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箱根駅伝コース概要「4区」

近年往路の区間配置はどこも重要といえるのですが、影に隠れて名前が出てこないのがこの4区。
山登りの5区へと繋ぐ区間として決してミスのできない区間となっているだけに、面白いバトルが見られるかも!?
それでは4区紹介行ってみよう!

■コースの特徴

20.9kmという距離ながらも、11.8kmにある国府津駅前の交差点では細かなアップダウンなどもあり、往路ではスピードあるランナーよりもタフで強いランナーが起用される傾向にある。
とはいっても、2区と比較すればそれほど負担の大きな区間ではないため、準エース級の選手あるいはエース格でも当日2区を走らせることが出来ない選手を起用させることが多い。また、力はあるが20kmという距離が未知数な1年生を起用するパターンもあり、昨年は青山学院大学の佐藤一世くんがこの区間を走った。
4区もまた晴れた日には富士山の雄大な姿を見ることができる絶景スポットでもある。

■97回箱根駅伝では何が起こったか

創価大学が東海大学を抜いて先頭に立ち、独走を繰り広げた。
東海大学1年生の佐伯陽生くんを5.6km付近で捉え、創価大学3年の嶋津雄大くんはその後もトップを快走。最終的には腿の痙攣というアクシデントこそあったものの、見事に走り切り大学史上初トップでタスキを渡した。
その後1分42秒差を付けて駒澤大学が小田原中継所にてタスキを渡す。また、3位で飛び込んできたのは早稲田大学。2年生の鈴木創士くんが区間3位と大健闘を見せた。その後も、東京国際大学・東洋大学・東海大学・順天堂大学・帝京大学の順でタスキが渡った。

一方で青山学院大学はルーキーの佐藤一世くんが区間4位と好走。沈みがちだった青学の中でも往路で気を吐いた選手となった。

順位は以下の通り。

通過順位

1.創価大学
2.駒澤大学
3.早稲田大学
4.東京国際大学
5.東洋大学
6.東海大学
7.順天堂大学
8.帝京大学
9.神奈川大学
10.青山学院大学
11.日本体育大学
12.國學院大學
13.拓殖大学
14.明治大学
15.法政大学
16.城西大学
17.国士舘大学
18.中央大学
19.山梨学院大学
20.専修大学

■97回箱根駅伝区間賞

ポール・オニエゴ(山梨学院大学/3年)1時間2分15秒

山梨学院大学の留学生ランナー。活躍する場面が少なかった山梨学院大学の中で唯一といっても良いほど気を吐いた。
ただ、元々決してタイムが速いわけでも無いランナーで同学年のムルアくんと比べると爆発力も少なく、どちらを起用するかで飯島監督も悩まれたことだろう。ただ、安定感あるオニエゴくんの好走からプルシアンブルーのファンたちのため息も下がったはずだ。
なお、区間賞を獲得して順位変動が無かったのは84回大会の阿宗高広さん以来の珍事となった。

■区間記録保持者/日本人最高記録保持者

吉田祐也(青山学院大学/2020年)1時間0分30秒

現役最後のレースとして臨んだ箱根駅伝で、まさかの区間新記録を樹立。
前回大会の95回大会では補欠に回り、競技を諦めてブルボンに就職が決まるも、結果を受けて内定辞退を決意。競技を続けることに。元より練習の虫で、現在競技活動を続けているGMOでも「練習を止めるのが自分の役目」と監督である花田勝彦さんに言われるほど練習熱心な男でもある。
人間、いつ才能が花開くのかというのが分からないものと実感させてくれる機会となった。なお、その後も競技を続ける中で2020年12月の福岡国際マラソンでは2時間7分5秒で優勝するなど、レベルを高めている。瀬古利彦さんからも「パリの代表に入ってくるのでは?」と高い評価を受け、将来を嘱望されている。

さあ、山の中へと入って行くよ!

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