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インドネシアでブームが来そうな日本食 3回目 おでん

常夏の国でおでんなんて流行るわけがないでしょ、と思われるかもしれませんが、じわじわと浸透してきている気がします。
今のところ、おでんが売られているのはコンビニのローソンとサークルK、あとは和食レストラン、居酒屋になります。

ただ、おでんといっても、コンビニで売っているおでんは日本のおでんとは具(種)が異なり、韓国のおでんが近いと思われます。わたしは辛いものが苦手なので、韓国でおでんを食べたことがなく、断言はできません。

クラスメイトに知っている和食のヒアリングをかけているときに、何名かから「おでんって韓国料理じゃないの?」と聞かれました。
ラーメンが中国からやってきて日本で進化を遂げ日本のフォーマットで海外に普及する感じに似ているかもしれません。

インドネシアのおでん(Oden)はどんな種類があるのか

ローソンのおでんを大人買いして食べ比べしてみました。ツナマヨのおにぎり込みで103,000ルピア(1030円)です。


日本のおでんは、さつま揚げやゴボウ天、がんもどきをはじめ油で揚げて表面がきつね色になっている具が多いと思います。見た目茶色っぽい感じでといえばいいでしょうか。
インドネシアはクリーム色っぽい印象です。

紀文の商品情報より「紀文の季節」

インドネシアで日本のおでんの具材に一番近いのは豆腐バソイカン(豆腐と魚のすり身を混ぜたもので、はんぺんを固くした感じ)、ちくわの2種類のみです。

Odenという名称がついている具は、韓国風の薄いかまぼこを鳥皮のように波打たせて串でうったもので、Spicyと普通の2種類あります。
Spicyの方はとても辛いです。

普通味の方。韓国人があみ出しただけありとても美味しい。12,000ルピア(120円)

後の具材は基本的にカマボコ、練り物系と思ってください。
わたしが好きな味は、チーズと豆腐です。噛みかけの写真ですいません。中にチーズが入っているのをお見せしたかったのです。

7,000ルピア(70円)

それとサーモンはサーモンの味がしっかりしていて初めて食べた味覚でした。

右側がサーモン、左側が普通の魚。値段は一緒。7,000ルピア

おでんの汁が、思いのほかちゃんとしていました。海産物系の具材から染み出たエキスをしっかり吸い取っていて、とてもおいしいです。

まだインドネシア人には早いかもしれませんが、汁のエキスを吸い取っておいしくなる大根、こんにゃく、しらたきあたりを入れてほしいものです。それとゆで卵もぜひお願いしたい。
大根とゆで卵はインドネシアでも普通に食べる食材なので、いけると思います。

さつま揚げも欲しいです。あとはもち巾着もお願いします。もちはインドネシアで浸透しているので、受け入れられやすいと思います。
あまりに韓国おでんになってしまっているので、ローソンかサークルKのどっちでもいいので、差別化を狙ってチャレンジしてほしいですね。

料金は高い気がする

今回2,3人前を一人で食べましたが、9万ルピア(900円)を超えました。一人2~3万ルピア(200~300円)くらいで設定していると想像しますが、微妙に高いです。
競合商品のチュアンキが1人前で1万ルピア(100円)なので、日本料理、韓国料理ということを考えても、ちょっと高い気はします。

ただ、具によって料金の幅を大きく取っており、一番安いのが4000ルピア、一番高いのが12000ルピアで3倍の差があります。日本のコンビニおでんはもう10年以上食べていないので、価格設定を覚えていないのですが、そこまで価格差は設けていないんじゃないでしょうか。

この価格差により、安上がりに済ませたい人は3つで12,000ルピアと手ごろな価格帯に抑えることも可能です。
ローソンでおでんを食べている人、買っている人を見ると、だいたい2つか3つ買って、他の食べ物と合わせて食事を構成していることが多いです。

インドネシアで今後拡大するにはどうしたらよいか

おでんの形態はインドネシアの食習慣にぴったり合っているので、インドネシア人が豊かになれば価格が釣り合ってきて普及すると思います。

インドネシア人は小腹がすくと、気軽に食べられる屋台のスナック系の食べ物を買ってきて食べる習慣があります。バソとかCimol、Cilokですね。この辺のB級グルメ系は、わたしの過去Note「バンドン名物料理」をご参照ください。
おでんは屋台料理にとても向いています。作りだめができること、加工食品で加熱方式なので腐りにくいためです。バソ屋台に似ていると思いますし、同じ設備で商売替えできるため参入障壁は低いでしょう。

普及させるには、もう少し価格が下がってくる必要があります。具を若干小さめにすること、つなぎの量をふやし魚の使用料を下げることで半額程度にはできると思いますので、誰かが考えるんじゃないかと思います。

そのうえで、3つ入りで10,000ルピア、4から5つ入りで15,000ルピアを達成できれば普及すると思います。
わたしはあとで述べるおでんに似た料理チュアンキを生み出したバンドンが、先陣を切ってはじめてもらいたいです。おでんといえばバンドンという感じになってほしいです。
やっぱり寒い季節に食べるものなので、涼しい気候とマッチしています。

インドネシアのおでん、チュアンキ

わたしが勝手にインドネシアのおでんと言っているだけで、インドネシア人がそう言っているわけではありません。

チュアンキはバクソや揚げ豆腐を煮込んだ料理で、見た目と雰囲気がおでんを彷彿とさせます。

ローソンのおでん容器にチュアンキを入れる。10,000ルピア(100円)

実際、常夏の国でも熱々のチュアンキを食べる習慣があり、「雨の日に良い」という人がいます。ちょっと涼しいなと思うときに食べる料理なんだと思います。

でも、わたしはもう買わないと思う

日本にいたときからコンビニのおでんは買いませんでしたので、そのせいかもしれません。
おでん居酒屋でおでんをつまみに熱燗を飲むのは好きでしたし、家でおでんを作るのも好きでしたので、おでんが嫌いという訳ではなく、お得感の問題と思います。

チュアンキを買ってきて、自分で大根やゆで卵を入れてアレンジする方が満足度が高いので、当面屋台のおでん屋が出てくるまではコンビニおでんは食べないと思います。

おまけの写真(気に入ったおでん種)

ソーセージ入り7,000ルピア。ナイスアイデア。立ち飲み屋で人気が出そう。
豆腐バソイカン。4,000ルピアと安いのにおいしい。普通の豆腐より合うかも。
カニカマとコーン入りの変わり種。ロブスターと書いてあったので期待していたが
カニカマ。



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