AAAと日傘を買った理由

先週、AAAの與真司郎がゲイをカミングアウトしたことが大きな話題となった。僕はその日、ゲイバーで飲んでいて、一緒に飲んでいたお客さんが教えてくれてちょっとした盛り上がりを見せたので、多分ひとりでこのニュースを知るよりも、自分の心に大きな波紋を起こしたと思う。

正直、AAAは今まで自分とはあまりにもかけ離れたキラキラ系のアーティストだったので、全然聴いてこなかったのだけど、このニュースを期に気になって聴いてみるとまあ素敵。歌が上手い人、男女問わず顔が良い人が好きな僕にとっては、どストライクのグループじゃないですか。與真司郎のことも大好きになってしまった。

実際、日本のエンタメ業界でゲイを公表している人ってオネエタレント以外にほとんど思い浮かばない。だいたいが週刊誌のスキャンダルにされてなんなら引退に追い込まれて、ってことも多かったから、今回の出来事は本当に多くのLGBTQ+の人々を勇気づけたのでは、といつになく真面目なことを考えたりした。與くんと同じで、ってのもなんかおこがましいが、彼がこちら側にいると思うと実際本当に誇らしいし。

さて、話は変わるけど、先週日傘を買った。シンプルに今年の夏は暑すぎて、どうにか暑さを軽減したいって気持ちと、知り合いの結構イケている男子が当たり前のように日傘を使っていたのに影響されたのが理由。正直、元から地黒な僕なので、今さら多少の紫外線を防ごうがどうなのかみたいな気持ちもあるのだが、それよりも男だけど日傘を差す自分、みたいなメンタリティに意味があって。

実際に使ってみると、常に日陰にいるのと同じ状態になれるというだけで、炎天下の中を何もしないで歩くのとはキツさが全然違う。普通に考えて、暑さを和らげるって意味でも、日傘を差した方が絶対にいいのだ。だけど、男が日傘ってちょっと恥ずかしいって世間体はいまだあって、その感覚は僕の中にもあって、日傘を差すという行為はそういった思考を浮き彫りにするような感じがして。

まったく人目も気にならない、恥ずかしくないといったら嘘になるけれど、多分今までの僕は、世の中の6割の人がやり始めたらようやくその潮流に乗っかるような人間だった。それが、先駆者とまではいわないまでも、こうした方がいいという自分の意思に従って日傘を差して歩くことで、なんだか不思議と誇らしい気持ちになれて。気分はさながらレインボーフラッグを掲げて歩くオピニオンリーダー。

AAAの件と繋げるのはいささか無理やりな気もするが、誰かの行動や存在が周囲の風潮を変えたり、誰かを勇気づけたりすることってあると思って。今回の僕の日傘を差すという行為は、誰というより僕自身を勇気づける意味もあるなぁと感じている。自分が良い、こうしたいと思ったことをしていく、ひとつの指針になるような、僕の夏の新習慣である。

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