『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』/木暮太一

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この本は『資本論』と『金持ち父さん貧乏父さん』に基づいて書かれた「目指すべき働き方」について論じられている。(既視感を覚えた方もいるかもしれないが、Voicyで有名なサウザーラジオ的な内容だといってもいい)

この2冊は同じことについて述べており、資本主義経済の中で私たち「労働者」が必然的に置かれている状況についてであり、そこから考え始めることでどういう「働き方」を選択すればラットレースに巻き込まれず、幸せに暮らしていけるかについて論じている。

結局は「自己内利益」を増やすことに他ならない。

<自己内利益の方程式>

自己内利益=(①年収・昇進から得られる満足感)ー(②肉体的・時間的・精神的苦痛などの必要経費)

例えば年収1000万以上稼ぐプレーヤーは確かに高い満足感を得られるかもしれないが、その分時間的な拘束や精神的な苦痛が大きかったりする。

一方で②を下げようとすると、難易度の低い仕事、働く時間を短くなるなどの対応になり現状と同じ給与・役職を維持することは難しくなる。

では、どうすれば「自己内利益」を増やすことができるか?

方法は2つ。

(1)満足感を変えずに、必要経費を下げる方法

(2)必要経費を変えずに、満足感を上げる方法

(1)に関して、必要経費とは肉体的、時間的なものがあるが、これは減らすと給与が減る方向にあるため重要なのは「精神的な苦痛をいかに減らすか」であると本書では主張する。結局は世間一般の感覚で照らし合わせ「精神的な苦痛」に大して「給与」が払われるため「平均して、他の人よりも精神的な苦痛を感じにくい」仕事を選ぶことが大事になってくる。

つまり

「世間相場よりもストレスを感じない仕事を選ぶ」

ということだ。これは非常に重要なポイントだと思う。つまり自分が精神的に向いている仕事を選べということだ。

そして(2)に関しては、「稼ぐ」ことが大事になるが、これには時間などをかけて2倍高くジャンプして稼ぐ方法と、自分のスキルや経験といった「土台」に乗って稼ぐ方法がある。断然、オススメのは後者である。

つまり

「まず、積み上げによって土台を作り、その土台の上でジャンプする」

これが大事になる。

わかりやすい例えでいえば、ITスキルといった土台を作り、その土台を武器にジャンプをして沢山稼ぐといった具合だ。

「労働力は消費するのではなく、投資する」

感覚こそが大事になるのだ。

例えば

レンタルビデオ店の店員:時給1000円

ベンチャー企業での社員の仕事のサポート:時給780円

この2つの仕事を比較したときに、給与が高いのはレンタルビデオ店の店員ではあるが、投資の観点で言えば、ベンチャー企業での社員の仕事のサポートをした方が実りは大きい。

「長期的な資産を作る仕事」

このような仕事こそを選ぶべきなのだ。

また

「過去からの積み上げができる仕事(職種)を選ぶ」

ことも重要になってくる。

さらには、他にも変化の速い業界・職種では、過去の積み上げが適用しにくくなることから

「変化のスピードが遅い業界・職種を選ぶ」

ことの重要性であり、

合わせて

「賞味期限が長く、身につけるのが大変で、高い使用価値のある知識・経験をコツコツ積み上げる」

「PLだけではなく、BSも考えた働く(長期的に利益を生み出せる資産を基づく」

ことも大事であると本書では主張している。

要は

「資産を作る仕事を、今日はどれだけやったか?」

これを常に考えていかないといけない。

私は業界・職種を選ぶ観点で大変参考になった一冊である。

貴方も今後の自分の歩むべき方向性に迷っているのであれば、参考に読んでみるのはいかがだろうか?

『僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?』/木暮太一





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