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水火既済【卦の解説】

はじめに

今回は水火既済について解説します。

水火既済の解説

既済とは万事すでに成る、事がすべて成就したことです。この卦は、各爻すべて正位にあり、みな正応するものがあります。易の理論からいえば、もっとも理想的な形です。苦難と努力の果てに、すべての人が相応の地位を得て安定し、一致協力して平和を守っている状態です。しかし、易とはやむことなき変化であり、完成は同時に崩壊のはじめです。完成してしまえば創造のエネルギーは乏しくなります。いまは新しい事業に手を出すことなく、ひたすら現状維持に意を注ぐことが大切です。有終の道を説いている卦です。

爻辞

初九: その車輪を引いて、その尻尾を濡らす。災難を免れる。

六ニ: 婦人がそのかもじを失う。追うことはない。七日たてばもどって来る。

九三: 高宗が鬼方の国を討伐し、三年かかって征服する。小人は使ってはいけない。

六四: 防寒着にボロを着ることがあっても、それをまとって終日警戒を怠らない。

九五: 牛を殺して供える豪華な東どなりのお祭りよりも、心のこもった西どなりのお祭りの方がよく、本当に神から祝福を授けられる。

上六: 頭部を濡らす。危ない。

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