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オンラインでマジックショーするぞ15

~OBSのHOTキーとフットスイッチでさらに配信をスムーズに~

ある日ツイッターを見ているとコロナ禍の前からマジックを撮影し映像配信していたマジシャンがフットスイッチを使っていると知ります。名前の通り足でペダルを踏むとキーボードのキーを押したことと同じにパソコンを操作できます。この器具を見た時は自分の配信にとって良いアイテムになるとは感じなかったのですが、これと時期を同じくしてOBSソフトのとある機能に初めて気づきました。オンラインでマジックショーを何度もして10月になる頃です。それがOBSの「設定」の中の「HOTキー」という機能。キーボードのキーを押すとOBSの中で配信をスタートするだとか停止するだとか、自分で決めたシーンを切り替えるだとか表示する画像を非表示にするだとかが可能になります。

シーンの切り替えをHOTキーに割り当てる

私のオンラインマジックショーは現在「挨拶」「ハサミマジック」「ハンカチマジック」「数字の予言マジック」「CM1」・・・と14くらいのシーンに分かれています。さらにはカメラが不具合で使えなくなった緊急事態用のシーンと参加者に誕生日の人がいる時の特別なマジックのシーンなど特殊なものも加えると24ものシーンに分かれます。これにすべてキーボードのキーを割り当てています。これにより「それでは次のマジックです」と言いながら割り当てたキーを一つ押すとシーンが切り替わるのです。カメラの切り替えも可能です。設定したあるキーを押すと「メインカメラ」と「サブカメラ」を切り替えられます。まさにスイッチャー。ちなみに私はこの切り替えを「O」キーで行います。さらにマジックの途中で特に見せたい画像があるとします。例えば僕の場合エクストラジョーカーに書かれた「保証書」の文言です。これを画面に映すとき「P」(printの意味で覚えやすかった)のキーを押すとジョーカーの画像が現れます。

HOTキーをトグルスイッチにする

私の場合例えば画像を表示させる「P」キーを「トグルスイッチ」にしています。これは同じキーで表示と非表示両方を割り当てることです。すなわち「P」を一度押すと画像を表示しますがもう一度押せばその画像を見えなくすることができるのです。他にもあるキーを押せば意図する音楽を流すことができ、もう一度押せばその音楽を止めるということもできるわけです。画像や音楽のONOFFが一つのキーで可能になるのです。(写真には表示、非表示の両方に同じキーが割り当てられています)

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フットスイッチで切り替え可能にする

ここでフットスイッチの意味が出てきます。フットスイッチで一つのペダルを「O]に設定しておきます。すると、マジックをしている途中両手がふさがっていても、足でペダルを押せばOを押したことになり、OBSで設定した通りカメラが切り替わるのです。そう、足でカメラの切り替えをおこなえるんですね。

3つのフットスイッチで「トレビアあ~ん!」

フットスイッチの3つのペダルには
・(左側) 効果音を出す「数字の2」キー
・(真ん中)カメラを切り替える「O」キー
・(右側) 「トレビあ~ん」の文字を出す「P」キー
を割り当てました。

これでテーブル上でマジックをしていても、現象が起こった時に両足を使って真ん中と左と右のペダルを順に押すと「カメラがテーブル上を映すメインカメラから顔の表情を映すサブカメラに切り替わり」「拍手の効果音が流れ」「『トレビあ~ん』という文字が表示される」のです。見ている参加者はマジックの現象を見て驚いた後、拍手を促す画面を自然な流れで見ることになりウチワを振ったり拍手したりとリアクションをとりやすくなるのです。

さらに、これはムッシュピエールというマジシャン特有の話ですが、普段からウォンドを多用する私は、一つのマジックが終わりトレビアンとポーズを決めた後、「さあ、次のマジックです」と言いながらまるで魔法をかけるかのようにウォンドでもってシーンの切り替えHOTキーを押します。すると設定したスティンガーという切り替え映像が1秒ほど流れてから次のマジックシーンに変わります。切り替わると先ほどのマジックシーンとは別の演目テロップとBGMが流れます。まさに文字通り「魔法の杖」で演出を切り替えているのです。

HOTキーの弱点

とまあ、便利なHOTキーですが不便なところも2つあります。一つは私がHOTキーにキーボードのアルファベットキーを23個も割り当てているから起こることですが、OBSが起動している間はこのHOTキーが反応してしまうので、ZOOMでチャットをしようものならOBSのシーン切り替えが目まぐるしく発生してしまいます。もう一つは、一つのHOTキーが設定した全シーンに影響を与えるということです。例えばシーンAとシーンBともにマジックで必要な画像を表示させるHOTキーとして「P」キーを設定しているとします。シーンAで「P」キーを押して何らかの画像(a)を出したとします。この時画面では見えませんが、別のシーンBにおいて(b)を表示しているのです。それを知らずにシーンBに切り替えてしまうと、意図しないタイミングで(b)が表示されているということが起こってしまいます。

「V」はHOTキーにしない

これは特殊な話かもしれませんが、私の場合「予言のマジック」としてお客様にカードの名前をチャットで届ける場面があります。例えば「ダイヤの7」と送ろうとするとキーは「daiyano[space]7」の8種です。このうち5つはHOTキーなので上述のようにシーン切り替えや画像表示が発生してしまいます。それを避けるため、OBS起動前にダイヤの7と打った文字をあらかじめコピーしておき、配信中にはZOOMのチャット覧に[ctrl]+[v]で「貼り付け」を行うことでこれを回避しています。そのため「V」にはHOTキーを割り当てていません。ご参考までに。

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