した。というニュースを、X(旧Twitter)で知った。今年はエレカシデビュー35周年の記念イヤー。新曲シングル2枚発売されたけれど、新曲ではなく馴染みのある代表曲で皆を楽しませようという選曲に、エレカシらしさを感じた。

 エレカシを好きになったのは、2017年の紅白を観てからだ。その時の年明け正月に聴いた『俺たちの明日』に奇妙なエピソードがあったので、今回の紅白選曲は個人的にも興味深かった。
 それまでエレカシは、殆ど聴いてこなかった。たまにラジオやテレビで掛かった曲を聴く程度だった。興味を持ったきっかけは、2017年の紅白が初出場という事だった。2018年でデビュー30周年。キャリアも長いし、ヒット曲もあるのに以外だなと思い、紅白を観てみる事にした。
 その時の紅白は、帰省した実家で観た。エレカシの出番前に、年越し蕎麦の準備をしていた。エレカシの出番になって、慌ててテレビに駆け寄った。
 曲は、『今宵の月のように』。肩からアコースティックギターを掛けて、正面を真っ直ぐ見据えて力強く歌う姿に、一瞬で惹き込まれてしまった。途中から歌に熱が入ったのか、ギターを弾くのをやめてハンドマイクで熱唱。肩から掛けていたギターが、背中の方に回って逆さまになり、ギターのヘッドが今にも床に付きそうになっていたけれど、全く気に留めてないようだった。その熱量に、観ているこちらも、全く気にならなかった。それほど、魅了されてしまったのだ。観終えた後、“宮本さんって、こんなに力強く歌う人だったのか。なんで今までエレカシ聴いてこなかっただろう”と感動と後悔の念が入り混じった。すっかり、エレカシが好きになってしまった。

 正月二日から仕事だったので、元日の夜に弟に自宅まで送ってもらった。車中で「エレカシの紅白、すごく良かった。ライブ観に行きたい。」と話したら、カーステにたまたま音源が入っていた様で、弟が気を利かせて曲を掛けてくれた。
 曲は『俺たちの明日』で、しかもライブ音源だった。曲が始まり、間奏で宮本さんが叫んだ。
 「正月だぞ!行くぞ!」
 ラジオの生放送でも特番でもないのに、元日の夜に「正月だぞ!行くぞ!」と流れてくる、なんて事あるだろうか?びっくりした。
 「どうなってんのこれ…?」
 弟も狙って掛けたわけでなかった様で、少し笑いながら「えらいピンポイントだなぁ」と言う始末。本当、どうなってんのこれ?でも、気合い入るなぁ。

 後で調べたら、弟が掛けてくれた『俺たちの明日』は、デビュー25周年の際に発売された、ライブアルバム『the fighting men's chronicle special THE ELEPHANT KASHIMASHI live BEST BOUT』に収録されている、新春ライブのものだった。
 毎年、新春ライブを行っている事もはじめて知った。(※毎年恒例だったけれど、今年と来年はライブ無いよう。再来年は復活してほしいと願う)

 2017年紅白出場の時に、この様な出来事があったので、今回の『俺たちの明日』が選曲されたのは感慨深かった。今年は紅白で『俺たちの明日』を聴き、年明けに新春ライブ音源の『俺たちの明日』を聴くのも、気合いが入って良いかもしれない。

 「正月だぞ!行くぞ!」

#エレファントカシマシ
#エレカシ
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