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インドネシアの島めぐり17日目 居心地のよい島を出てティモール島に戻る

今日は大晦日で日曜日でもある。
くる時に乗せてもらったMas Boyのベモ(乗り合いバス)は、Boy氏が安息日のため運休で、宿の主人に別の運転手をベモ価格の100,000ルピア(1,000円)で呼んでもらうことになった。
Boy氏はこの集落の住人で、集落のほぼ全員がプロテスタントだそうだ。
集落は4つの地区に分かれていて、地区それぞれに立派な教会がある。

教会の鐘は朝5:00、6:00、12:00、18:00に4回鳴り、18:00は教会でお祈りする。見に行くと説教の後讃美歌を合唱していた。
修道士の説教はインドネシア語で行われていて、当たり前のこととわかっていながらそれでも新鮮な感覚だった。それくらい私にとってインドネシア=イスラム教のイメージが強い。

聞くところによれば、今日と明日は新年を祝うささやかな部落単位の会食があるらしく、部落内の持ち回りで開催されるそうだ。今回は宿の家が当番の年にあたる。

朝早く大騒ぎする豚の叫び声が聞こえたので、もしやヤラレタかと思い見に行ってみると、宿の主人が豚に餌をやっており、七匹の子豚を小屋から出して屋外で遊ばせているところだった。
九匹生まれ、二匹はすぐに死んでしまったそうだ。
空き地では子豚、ヤギ、ニワトリ、牛、犬がのんびりと平和な時間を過ごしている。

宿の裏庭では朝から女性陣が続々と集まって来て調理をしている。かなりの大鍋がいくつも用意され、鍋いっぱいの米を研いだり、大鍋いっぱいの豚の塊を骨から切り離し筋を取ったり下処理している。
参加者は100人らしい。
ロテ島版ポトラックパーティーのようで、みな米やら野菜やら手に手に集まってくる。

主人が木に登ってナタで次々に枝を切り落としているので何をしているのか尋ねると、とても美味しい野菜だという。
「日本にはないのか?」と聞かれ、ないと答えた。野菜と認識される木の葉は日本にはないんじゃなかろうか。ハーブや薬味系では木の葉はある。
葉っぱを煮込んで食べるようだ。

こういうのを見ると、滞在を延ばしてパーティーに参加したいという気持ちになるが、この場所の居心地の良さを考えると、大晦日、新年、いや3が日までとずるずる行きそうな予感がして、やっぱり出発しようと思った。

普通の宿屋であれば、催しものがあるから残らないかと営業するものなのに、ここは一切そういう物欲でギラついた態度を見せない。
本当に穏やかな気持ちで日々を自然に過ごしている感じがする。

港についてクーパン行きの普通指定席を172,000ルピア(1,700円)で購入。
船は12:30出港予定だ。
くる時の船が9:00-11:00(実際は9:20-11:20)だったので、ピストン輸送しているということだろう。

船は20分遅れで出航し、20分遅れでクーパンの港に到着した。
クーパンは小雨が降っていた。
雨季にも関わらず、モニ以来4日ぶりの雨だ。
干からびた大地で、必死に小さい草の芽を探して食べていたロテ島のヤギや牛を思い出し、ロテ島でも降ってくれていればいいなと思った。

宿の主人によれば雨季なのに満足に雨が降らず、農家の方々が植えたとうもろこしは可哀想にみな枯れてしまったそうだ。

クーパンの空港近くの安宿を取り、オジェックで向かう。グラブを使おうとしたが運転手が見つからず、グラブと同じ値段で行っても良いというオジェックを見つけた。
55,000ルピア(550円)

宿は写真は良さそうだったが、安い造作で隙間だらけだ。
窓もちゃんと閉まらず、ドアにも大きな隙間がある。蚊に悩まされそうな予感がした。
明日8:30のフライトに備えて寝るだけだからまあ良いだろう。

ホテルに荷物を置いた後、道の途中で見たクリームバスという看板があったところに行ってみる。
クリームバスは日本だとヘッドスパと言われるもので、頭にクリームを塗って揉んでもらうサービスだ。
家の一室でやるような場所で、マニキュアをしてもらっている人や髪をセットしてもらう人で結構混んでいた。新年の集い用かもしれない。

雨が降り出したので雨宿りになってちょうどよかった。それにクーパンやアロール島の情報も入手できた。
クーパン名物のセイバピ(豚の燻製)を食べるように言われ、店も教えてもらったので行ってみる。
わたしはセイサピ(牛肉の燻製)の方は食べてまあまあ美味いと思っていたのだが、「何を言っている、豚の方が全然うまいぞ」と美容院にいる人々は口を揃えていうのであった。

2キロほど歩いて行ったのに店は休みだった。その店に行く途中にセイバピの店があればよかったのだがなく、わたしは仕方なく横にあったロティバビ(豚パン)という看板を出しているパン屋で名物の豚パンを買い、その並びにあるスーパーでビンタンビールの大瓶を手に入れると、ベンチに座りパンをつまみにビールを飲んだ。

これが今年最後のわたしの夕食になった。

明日の朝8:30の飛行機でアロール島へ行く。
かなり評判の良い島のようで楽しみだ。といっても、わたしは誰も興味のない温泉を目当てにしており、うまい魚やら綺麗な海はおまけに過ぎない。
ただし、ジュゴンを見ることができると聞き、少し心を揺さぶられている。
わたしは海に興味はないが、動物にはとても興味があるのだ。行ってみてから考えようと思う。

外ではフライングで新年を祝う花火の音がしている。
それではみなさま良いお年をお迎えください。


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