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【どうしてイヤなことを言うのか】~バカって言った人がバカ~

小売業に初めて就いて、
新人研修を終えたばかりで
レジもアナログな頃のエピソードです。


その日は自分一人でレジをすることになり
緊張で、レジを打つ指も
ちょっと震えたりしてました。

願いに反して店は来客が多く、
新人の私のキャパは破裂寸前。

「いらっしゃいませ」を
「いらっしゃいました!」と言ってみたり、

確認事項を何度も繰り返してみたり、

そんな自分に余計に焦ってしまい、
「テンパった」状態でした。

そこへビジネス風の
ちょっと神経質そうな男性の順番が。

購入金額は覚えてないのですが、
千円札を一枚出されて、
それをレジに打ち込んでコインを数枚取り、
お返ししようとしたタイミングで

男性は「あ」と、小銭を数枚
取り出してカルトンへ置きました。

テンパっている私は頭が廻らず、
咄嗟に計算機を取り出して
預り金合計と購入金額を引き算しました。

そんな私に男性は
「頭、悪いの?」
と言いました。

私のたどたどしいレジに
イライラがピークだったのでしょう。

「はい、悪いです。
お待たせしてスミマセン…」

正しいお釣りを用意してお返ししながら
私はそう答えるのが精いっぱいでした。

その男性はそれ以上何も言わず、
お釣りを受け取るとレジを離れて行きました。

この日の一人レジの感想を
売り場のチーフに聞かれ、

「さんざんモタついちゃって
嫌味言われちゃいました~!」

笑いながらそのエピソードを話しました。
それを傍らで聞いていた先輩スタッフが

「そんなこと言われて腹が立たないの⁉」
と、呆れた表情で言いました。

「いくらお客様だからって、
そんな言い方は失礼よ!」

「そうなんですけど、モタついてるのが
相当、気に入らなかったんでしょうね~」

またヘラヘラ返事をする私に

「...あなた、人がいいのねぇ」

微妙な表情で彼女が呟くのを見て

「ま~ま~!あれよ、
バカっていう人がバカだって
小さい頃、お婆ちゃんに言われたけど
そういうことよ~!」

チーフは屈託なく笑いました。
私もそれにつられて笑いました。




似たようなことが
それから数年後にもありまして、

当時の上司がよく嫌味を言う人で

「書きののカメダ校私の出身校(仮)って確か、
偏差値57、8?だったよね」

と、私の学歴をニヤつきながら
持ち出したことがありました。

「ハラスメント」という概念は
まだ新しい頃でした。

「あ~?はい、そうですね~」

このやりとりを聞いていた同僚が
「さっきのアレ、よく我慢できましたね!」
と、憤慨して言いました。

このときも
上司に嫌味を言われているというのは
わかっていました。

が、私はこの上司が
人の履歴書をチェックしているという
そのことに不快感は感じましたが
それだけでした。





どちらも悪意の失敗例かなと思います。

言った本人自身が「イヤな人です」と
公言しちゃったようなものだと思います。

私にとっては
亀に「亀」と言っているのと同じで

「あなたは亀なの」
「はい、亀です」

「ノロマだよね」
「はい、そうです」

それだけのことでした。


でも、私は「人」なので
これは「人格否定」ってヤツですよねー!

「急いでほしい」のなら、そういえばいいものを
「頭が悪い」となぜ言うのか。

何の意図があって、わざわざ
人の学歴を持ち出して言う必要があるのか。

伝わってくるのは
彼らに共通するのは「亀」も「ノロマ」も
否定的価値なんだろうな、
ということです。

もし、そういう相手の問題(価値観)に、
自分の感情が反応してしまうなら

自分にも同じ因子があるかもしれないです。

「亀でノロマ」は問題だと感じている、
または自分が「亀」と知られたくない、

かもしれないということです。

私はたまたま
「亀は亀でいい」価値観だったので
その悪意は空振りし、さらに彼らは自ら
自分の劣等感を晒すだけになりました。

でも、彼らは何故
「亀」を否定するに至ったのでしょうね。



バカって言った人がバカ


これは言い得ているな~と思います。

相手を攻撃するときに使う、悪意ある表現は
自分の内面を晒すことと同じなんだなあと
思いました。



一方、先輩が言った「人がいい」に
何か引っかかるものがありました。

腹が立つというより、
何かモヤっとする感じなんです。

彼女は悪意はなく
無意識に言ったのでしょうが、
私には違和感がありました。

いい人」じゃなくて「人がいい

似たような言い方ですが、
意味は違いますよね。

「人がいい」って
「損してる人」みたいなことですか?
「愚かしい人」って感じ?

「あなたにはプライドがないのか」
蔑んでいる感覚でしょうか?

「人がいい」を無意識に選んだ彼女に
モヤッた私は何を感じ取ったのでしょう。


「頭が悪い」と「人がいい」

どっちが酷い表現かわかりませんが、

「人がいい」に反応した私自身も
なーんか匂うモノ、ありますよね。



「そういう人に、私はなりたい」

宮沢賢治のように
そう思っている理想(価値)が私にもあって

それを持っていると感じる対象の人に
嫉妬したり否定したくなったり。

無意識にそんな心理が働いて
私は誰かに嫌なことを言うかもしれません。



完ぺきな人なんて
この世にはいないので、

自分の心が、時として
諸刃の刃の言葉を発するかもしれないって
忘れないようにしないとね。



ここまで書いて保存していたら
こちらの記事を見つけてしまいました。

私が伝えたいことを
shogoさんはいつものように整然と、
床の間の和室のように
書いて下さってまして、

しかも漢字とカタカナが違うだけで、
タイトルが同じ😱

いつものようにバックレよう下書き保存しちゃうおうかと
思ったのですが、、、


私の記事は、shogoさんの記事を読むと
意味がよーくわかります!!




おしまいっ





※ヘッダーは着ぐるみさんのイラストです。
 かわいくて大好きです♪







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