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袖擦り合うも〜ひょうたん温泉 田中仁さん〜


先日、九州でフレッシュジュース専門店「くだものかふぇ」を手掛ける小野寺さんにご案内して頂いて、別府で創業100年になる「ひょうたん温泉」さんに行かせてもらいました。

別府は町の至る所から温泉の蒸気がモクモクと上がっていて、日本一の湯量を誇るというのも納得の景色が広がっていました。



そんな場所で今から約100年前の大正11年、創業者になる順作さんが妻のマツさんのリウマチを少しでも和らげたい、という気持ちで温泉を掘り当てられた事から「ひょうたん温泉」は始まったそうです。

日本一の湯量を誇る別府ならではの源泉100%のかけ流しで温泉を楽しめて、その他にも温泉の蒸気を利用した蒸し風呂や砂風呂、温泉の水を飲める「飲泉」、温泉の蒸気を利用した料理を楽しめる「地獄蒸し」など、色んな形で温泉を楽しむ事ができるようになっていました。


そんな中で個人的に一番すごいなぁと思ったのは数年前に大規模改修された事でした。

コロナ禍にあって大規模に施設を改修する決断をされた事にまず驚きましたが、それにも増して懐かしさがあった事に一番驚きました。

往々にして建物は改修すると「パリッ」としますし、ひょうたん温泉さんももちろんパリッとかっこよくなっていました。

けれど、ただただ新しいというのではなくどこか懐かしさもある。


過去から現在まで多種多様なお客さまを迎えてこられて、健康な方だけでなく体に不調を抱えて願いと共にお越しになられるお客さまにもしっかりと寄り添って来られた。

「お湯に浸かることで体を楽にしてあげたい」という創業時のいたわりの心は変わらず、未来を見据えて空間を新しく生まれ変わらせていく。

変わりながらも変わらない思いがあってこその新しい懐かしさなのかと思いました。
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そしてそれは、行かせて頂いて最後の時間に社長の田中さんと少しお話しさせていただいた時にお聞きした「年に何回か杖を忘れて帰られるお客さまがいらっしゃる」という話に全てが集約されていたように思いました。


雨の日に雨がやんで傘を忘れる事はありますが、必要な人にとって杖は忘れようのない必需品でそれを忘れてしまうほど体が楽になるお湯。

そんなお湯への田中さんの信頼は揺るぎないもので、それがあるからこそコロナ禍にあっても大規模に改修され、入るだけでなく、飲めたり、食べたり、蒸されたり、色んな温泉の楽しみ方も提案されて、湯上がりスペースでは若い人や海外の方も楽しそうにくつろいでドリンクを飲んでいらっしゃったのだと思います。

これからの可能性や新たな展開を信じてやまない田中さんの姿はお話しさせてもらってるこちらも元気づけられるものでした。

変わりながらも変わらない、いたわりの湯処「ひょうたん温泉」さんのサイトは以下。

別府へお越しの際はぜひ。

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