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わたしの得意料理 ソプブントゥットの作り方(インドネシアのテールスープ)

先日、家でパーティーをしたとき、久しぶりにソプブントゥットを作ったので、作り方をまとめます。
私の得意料理です。
インドネシア人を家に招いてパーティーをしたときも、子供から大人まで大好評だったので、本場の人たちの舌に耐えうる美味しさと自負してます。

はじめに

ソプ=スープ、ブントゥット=牛のしっぽ、という意味。あわせて「牛のしっぽのスープ」という意味の料理になります。
私が一番おいしいと思うインドネシア料理で、インドネシア料理のおすすめを聞かれるといつもソプブントゥット!と答えています。

この料理はインドネシアでは家庭料理というよりもレストランで食べる高級料理になり、手が込んでいます。

材料:10人分くらい

牛テール:2キロ
(A)
バワンメラ(赤い小さいたまねぎで、日本語だと赤わけぎというらしい):20個くらい
にんにく(インドネシアではバワンプティといいます):10片くらい
(B)
にんじん:2、3本
セロリの茎:2本
ショウガ:20gくらい
調味料:塩おおさじ2くらい、クローブ10個、シナモン1本、黒コショウ10粒くらい、ナツメグ少々、八角少々
(C)
トマト:5個くらい
じゃがいも:5個くらい
セロリの葉:2本分
青ネギ:2本
レモン:2個
フライドオニオン:適当

テール買いすぎ。2パックで十分だった

調理方法

1.テールを下茹でする

たっぷりのお湯でテールを1時間くらい水からゆでます。
あくが大量に出ますので、溜まってきたら掬って捨ててください。
ゆでおわったら、お湯を全部すてて、ゆであがったテールを水でよく洗うこと。ここがこの料理で一番大事なところです。
これをしないとスープが臭くなり、またギトギトして美味しくなくなります。勿体無いと思って一度捨てずにアクだけ取って作ったことがありますが、大失敗でした。

下茹でしたテール

2.(A)の材料をいためる

バワンメラとニンニクをみじん切りにし、よくすりつぶします。
本当は石の皿と石の棒でつぶすのですが、うちにはないので、すり鉢とすりこぎを使います。
私はこのとき塩を入れてしまいます。

すりつぶす前
すりつぶした後


そして、フライパンで茶色くなるまでよく炒めます。これがこの料理で2番目に大事なところ。
スープが綺麗なコンソメ色になる効果と、香ばしさ、旨み、甘みをスープに加えます。
紫玉ねぎでも代用できると言われますが、なんか味が変わってしまう気がして面倒でもバワンメラを手に入れるようにしてます。

炒め始めの頃
これくらいになるまで炒める

3.(B)の材料とテールを煮る

ニンジンは乱切り、セロリは幅1cmくらいで輪切りにしておいて、下茹でしたテールと一緒に新しい水から2時間くらい煮込みます。
香辛料の中で一番重要と思うのはコショウとクローブ(丁子)です。クローブは無ければ買って欲しいくらいです。

炒めておいた(A)は最初からは入れずに、1時間くらい経過した後で入れます。あくはもうあまり出ないですが、油の膜がはるので、私は定期的に掬い取ります。
(A)を最初からいれると、この掬い取る作業のときに、一緒に捨ててしまうのがもったいないと感じるため、ある程度油を掬い取った後で入れるようにしています。
これは好みの問題です。

味を見ながら足りなければ塩を足します。

4.(C)の材料を下準備する

トマトは普通に切って、皿に取り分けておきます。
ジャガイモはゆでてから一口大に切って、皿に取り分けておきます。
セロリの葉はみじん切りにし、同じように皿に取り分けておきます。
青ネギは輪切りにし、最後スープに入れます。
レモンは普通に切って、皿に取り分けておきます。

よそって食べる

まず、トマトとジャガイモをスープ皿にのせ、上からテールスープをかける。
そのうえに、フライドオニオンとセロリの葉をふりかけ、レモンをお好みでしぼる。

完成です!ボナペティ!

スープ自体がかなりコッテリしているので、トマトの酸味やレモンの酸味によりうまくバランスが取れるのだろうと想像しています。

大鍋で煮て、出すのは土鍋。減ると足していく
この人はトマトとジャガイモを後で入れようとしている。

※お役立ち情報

(1) テールは根本は太く、先に行くほど細くなるため、部位により大きさが数倍違います。
パーティーで取り分けるときに著しい差が出るので、大きなテール肉は事前に骨から肉をはがしておく(簡単にとれます)と良いです。

(2) また最初はテール肉を食べるのですが、食べてみて実は一番おいしいのはスープの方だと皆気づくので、おかわりの段階になるとスープがどんどんなくなります。
本当に塩しか入れていないのか?ともよく言われます。
具だくさんの方が良いと思いがちですが、バランスよく作るのがよいです。
私はいつもみんなを喜ばそうとテール大目にしてしまい、最後自分で肉ばかり食べるはめになります。

(3) ご飯にスープをかけて食べるのをオススメします。
基本、インドネシアはスープやソト(ソトアヤムなど)といった汁物をご飯にかけて食べることが多く、美味しさが倍増します。
やはり郷にいっては郷に従えの言葉通りです。

(4) 脂っこいのが苦手な人は、テールを下茹でした後、周りについている白い脂肪を包丁でこそぎ落とすと良いです。
脂は脂で美味しいですけど、好みが分かれるところですからね。

ジャカルタでオススメのソプブントゥット屋

多分今も有名と思いますが、ボルブドゥールホテルの中にあるボゴールカフェのソプブントゥットがbest of the bestと思います。

ここが発祥の店と言われており、揚げたテールも選べるので、ぜひ注文してみてくださいね。
私は家族で日曜のブランチビュッフェに行き、他の料理には目もくれず好きなだけソプブントゥットをおかわりしてました。
私が駐在していた2004〜2009年はまだ円が強く、またインドネシアの物価も安かったので、今から思えばかなり贅沢な暮らしができました。

ジャカルタ中心地にも支店ができたので、出張でジャカルタに行った時に一度食べに行ったのですが、ショッピングモールの中にあるため落ち着かない感じでした。2015年くらいの話です。
雰囲気は食事の大事な要素ですから、やはりちょっと不便でも時間がある方は本店のあるボロブドゥールホテルで是非とも食していただきたいです。

それではまた。

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