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デザイナーの読書メモ

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自分が読んだ本を忘れぬように文章にまとめています。ノンジャンルに色々読もうと思いますが、デザインやブランディング、経営などの本が多いかも知れません。
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"すべてのビジネスマン必読の日本型CIの父" 中西元男「コーポレート・アイデンティティ戦略」

読書メモ#6です。 自ら「デザインを切り札とする経営コンサルタント」を標榜し、NTTやマツダ、キリン、ベネッセなど錚々たる日本の大企業のCIを手掛け、企業の社会的意義を美的観点から再定義してきた日本のCIの父、PAOSグループ代表中西元男さんの著書です。あまり本を読み直さない自分が何度も読み直しているバイブル的な本で、もしお金があれば自分の会社に配って回りたいほど膨大な熱量と感動を内包している本でした。 なお、この本はエイトブランディングデザインの西澤明洋さんのセミナーで

"笑えるけど笑えない先人たちの失敗"ドントテルミー荒井「教養として学んでおきたい太平洋戦争」

読書メモ#25です。今日は大人の教養TVでおなじみの教育系Youtuberとして支持を集めているドントテルミー荒井さんの著書「教養として学んでおきたい太平洋戦争」を読んだメモです。 荒井さんの動画が非常に見応えがあるので、ぜひこの人の本も読んでみたいと思い購入しました。 荒井さんの解説はその歴史の背後にある人間や各国の思惑を丁寧にまとめられており、時間を追うごとに変化していく戦局やそこでの人々の思いに手に汗握りながらまるで小説を読むが如く一気に読み切ってしまいました。

"あらゆる業界に通ずるSF的妄想" 成田悠輔 「22世紀の民主主義」

読書メモ#24です。今日はここ1年弱ほどネットを中心としたメディアに引っ張りだこな成田悠輔さんの「22世紀の民主主義」について書こうと思います。 この本、政治について書かれた本ですが時代の10歩くらい先を行ったかなり先進的なアイディアを述べています。 そこに成田悠輔さんの非常に情緒的でユーモアあふれる文章の書きっぷりもあり、まるでSF小説を読んでいるかのような楽しさも同時に楽しめる一冊です。 日経テレ東大学の高橋弘樹さんが「成田さんは詩人だ」とメディアで評していたのも納得

"無敵の人には保護犬を" ひろゆき 「がんばらない勇気」

読書メモ#23です。今回は未だにブームの衰えを感じないひろゆき氏の「がんばらない勇気」を読んで自分が考えたことを書こうと思います。 結構彼の配信やら出演しているAbemaなどをダラダラBGM代わりに流しているためかなり彼の考えをインストールしている自負のある自分ですが(キモい)、この本はその普段の発言の補足説明的な感じで楽しくサクサク読めました。 4日ほど前にこの本をBOOKOFFで買って読んでいたのですが、その翌日に安倍元総理の一件がありました。 その後メディアでも彼

"現代に必要不可欠な「別解力」"平尾丈「起業家の思考法」

読書メモ#22です。今回は、自分がウォッチし続けているYoutuberのマコなり社長自身が人生の師匠として崇めているという株式会社じげんの平尾丈さんの「起業家の思考法」の読書メモです。 正直じげんのことも平尾さんのことも全く知らなかったのですが、マコなり社長のYoutubeで紹介されていたのをきっかけにその場でポチりました。 内容がアツすぎて購入不可避 そんなこんなで読み始めた本でしたが、ここで述べられている「別解力」という力はビジネスではもちろん、広く人生においても適

"「意見」だけが自分を守ってくれる" ちきりん 「自分の意見で生きていこう」

読書メモ#21です。今回は社会派ブロガーを名乗り、現在ではVoicyのパーソナリティとしても人気のちきりんさんが先月発売した「自分の意見で生きていこう」のメモを書きます。 この本はその名の通り自分なりの「意見」を持ち、それを発信していくことの重要性を説いた本なのですが、深堀りすると現代における人間関係のありかたにまで思考が深まる本のように感じました。 人と直接会って話をする機会が激減している今、人間関係が希薄になっているような寂しさを感じることはないでしょうか。 自分が

"マネジメントに感情は不要"安藤広大「リーダーの仮面」

読書メモ#20です。今回はプレーヤーからリーダーへステップアップする人が持つべき"リーダーとしての心構え"をリアルに書き綴り昨年20万部を突破したベストセラー本「リーダーの仮面」を読みました。 内容を一言で言うならリーダーとして振る舞うためには感情による情緒的なマネジメントをなくし、冷酷な仮面を被ってチームをまとめなくてはならないというもの。 最近他にもリーダー論の本を読んでいたのですが、それらと比べてもなかなかエッジがするどく興味深かったため、少し自分の思ったことも交えな

"ネット上に作られた自分がリアルを侵食する"藤原智美「スマホ断食」

読書メモ#19です。今回はネット時代が実社会へもたらす弊害を説いた藤原智美さん著の「スマホ断食」のメモです。 タイトルから自分はデジタルデトックス的な(軽めな)内容を期待して手にとったのですが、内容はどちらかというとインターネットがどのように社会を変え、個人に影響を及ぼしていってしまったのかという大きなテーマをダイナミックに語った本でした。 自分自身はIT業界に身を置いているのもあり、こういったITへの批判的な意見は普段生活している中ではなかなか耳に入りづらいものなのです

"小さくて地味な最強の起業" えらいてんちょう「しょぼい起業で生きていく」

読書メモ#18です。今回は「早起きできないから」という理由で会社員を諦め、一人で様々なビジネスを展開しながら生きている「えらいてんちょう」氏の著書「しょぼい起業で生きていく」のメモです。 タイトル通り「会社員が嫌なら気楽に小さく起業して生きていこう」というゆるめな雰囲気のメッセージですが、その背後には徹底した合理主義に裏打ちされた理論があり、かつ具体的なため再現性が高く予想に反して非常に読み応えのある1冊でした。 個人的な話になりますが、最近自分の人生を考えていく中でどこ

"顧客体験をブランド化せよ" 藤井保文「AFTER DIGITAL 2 UXと自由」

読書メモ#17です。今回はデジタルがリアル世界と溶け合いつつある現代において、近い将来を見据えたオフラインとオンラインのあり方、デジタルをビジネスとして展開していく企業としての心構えなどを学ぶことができる昨年のベストセラー書籍のひとつ、藤井保文さんの「アフターデジタル2」を読んでみて、自分なりの解釈を加えつつまとめてみます。 デジタル化の最先端を行く中国の事例を挙げながら、従来の常識がデジタルによって破壊されていくことが訴えられており、特にITに関わるサービス提供者であれば

"アリモノを再活用する生存戦略" 金谷勉「小さな企業が生き残る」

読書メモ#16です。今回は低迷する地方の伝統的な技術や産業を現代的な視点でリデザインし、多くの企業を危機から救ってきた金谷勉さんの著書「小さな企業が生き残る」を読みました。 そういう意味でいうと以前読書メモも書いた中川政七商店の中川さんのビジネスにも非常に近いものですが、中川さんのやり方はどちらかというと既存の製品そのものをなるべく維持したかたち(焼き物は焼き物、布製品は布製品のような)で製品デザインや売り方などのポイントで大きな変革を起こして売上を蘇らせたのに対し、金谷さ

"人を動かす大きなビジョンと情熱を" 森岡毅「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」

読書メモ#15です。今回は低迷していたUSJをV字回復へ導いたマーケター森岡毅さん著の「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか」を読みました。 USJと言えばハリーポッターが今や顔となっていると言っても過言ではないですが、そのハリーポッターの誘致も森岡さんが仕掛けたものでした。 しかし本著はそのハリーポッターがメインではなく、ハリーポッターがオープンするまでの予算のない中でもがいたおよそ3年間にスポットを当てた内容になります。 言うまでもなくハリーポッターは

"自分も気づかずバカになっている" 堀江貴文・西野亮廣「バカとつき合うな」

読書メモ#14です。ネット界隈(というくくりがもはやちょっとクサイですが)をブイブイ言わせている二人の共著を読んで個人的に心に残った部分を書き残します。 「バカと付き合うな」のタイトル通り、本の中では堀江さんと西野さんの二人が交互に「世の中にはこういうバカがいるよね」というトピックを上げながら、それらのバカを通して現代社会の中でどう生き抜いていけば良いのか、と言ったことが二人それぞれの視点で語られている本になります。 きっと読めば誰でも自分に当てはまるようなバカについて言及

"ビジョンは不要、試行錯誤を全力で楽しむ" 中田敦彦「幸福論」

読書メモ#13です。 芸人、アーティスト、そして現在はYoutuberやオンライサロン運営と次々と新たなチャレンジをし続けるオリエンタルラジオの中田敦彦さんのエッセイ的な著書「幸福論」を読んで個人的に印象的だった部分をまとめたいと思います。 全く異なる分野で次々に成功を叩き出し続ける中田さん自身の生き方や考え方の本質の部分を垣間見える1冊で、中田さんのYoutubeを見る方などにはぜひ手にとって読む価値のある本だと思いました。 結果でなくプロセスが楽しめたかどうか本書に書