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【エッセイ】間の取り方

10年前の結婚式の日。母や友人が夫にこんな質問をした。

「ちゅんぺのどこを好きになったんですか?」


言葉だけ見ると失礼と取れなくもない。


まぁいいか。

こういうとき、普通はどう答えるんだろう。

「料理が得意なところです」
「笑顔が可愛いところ・・かな」
「話が合うからですかね」

こんな感じだろうか。


夫が返した言葉は

「会話の間の取り方がうまいところですね」

だった。

・・・会話の間の取り方って何だ。

もちろん、過去にそんなこと言われたことはない。

友人や母は少し黙ったあと「ユーモアがあるってこと?」と聞き返す。

夫は「娘さんは話しててすごい面白いんで」と言っていた。


「あ~~~確かに~~」

と響く我が母と友人たちの声。

分かってるねと言いだしそうなノリだった。


1番の問題は、それを聞いて私がすごく喜んだことだ。

私は変わっているんだろうか?

綺麗とか可愛いとか言われるよりも「面白い」と言われる方がよっぽど嬉しい。

これは昔からずっと変わらない。

家族団らんの時間だった夕飯の席で、おばあちゃんやおじいちゃんをいかに笑わせられるかが私の目標だった。

大笑いしている祖父母の顔。
ただただ幸せで嬉しかった思い出が蘇る。


高校の頃の愛読書は『ピューと吹く!ジャガー』。
授業中に隠れて読んで、先生に没収された。
友達から借りた本だったから、懇切丁寧に謝罪した。

もし先生でこの記事を読んで下さる方がいたら、漫画の名前を大きな声で言うのはやめてあげてください。
めちゃくちゃ恥ずかしいんです。(自業自得)

そんなこんなで、今の私ができあがった。

合コンなるものでも、とにかく食べることに必死で、男性陣の武勇伝やおもしろエピソードもガン無視してしまった。

あの頃の私は、なぜか面白さを競っていたからだ。


夫から、今まで出会った全ての人の中で、1番のお笑い脳と呼ばれるこの私。

ありがとうございます。

友達からは「裏表がなさすぎるし、男性よりおもしろいこと言ってやろう感がすごいからあんたはモテない」と言われてきた人生。

見つけてくれる人がいたから、オールオッケーだ。ラッキーすぎる。

ちなみに、夫は私の上をいくお笑い脳だ。
ちょっとめんどくさい。
尊敬しているのはダウンタウンと千鳥。
(私も大好きです)
オチがないと、「オチは?」と言ってくるタイプだから、たぶん女性には受けが悪いと思う。

好きなタイプは森三中の黒沢さん。タレントでいくとファーストサマーウイカさん。

「喋りがうまくて、動きも面白い人」がいいそうで。

・・・夫も私と出会えてラッキーだったと思う。

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