見出し画像

【第一話】ブビギャル~下から2番の受験生~

第一話 "塾に行きたい"

御多分に漏れず、ビ〇ギャルのパクリかと思われるタイトルで始まった新シリーズ。成績がブービー(下から2番目)な15歳の受験生少女と、その家族の一年間の歩み。ついに私もエッセイストだ!と思いきや、諸事情によりこの物語はフィクションですと言わざるをえない。

この物語はフィクションです。登場する人物、団体にモデルはおりますがフィクションです、フィクションなのです。

それでは第一話を始めるとしよう。

2022年11月。次女が突如、「塾に行きたい。もしくは家庭教師を付けてほしい。」と言い出した。寝耳に水どころか、コーラが入ってきたような衝撃。

「ぬんで!?!?」

叫ばずにはいられない。14年間、勉強とは無縁だった次女が。成績を上げることに無関心だった次女が。頑張るくらいなら死んだ方がマシなほど、頑張るようなことはしてこなかった次女が!!!

理由はこんな感じらしい。

「将来はプロのサックス奏者になりたい。そのためには音大にも行きたい。それよりも前の段階で吹奏楽の強豪校に行きたいし、音楽科がある高校に進学したい。ちょうど、ウチから自転車で通えるところに吹奏楽の強豪で音楽科がある高校がある。自分はそこに行きたい。そこに行って音楽の道を進みたい。」


ぬおおおおおおっっっっっ!!!至極真っ当な、なんの変哲もないまっすぐな意思!お前ほんとにウチの子か!?

あまりにも、あまりにもな意見で反論の余地がない。。いや、反論しなくていいんだけどいつの間にそんなに立派な意見言えるようになったの?オカン、正直驚いています。驚いていますが、、、

「ごめん、要検討させてください。。」

というのが精いっぱいだった。即答出来なかった。なぜなら、、、なぜなら、、、


ウチにはカネがねえ!

お恥ずかしい話、金が無ぇのである。暮らしていくだけの金ならあるけど、だって、ほら。。塾ってお高いんでしょう???

入塾料だ。
授業料だ。
施設代だ。
交通費だ。
お迎えだ。
スタバだ。
マクドナルドだ。

と、いろいろ金がかかると聞いている。調べようにも、各塾のウェブサイトには金がいくらかかるとは一切書いてない。詳しくは資料請求をしなければわからないのだ。そして一度でも資料請求をしたらクソほどⅮⅯが送られてくることも知っている。電話もだ。

このご時世、電話などというアナログツールでご説明させて頂くというファイトスタイルなのだ、塾は。

もうこの時点で八方ふさがり。思考停止。娘の教育に満足にお金を払えない自分の経済力に辟易しつつ、それでもオカンだってがんばってるもん。オトンだって、みんなみんながんばっているんだ。日本は教育に対して全然優しくない。くそお。。。

くそくそしてても娘の夢は叶えられないので、まずは夫に相談してみる。

私「次女のヤロウが塾に行きてえとか言ってるんでやんす。」

夫「ほおぅ?」


ほおぅ?

ぢゃねんだよ!塾行きてえんだってよ!金どーする!?っていうことだろがよ!なあ!ンなあ!

ダメだ。。。コイツ、J2(東京ヴェルディのファン)のプレーオフの事しか頭にねえ。。。




サッカー馬鹿の夫を当てにしても無駄だ。。。
私は途方に暮れていた。
途方に暮れながら友人と地元の有名カレー店でスープカレーを堪能していた。本当に美味しかった。美味しくて目の前の問題を忘れていた。食べながら友人の旦那さんの話を聞いていた。

友人「最近、部下の育成が楽しいみたいで。打てば響く部下が面白いみたいなんですよね。」

と。

友人の旦那さんは高学歴と聞いていた。

高学歴。。。
部下の育成。。。

ダメ元というか、試しに聞いてみた。

私「旦那さん、ウチの子の家庭教師やってくれませんかね。。。」

友人は、「聞いてみますね。」と言ってくれた。後からほかの人に言われたけど、めちゃくちゃ迷惑なお願いをしていたらしい。

すみません、、、そーゆーとこ馬鹿ですみません。図々しくてすみません。

続く。

※次回からは有料公開でお届け致します。
フィクションですが諸事情ありまして。( ◜ ω ◝)

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?