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マザーボードについて

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。2021年6月9日。愛媛松山は真夏日に近い気温になる予想となっています。皆さんは夏日と真夏日の違いはご存知でしょうか?夏日とは最高気温が25度以上30度未満の日であり、真夏日とは最高気温が30度以上35度未満の日をいいます。35度以上になると酷暑日と最近ではいうそうですね。水分と塩分補給が欠かせない日がこれから続いていきます。熱中症にはくれぐれもお気をつけください。コーヒーとアルコールは利尿作用があるので水分補給には向きません。むしろ脱水させるのであまり飲まないほうがいいようです。

さて前回はグラフィックボードの基礎の基礎をお話させていただきました。あくまでも私のブログネタは、超がつく初心者の方がコンピュータやソフトを自分自身の力で買うことが可能になるというのが目標です。ですので、前回のグラフィックボードの回は、読まれる方にとってはあまり興味をそそられるお話ではなかったかも知れません。いずれ自作PCに関してお話する機会もあると思いますので、各部品の詳細なお話はそのときにするようにしたいと思っています。ご了承ください。今回はマザーボードについてのお話です。家電量販店でのPC購入やソフト購入をする際に絶対に抑えなければならない。という項目ではありません。むしろ逆で、マザーボードに関しての記述のあるPC製品やソフトはほぼないと言っていいでしょう。ではなぜ抑えておく必要があるのか?ということですが、最近のマザーボードは様々なインターフェイス(ハードウェアの接続口)やネットワークアダプタ。さらには音声の制御も行っています。さらにマザーボードには重要な役割があります。ですが、ユーザがコンピュータを使用していてもそれらを意識することはまずありません。今回はコンピュータの中での影の主役ともいえるマザーボードのお話です。

今までコンピュータを構築する部品をいろいろ紹介してきました。まずは入力装置。キーボードやマウスのお話を私の独断と偏見も交えつつお話しました。続いてCPU。コンピュータの頭脳といってもいい重要な部品です。これがないとコンピュータ(電子計算機)は計算が行なえません。続いて主記憶装置ですね。メモリのことです。メモリはCPUが計算を行う際に使用する作業台でした。ある程度の広さは必要であるけれども広すぎても良くないというお話をさせていただきました。続いて補助記憶装置ですね。データの保管庫である補助記憶装置は主記憶装置と違い、電源を切ってもデータが消えないという特徴があり、主に使われているのはHDDとSSDであるというお話をさせていただきました。HDDもSSDもそれぞれの特徴があり、一長一短だなと思った方も多いのではないでしょうか。

以上が今までお話した内容を簡単にまとめたものになります。しかし、これらの部品はこのままでは独立したままでつながっていません。コンピュータは以前もお話したとおり、各部品の実力の平均値がそのままコンピュータの実力になります。各部品の実力が上がれば平均値も上がっていき、結果としてコンピュータそのものの能力も上がります。しかしそれらをつないで橋渡しをする部品が必要です。そう、どんなに優れた選手が集まったチームでもそれを統率する監督が必要なのです。その監督にあたるのがマザーボード、というわけです。マザーボードにはCPUソケット、メモリスロット、SATAポート、USB2.0端子とUSB3.0端子、ネットワーク接続のために必要なLANポート、PCIエクスプレス、チップセットが搭載されています。とはいってもよくわからないものもあると思います。

CPUソケットとは文字通りCPUをセットする場所です。CPUをソケットに乗せて留め金をつけるとマザーボードとCPUが物理的に接合されます。ノートPCではマザーボードに、はんだ付けされて固定されており、基本的にはCPUの交換はできないと考えていいでしょう。以前CPUは購入後は交換できないと申し上げたのはこういうことです。ただメーカーによっては差額を支払えば交換してもらえるところもあるようです。ただ、家電量販店で購入できる大手メーカーのCPUははんだ付けされていることがほとんどなので特にノートPCを購入する際はこのCPUの能力で約5年間くらいを過ごすのだという覚悟のもとで購入されることをおすすめします。

続いてメモリスロットです。文字通り主記憶装置であるメモリをセットする場所です。メモリの基板をメモリスロットに挿入し、両サイドにあるラッチ(留め金)をメモリの両脇にある切り欠きへかけるとセット完了です。家電量販店で売られているPCに関してはデスクトップ型はマザーボードのメモリスロット1本にしかメモリは刺さっていません。2つ指すとやはり価格に反映されてしまい高くなってしまうからだと思われます。ノートPCも同様にメモリがメモリスロットに刺さっているか直接はんだ付けされていることがあります。メーカーによって変わってきますが、ノートPCの底を開けるとメモリスロットがもう1本出てきます。追加購入した増設用メモリを刺すスロットですね。自身でメモリ増設することが苦手もしくはわからないという方は、家電量販店で増設メモリをノートPCへ、店員さんに入れてもらうことができますので、自信のない方は購入後すぐに増設するか、ノートPCを持っていってメモリ購入後に増設してもらいましょう。増設するメモリは最初に搭載されているメモリと同じ容量のものを選ぶのが基本です。例えば4GBのメモリ搭載のPCを買ったら、4GBのメモリを購入するという具合いです。

続いてSATAポートです。これは何かというと補助記憶装置や光学ディスク装置を接続するポートです。要はHDDやSSD、DVDドライブやブルーレイドライブをつなぐ場所です。SATAというのはシリアルATAという規格の略称で、データの送受信方法のことです。以前はPATAというパラレルATAという方式でデータを送信していました。パラレルというのは伝送路を複数本用意しておき、並列的に同時にデータを送受信する方法です。簡単に言うと3車線の道路があったとしたら、3車線同時に車を走らせます。1車線で走らせるよりも3車線で走らせたほうが車がたくさん通行できます。しかし、現在はシリアルATAに変わっています。シリアルというのは伝送路が1本のみで、その伝送路を使ってデータを送受信します。車の例で言えば1車線の道路で車を走らせている状況です。ここで「ん?」と思った方もいらっしゃるでしょう。シリアルよりパラレルのほうがデータの転送率が高いのでは?ということですね。たしかにそのとおりです。ですが、SATAのシリアル伝送路はPATAの伝送路よりも最高速度が速く設定されています。例えば、時速60キロが最大速度の道路3車線を使って車を同時に走らせるよりも、最高速度が240キロの道路1車線を使って車を走らせたほうが結果的にたくさんの車を走らせることができるということです。現在はSATAポートを使ってデータの送受信を行うほうが速いためSATAが採用されています。

続いてUSBポートです。USBとはユニバーサルシリアルバスの略称です。ここでもシリアルという言葉が出てきているとおり、伝送路は1本です。以前はUSB1.0と1.1という規格が主流でしたが、この2つには問題がありました。それはデータの伝送速度が遅いというものです。USBはコンピュータの周辺機器ならほとんどのものを接続し、コンピュータ側も何が刺さっていてどういう動きをするものなのかを認識することができます。キーボードやマウスはもちろん、ヘッドセット、ゲームコントローラ、プリンタに外付けのDVDドライブやブルーレイドライブ、外付けのHDDやSSD、USBメモリやスマホ、はては扇風機や保温機能付きの手袋まで様々です。利便性の良さから、ゲーム機にも搭載されており、PS2以降の据え置き型ゲーム機にはだいたい搭載されていて、ゲームコントローラやキーボードを接続することができます。ただし、データ転送速度が遅いのです。キーボードやマウス、ゲームコントローラやプリンタなどの動作速度の遅い周辺機器は特段問題ないのですが、USBメモリや外付けHDD、SSD、DVDドライブにブルーレイドライブなどのデータをできるだけ高速で転送したい場合には不向きでした。特にデジタルビデオカメラやデジカメからの映像や写真の転送には時間がかかるため、USBではなくIEEE1394(あいとりぷるいーいちさんきゅうよん)という規格を使っていました。こちらはメーカーによってはアイリンク端子とも呼ばれていました。このポートを使うことによってデジタルビデオやデジカメで撮影した写真データをPCに高速に転送していたのです。ですが、IEEE1394は高速転送はできるものの、種類がほぼデジタルビデオやデジカメの写真などに限られており、拡張性は皆無でした。その後USB2.0という規格が発表され、USBはその拡張性を残しつつ高速伝送が可能な規格へと変わりました。現在ではUSB3.0という更に高速なデータ転送が行える規格がスタンダードとなり、家電量販店で売られているUSBポートはUSB2.0とUSB3.0が混在した状態で販売されています。IEEE1394は現在ではもう見られることはないでしょう。

続いてLANポートです。昔のPC(Windows98やWindowsXPの頃)は、モデムカードと呼ばれる内臓モデムが搭載されていて、LANポートは未実装の状態で売られていました。ちょうどADSLという電話回線を利用した高速で使い放題のインターネットプランが広まっていっていた時期ですが、場所によってはまだそのサービスが行き届いていない地域もありました。また、ADSLはNTT内の局内工事が必要であり申込み作業が必須でした。もちろん通常のダイヤルアップでのインターネット利用もプロバイダへの申込みが必要ではあるのですが、ADSLを申し込んでいなくてもとりあえず低速でインターネットが利用可能なようにデスクトップ型にもノート型にもPC製品であればモデムカードが内蔵されていました。ですが、最近はインターネット回線も光回線での接続が当たり前となり、内蔵モデムカードは低速であるということと、固定電話を持たない世代が増えてきているということもあり、現在では内蔵モデムの入った製品はほぼありません。その代わりLANポートや無線LAN(Wi-Fi。ワイファイ)が搭載された製品が増えています。LANポートは有線でインターネットに繋ぐ際のケーブルをつなぐポートです。種類は10BASE-T、10/100BASE-TX、1000BASE-TXなどがありますが、現在売られているPCのほとんどは1000BASE-TX(ギガビットイーサネット)と呼ばれるものが主流となっています。また無線LANであるWi-Fiも最大で100Mbps出るため、動画視聴やネット閲覧・メールの送受信に関しては無線環境でも充分実用に足る状態となっています。

続いてPCIエクスプレスポートです。こちらは主にグラフィックボードを接続するために使用されています。PCIエクスプレスという名前だけあって、特急並みに速い速度でデータの送受信を行えます。以前はPCIというポートでグラフィックボード以外の拡張ボードを取り付けてデータの送受信を行っていました。例えば音声データやインターネット接続に使う内臓モデム、USBポートの増設のためにそれぞれの拡張ボードを刺していました。そしてグラフィックボードはAGPという映像データのやり取り専用のポートを使っていました。しかし、それよりもデータ転送速度が速いPCIエクスプレスが開発され、現在はAGPもPCIも廃れてしまい、マザーボードにはPCIエクスプレスというインターフェイスが採用されています。PCIエクスプレスも種類があり、1倍速、4倍速、8倍速、16倍速があり、1倍速が短いスロットで、倍速数が上がるにつれて物理的に長くなっていきます。16倍速はグラフィックボード専用として使われています。それだけ大量のデータをやり取りしているわけですね。その他の拡張ボードはほとんどが1倍速でデータのやり取りが可能なものがほとんどで、4倍速や8倍速必須の拡張カードはほぼ見かけることはありません。PCIエクスプレスは互換性があります。例えば1倍速で動く拡張ボードを16倍速に挿しても問題なく動作します。ただし、16倍速の拡張ボードを1倍速に刺すことはできません。そうできないように物理的に刺さらないようになっています。よくPCIとPCIエクスプレスは互換性があると勘違いされがちですが、物理的に刺さらないようになっているため当然互換性はありません。無理に刺すと壊れたり通電火災の原因になります。

続いて音声の入出力に関してですが、これに関してはグラフィックボードと同じく、サウンドカードと呼ばれる音声出力用の拡張カードが必須でした。一昔前のPCではマザーボードには音声を出力する機構がなく、音声の入出力を行うためにはサウンドカードが必須でした。またサウンドカードにはゲームコントローラを接続する専用のポートが付いていることが多く、PCゲーマーで専用コントローラを使うゲームをプレイする人たちにとってはもちろんですが、キーボードとマウスでゲームをプレイする人にとってもPCから音声を出すためにサウンドカードは必須の拡張カードでした。しかし最近のマザーボードにはこのサウンドカードの機能が標準で搭載されています。ゲームコントローラはUSB接続になり、サウンドカードのゲームポートは不要となりました。現在はCPUが計算した音声データをマザーボードのサウンド出力機構へ送信して、そこから接続されたスピーカーやヘッドホンなどに音声を出力しています。現在はサウンドカードは必須ではなく、音質にこだわりがある人が使うものと言う認識になりました。

最後にチップセットです。上記の様々な部品や入力装置などを接続するという意味でも重要なマザーボードですが、単純にチームを作っただけに過ぎません。このチップセットこそマザーボードの監督としての役割を果たす重要なものになります。実は各パーツはそれぞれ動作速度が違っています。CPUはものすごく高速で動きますし、入力装置であるキーボードやマウスはものすごく低速です。補助記憶装置も動作速度刃物によって様々です。PCの部品には飛行機並みの最高速度をもつものから、赤ちゃんがヨチヨチ歩きをするくらいの速度のものまでがありますが、それらが自分の速さを制御しないまま勝手に動いたらどうなるでしょうか?当然チームは崩壊します。各選手はとてつもなく優秀ですが優秀な選手が集まっても彼らが統率されることなく動けばチームとしては成り立たず試合に負け続けます。その優秀な選手たちを統率して、ときには速度を落として周りに合わせて動くように指示しなければなりません。それを行っているのがチップセットです。しかし、家電量販店で売られているPCやPCソフトに関してチップセットの記述はありません。チップセットが関与してくるのは自作PCでCPUの動作速度を上げたり、メモリの動作速度を上げたりする場合にCPUやメモリが速度を上げても問題なく動くかどうかという部分に関わってくるので、家電量販店でPCやPCソフトを買う場合には必要のない情報になるというわけです。ですが、各部品や入力装置が問題なく動作し、高い能力を出せるかどうかには関わってくる部分ですので、そういうものなんだということで認識していただけるといいでしょう。

というわけで今回は影の主役、縁の下の力持ちであるマザーボードについてお話しました。今までのブログネタで紹介した部品や入力装置がどうつながってどう動いているのかがざっくりとイメージできたでしょうか?すべての部品・装置・ケーブルはマザーボードにつながるのです。各端子はすべてマザーボードに直結しています。つまり、周辺機器をPCに接続することはマザーボードに接続しているということなのです。そして、マザーボードは各装置や部品のリズムをとって、きちんとシステムとして動くように監督しているということもおわかりいただけたかと思います。しかし、これでコンピュータが動くのか?というとそうではありません。ここまでお話した内容はあくまでもハードウェアという中でのお話です。車で言えばエンジンの馬力や内装のシートの座り心地、カーエアコンにカーナビのお話をしただけにすぎません。そう、車はドライバーが運転しなければ前に進むことはありません。

コンピュータも同じで、ドライバーがいなければ当然動きません。現時点ではコンピュータはただの電子部品が詰まった箱の状態です。この電子部品に電気を流しても画面には何も表示されません。マザーボードの設定画面は表示されますが、マザーボードの設定画面はあくまで動作設定の画面であり、ワープロソフトを使ったり、ゲームをしたり、インターネットを使ってやり取りを行うっことはできません。ではどうすればいいのか?そうです。ここでOSというものが必要になります。OSによって動きが統率されたチームに司令が出され、様々なソフトが使用できるようになり、電子計算機としての実力を発揮できるのです。基本的にコンピュータはハードウェアとOSの組み合わせまでがセットです。過去のブログネタにも登場したOSという言葉ですが、これはそもそもなんのためのものなのか?という謎がやっと解き明かされるのです。そして、このOSにも様々なバージョンがあります。自身でPCソフトを買う場合はこのOSに関しての知識も必要となりますので、次回のブログではOSについてお話していきます。ご興味がありましたらお立ち寄りください。それでは失礼いたします。


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