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第35回出雲駅伝(4)「國學院大學」

チームの強化進む一方、決して現状に満足することなく高い向上心を持ち進む姿はとても頼もしい。とはいえ、今シーズンの関東インカレなどでは正直どうだったのかという情報をしっかりと収集することができなかった。

蓋を開けてみると、相当な収穫があった様子だ。

3大駅伝で唯一獲得経験があるのが出雲

常にチームスローガンとして歴史を変える挑戦を掲げる國學院大學において、初めて獲得した駅伝のタイトルが出雲駅伝であることは記憶に新しいはずだ。

あのレースから早くも4年経過するが、新興校というよりはすっかり「強豪校」の一角として名をあげるきっかけとなった大会ともいえるだろう。春シーズンは関東インカレやハーフマラソンなどで結果を多く出した選手がおり、選手の充実度は決して他大学に劣らない。

主力選手の怪我に泣かされることも多かっただけに、再びの栄冠獲得には全選手のコンディションが万全であることは最低条件だろう。

キープレイヤー

國學院大學の今の魅力は、下級生が挑戦者としての意識をもって非常に明確な意識と意思でプレーをしていることだ。上級生も決して浮かれることなく、しかし高い意識でもってプレーができている。

それだけに一つ大きなきっかけが生まれれば一気に化ける選手たちばかりだ。

青木瑠郁

昨年は1年生ながら3大駅伝すべてに出場。全日本大学駅伝では5区区間賞を獲得するなど活躍を見せた一方、箱根駅伝では1区区間13位と苦しい結果に。とはいえ、貴重な経験を積んだ今シーズンはU20日本陸上競技選手権5000m優勝を勝ち取った。

すでに20歳を前にして5000メートル13分48秒という高いポテンシャルを持つ青木くんは平林くんらに次ぐ大黒柱になることができるか、今シーズンは注目が集まる。

監督

「大八木監督の愛弟子」よりも「前田監督」として知られるようになってきた彼だが、根底にあるのはその師匠譲りの情熱。彼の歴史を変え続ける挑戦に終わりはない、

前田康弘

「常勝駒澤大学」の礎を作り、そして名門國學院大學の礎を作り出し、そして飽くなき情熱を持ち続けている名将。現役引退後は人事に家業の電気工事業を経験するも実父の死により畳まなければならなくなるという苦労も知る。

喜怒哀楽激しいことで有名な一方、選手の才を見出す眼力も随一。2018年度および19年度の躍進を支えた土方・浦野両選手をそれぞれ2区と5区に配置し、また彼らに頼らないチーム育成を行ったことは記憶に新しい。

なお、練習メニューは大八木監督ではなく、帝京大学の中野孝行監督を参考にしたのだという。中野監督とも交流がある。

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