見出し画像

第35回出雲駅伝(1)「駒澤大学」

関東インカレでのハーフマラソンワンツーフィニッシュに加え、篠原倖太朗くんの学生新記録樹立に佐藤圭汰くんと将来楽しみな逸材が揃う3冠王者。これまでは校内の紹介に終始していたが、関東勢は春シーズンの調子とこれまでの戦績を振り返ってみようと思う。

3大駅伝では獲得回数最小

前監督である大八木総監督の下で27回優勝を達成してきた駒澤大学だが、意外にも出雲駅伝の優勝は4回と少ない。最終区間での逆転負けや明らかに調整が上手くいっていないなどの状況もあり、いかに「初戦」が難しいのかということを思い知らされる。

前回大会では序盤からレース展開の巧みさを見せつけた。1区こそ中央大学の吉居大和くんに後れを取ったが、2区で佐藤くんが巻き返すと3区からは独走状態。
文字通りの横綱相撲で押し切って見せた。

当然今シーズンは一筋縄ではいかない展開になりそうであるが、チームとしては極めて盤石と言っていいだろう。問題なのは、夏シーズンに中間層の強化と、そこからさらなる台頭を望みたい。そうすれば2年連続3冠達成も夢物語ではないと言えるが……。

そう図面通りにいかないのが学生駅伝である。その序盤の難しさを知るだけに果たしてどうなるだろうか。

キープレイヤー

駒澤大学の場合は選手層の厚さはすでに他大学と比較してもとびぬけている。しかし、その中でも「藤田体制生え抜き」選手が出てくることは大きな競争を呼び、チーム力活性化につながるはずだ。

そこで今回は彼を推薦したい。

庭瀬俊輝

吉本くん、亘理くんと篠原くん世代にも非常に「強い」ランナーが多くいるが、彼もまた駅伝候補に割って入ってきそうな気配がある。ぎふ清流ハーフマラソンでは全体12位となる1時間03分15秒で自己ベストを更新。

その後も6月11日に行われた日体大記録会では5000メートル13分台に入ってくるなど着実な成長を遂げている。当然、下の2年生世代4人は極めて強敵であることに変わりはないが、彼のような地道に頑張ってきた選手が夏合宿でさらにチームを活性化させる鍵になるのではないか……とひそかに睨みつけている。

監督

言わずと知れた「駒澤の大番頭」にして、大八木総監督と苦楽を共にしてきた我慢強い男。監督として見る世界を、彼はどう感じているのだろう?

藤田敦史

「大八木の影」が消えない中でも、ある意味で理想的な形で引き継いだ大番頭。なかなか思うように行かず苦労された時期も多かっただろう。
だが誰よりも「大八木イズム」を知り、誰よりも努力して世界の舞台へと駆けだした「侍」のようなその振る舞いは現在の選手たちにも多くの影響を与えているはずだ。

徐々に「藤田敦史」のチームになっていくであろう藤色のチーム。これからどんな色を出していくのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?