まがり書房2

10代の若者がバンドを始めるが如く、大阪 池田市でおっさん店主が始めた本屋(…

まがり書房2

10代の若者がバンドを始めるが如く、大阪 池田市でおっさん店主が始めた本屋(新刊古書リトルプレス)。店主のアカウントはまがり書房、こちらはたまに店番するおばちゃんの方のアカウントです、

最近の記事

生きてあれ

まがり書房のInstagramに載せる俳句は毎日店主が捻り、そして明朝体で書いている。 でも今日の俳句は店主のではなかった。 「生きてあれ冬の北斗の柄の下に」加藤楸邨 昨日の朝に旅立った友を思っての引用だ。胸がつまる。なんだよもう、涙がでるじゃないか。 今日は仕事が終われば、病院から自宅に戻った彼女に会いに行くことにしていたのだが、足取りは重い。家をでると、「いつも行くみたいに会いに行こう」と気持ちも足もついていかない私の前を店主はスタスタと歩いていく。「待って」という

    • コロナに罹ったことについてのメモ Day 2 .Day 3

      Day 2 (7/28) 昨日は身体が溶けてしまうかと思うほどよく眠った。夜中に喉が痛く、のど飴を舐めがら微睡む。朝起きたら随分楽になっている。熱も下がった。寝過ぎて腰が痛いくらいだ。 新聞を読んで、アマプラで「coda」をみた。沁み渡るジョニミッチェル。(が歌っているわけではないが) 嫌でも10日間は家にいないといけない。 今月中にオンラインで課題を終えないといけない研修は明日からやるとして、今日はまだ布団にいることにする。あぁ、10日後は金曜日で土日があるから、実際には

      • コロナに罹ったことについてのメモ Day 0 . Day 1

        7月26日 Day 0 新型コロナ感染症は、症状の発症日が0日となる。2、3週間休みなく仕事が続き、今日も20時に職場を出る。夕方スタッフに「声がおかしい、いつもより低い」と言われ、熱を測るが36.5℃から動かず。「喋りすぎちゃうか」とも言われるが、何となく嫌な予感もし、帰宅して家族に、あしたの朝までこの声やったら検査してもらう宣言をして眠る。気休めに喉に効く風邪薬を飲んでみる。 そう言えば職場のトイレで鏡を見た時、アイシャドウ塗り忘れてるのに気づいて、あら?と驚いたのだった

        • 日常はひび割れたまま

          コロナには飽き飽きだ。 気になりすぎて毎日見ていた感染者数を示すニュースももう見ない。いくら数が多かろうが気持ちは動かなくなった。 「未曾有の危機」「コロナ禍」と帯の言葉に読みたかったはずが、もうコロナには飽きたよ…となかなか手が出なかった。 でも、読みはじめたら物凄く面白かった。 学者の語る自分の考えたことのない概念、説明しにくいぼんやりした状況を説明される感じは心地よい。自分の持たない視点は固くなった頭をほぐす。 いわゆるコロナの渦の中で、 条理不条理、気持ちのアップ

          不要不急の本屋と本

           トランスビューという出版社から新刊案内と一緒に送られてくる小冊子、#石橋毅史 の随筆「不要不急の本屋と本」をしみじみ読んだ。面白かった。  今朝のワイドショー的ニュースで、電子コミックの購読数が増えているというグラフが出ていた。併せて雑誌、単行本の購入数も示されていたが、注目すべきは雑誌の購入は減っているにも関わらず、単行本の購入数は大きくは変わっていなかったことだ。 単行本に行き着くまでの入り口が、雑誌からネットに変わってきてはいるが、結局、単行本を買うということだと思

          不要不急の本屋と本

          諸般の事情

          きっと本のジャンルには「日記」ってあるはず。あ、あるみたい、日記本という。 いつも日記や日記的な本を読むときは、はじめから順番に読むような読み方はせず、ざっと大まかに読んだ後に、パラパラとつまみ食いを味わう。枕の横にずっとあるのもそう、日記本が多い。つまみ食いは美味しいのだ。  店主が見つけてきた「#諸般の事情」も日記だ。映画と猫の生活である。しばらくこの本を持ち歩いて、つまみ食いを続けようと思う。 本の終わりにある三つの随筆に気がつき、先に読んでしまった。ゾクゾクするくらい

          諸般の事情

          自分の感受性くらい

           ぼんやりした思春期を送っていた私は、当時好きだった渡辺美里が、ジャニスを聴いて初めて泣いた的な話をしているのを知り、涙は出なかったのに「初めて音楽を聴いて泣いたのは渡辺美里」という設定を作った。設定を作ったというのは、誰かに聞かれたらそう答えようと思っていただけで、結局誰にも聞かれなかった。今は気持ちが弱っている時に聴いたら、涙が出る音楽を沢山知っている。  友達に勧められた山田詠美もよくわからなかった。本を貸してくれた友達は、音大を目指していて、ピアノの練習のために修学旅

          自分の感受性くらい

          大きなお風呂に入りたいのだ。

           11月の仕事は、職場の大きな体制変更に巻き込まれるということから始まった。 雑巾を絞りに絞って一滴も出ないほど絞られた感じだった。全く納得していないことをやらなければならない、やらさなくてはならないジレンマ。毎日プンプン怒っていて、変にアドレナリンが出て、それでやり過ごしてきた感じがする。終盤はなかなかのしんどさだった。栄養ドリンクは毎日飲んだ。「飲んだから大丈夫」と思い込むおまじないとして。  12月に入って職場の体制はマイナーチェンジした。11 月よりはまし。ハッピーで

          大きなお風呂に入りたいのだ。

          急に具合が悪くなる

          夢中で読んでいる。 学者同士の強めのキャッチボールに、気持ちが動く。 何かを引用して説明できること、説明がつかないこと。無理に説明しなくてもいいこと。思考を表す言葉の小難しさは多少あるけど、いちいちそれにつまづいて読むのを止めるのは絶対なしで、あまり深く考えすぎないようにして、わからないことはわからないまま今はとにかくぐんぐん読み進める。 あとでもう一度読むから大丈夫。難しい本じゃない。私が2回読み終わったら貸してあげるし。 #急に具合が悪くな

          急に具合が悪くなる

          不肖の娘でも

          「 #不肖の娘でも 」 #井川直子 という本がある。私にとってはお守りのような本だとずっと思っている。愛に溢れている。  5月の終わりに父が亡くなった。 随分前に脳梗塞を患い、車椅子を使う生活は10年も経った。年もとるからその他の病気やらで入院することも増え、長く母と兄が介護していた。 離れて暮らすわたしは「不肖の娘」で、たまに顔を出すけど、そうなにか手伝えるわけでもなく、申し訳ないとは思っていたけれど、そうたくさん申し訳ないと思っていた訳でもなかった。  5月末の金曜日

          不肖の娘でも

          山田詠美とレジ袋

          いわゆるエコバッグを作った。やっと出来たけどタイベックス生地は物凄く縫いにくい。ポケットの向きを間違えてほどいたらもうボロボロや。防護服にも用いられるこの生地を使うのになんやザワザワしますなぁ。なんかいろいろ疲れた。 7月からはコンビニなどでもレジ袋は有料。ナチュラルコンビニはレジ袋のリサイクル促進で、袋に小説を印刷しているのだとか。 カツオ(まがりのムスメ、中3)の希望としては、 #山田詠美 に「プラスティックバッグ」というタイトルの短編を、そのレジ袋向けに書いてくれたら

          山田詠美とレジ袋

          高山なおみを読むこと

          パーマをかけてから、なるべく髪は下ろしているようにしているけれど、今日の湿度はもう暑い。髪を括り、汗をかきながら床を拭いて簡単ワックスをかけ、冷たいコーヒーを飲んでからまがりに来た。 新しく入った本(左の「 #食べたくなる本」)を立ち読みしたら、もうダメだ、 #高山なおみ だ。 … 高山なおみの文章は気軽に読むことができない。読んでいて、どこか物ぐるおしい気持ちになる。… って書いてある。そうやねん、そうやねん。物おもぐるしいというか、内蔵を触ら

          高山なおみを読むこと