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インドネシアの島めぐり7日目 コモドオオトカゲと絶景を見るツアー

ラブアンバジョには旅行会社が通りに軒を連ねており、コモド島のツアーやダイビングツアーを毎日開催している。

コモド島にいくツアーは4タイプに分類され、それぞれ行くポイントや順番が決まっていて、どのツアー会社に行ってもほぼ変わらない。
差が出るのは料金だけで、ツアー会社の裁量によりディスカウント幅が変わるようだった。
われわれが参加したのは、スピードボートを使って1日で6か所回るパターン。
他にスローボートを使って1日で4か所のパターンと、同じくスローボートを使って2日で9か所回るパターンがある。2日コースは船の上で寝るのと、島に上陸して寝るのと2種類ある(23年12月時点)。
本当はこれ以外に、3日かけて島観光をしながらロンボックに行くツアーもあるのだが、雨季はやっておらずわれわれがツアー会社を回った時は無かった。

フランス人が、中国人をドン引きさせるくらいえげつない価格交渉をしたこともあり、料金はかなり安くなった。外には言わないとトラベルエージェンシーと約束したのでここでは書かないが、普通はディスカウント後で120万から130万ルピア(1.2〜1.3万円)になる。

以下訪れた6ヶ所を訪れた順に書いていく。


1.バダール島

絶景の島、インスタグラマーの島と言われており、わたしは写真を見て絶対に行きたいと思っていた。
龍の背骨のような形をしている島の全景を捉えることのできるスポットがあり、そこまで20分くらいかけて登る。

とにかく景色は最高。問題は人が多いこと。
すべてのツアーが1つ目にバダール島を持ってくるので、その日のツアー客が同じタイミングで全員集合してしまうのだ。
時計回りと反時計回りに分ければ済むことなのに、なぜこんなことをするのかわからない。ガイドに聞いても理由は分からないと言っていた。

船がたくさんやって来ている。

人が多い問題は、道が狭いというより写真を撮る順番が長いこと、人が入り込まない景色を撮りたがるので、やたらと時間がかかることだ。
人が多いのだから人を写したくないというのは無理な相談だ。

わたしは人が写り込んだり、ポーズをとっている写真の方が、世相が現れ後から見ると楽しいので好きなのだが、そんな人間は稀である。
みな絵葉書のような写真や、ポスターに自分が載っているような写真を撮りたいと思っている。おまけにTikTok時代で動画まで撮りたがる。

そういうわけで時間がかかるのは覚悟しておいてもらいたい。

2.ピンクビーチ

文字通りピンク色の砂浜に上陸し、泳ぐというものだ。
パダール島にあるため、絶景を上から見るとこの砂浜も見える。白い砂浜と比較できるのでピンク色をしていることは分かる。

ピンクの素は赤い珊瑚で、これが砕けて白い砂と混ざってピンク色になるという仕組み。
わたしは最初泳ぐ気がなかったのに、暑いので泳いでいる人たちがとても涼しそうに見え、つられて結局入った。

海に入って、こんなに海って気持ちよかったのかと驚いた。透明で綺麗な色をしており、また海が綺麗なためかベトベト感もあまりない。

3.コモド島

コモドドラゴンを直に見たいと昔から思っていて、わたしの死ぬまでにやりたいことのリストには必ず入っている。
ガイドには運が悪いと見られないと脅され期待値を下げられていたので、実際に五匹も見ることができた喜びは大きかった。
最初にオーロラを見た時のように、何度も見かけるうちにだんだんと喜びのメーターが上がりづらくなってくる。

コモドドラゴンの生態について、ガイドが丁寧にかつ面白おかしく説明してくれるので価値が高いツアーだ。へーっと思う話が多かったが、あまり細かすぎるのもバランスが悪いので、詳しく書かないことにする。
一つだけ、直近でいつ人間が襲われたかの話を紹介したい。

1ヶ月前に4歳の男の子がコモドドラゴンに襲われたそうだ。ちなみにその前に襲われたのも男の子で3年前のことだそうだ。
コモド島には人が定住している村があり、村にコモドドラゴンがやって来て事件が起きる。コモドドラゴンは村の雇用を支えてくれる存在でもあるので、村人たちは複雑な心境に違いない。

コモドドラゴンの唾液には60種類の細菌がおり、噛まれると猛毒が体に回って死んでしまう。そのため4時間から5時間以内に手術をして噛まれた部分を切除する必要がある。
この男の子は手を噛まれ、すぐにラブアンバジョの病院にスピードボートで移送、肘から先を切除し生き延びたという。

血清はないのかと誰かが質問したところ、あるにはあるが不確かな技術のため念のため切除しておくのが無難なようだ。
おそらく頭や顔を噛まれた人用だろう。首を切除するわけにはいかないから他に選択肢はない。

4.タカマカッサル

シュノーケリングポイントだ。
とにかく海の色が綺麗で、こんな綺麗な海で泳いでもいいのだろうかと申し訳なくなるくらいのレベルの高さ。

小さな島をぐるっと珊瑚礁が囲んでいるような場所で、カラフルで小さい魚がたくさん泳いでいる。わたしは怖くて行かなかったが、珊瑚礁の先の色が濃い青になっているところは、崖のように急に海が深くなっていて、さらに魚影が濃いそうだ。
「透明なのに深すぎて底が見えないのと潮流の速さに恐怖を覚えた」と行った人が話していた。

5.マンタポイント

マンタが見られる場所でありながら、当日見られるか保証はできないといういつものやつだ。
わたしはマンタには興味がなかったが、半分以上の人たちは海派で期待が大きかった。あまり見られるものではないらしい。

そんなことを聞いていたので、まあ海を見るだけだろうなんて思っていた。
ところがいたのだ。マンタが群れで。
みな次々と飛び込んでいく。わたしはいく気がなかったのに、そんなに貴重なものなら行っとくかと思い、船員たちにお前も行くのか?と若干迷惑がられながら飛び込んだ。

考えてみればわたしは近眼なので、メガネを外して飛び込んでもよほど目の前を通らない限り認識できない。案の定、暗い海が見えるだけだったので、早々に船に上がってしまった。

マンタを見た人たちは、特に初めて見た人間は大興奮しており、両手を鳥がゆっくりと羽ばたくように体全体を使いながら「こんな感じでゆっくりとわたしの目の前を横切っていったのだ」と目を見開いて言うのであった。

6.カナワ島

最後はラブアンバジョに程近い小さな島に寄った。
わたしはもういい加減疲れていたので、島に上陸して砂浜をゆっくり歩いたくらいで終わりにしたが、海で泳ぐのが好きな人たちはまたシュノーケリングの道具を身につけて次々と海に入っていった。

フランス人は遠くに出かけ過ぎ、危うく取り残されそうになっていたようで、「なぜわたしがいないことに気づいて船を止めなかったのだ」と咎められた。
わたしはその時眠ってしまっており気付かなかったのだが、悪いことをしたと思った。
あんなところに置いていかれたら大変なことだった。

船は17時過ぎにラブアンバジョの出発地点に戻って来て、そこで解散となった。丸一日いたので結構仲良くなった。

22名の仲間のうち、一番多いのがインドネシア人で13名、外国人で一番多いのは中国人の4名、次が日本人の2名、フランス人、オーストラリア人、アメリカ人が1名ずつ。
インドネシア人の1人はバンドン工科大学のMBA出身でPLNという国営会社の仕事で来てそのまま観光したらしい。
日本人は仕事で来ていて、協力会社の人に連れられて一緒に参加したとのこと。

ツアーは団体全体の意向に合わせる必要があり、興味のないことに付き合わされることも多いが、それがかえって思いもよらない楽しみを知ることにつながったりもする。
今回でいえば、綺麗な海で泳いで魚を見ることが楽しいと知ったことだった。

高かったけれど、とても有意義な1日を過ごすことができ、心から満足している。

夕食は昨日と同じ、屋台で好きな魚介類を選び焼いてもらう店で食べた。フランス人がとても気に入ったのだ。
昨日より1時間ほど遅く行ったらインドネシア人でとても混んでいた。

明日は新しい町に移動する予定だ。





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