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No more 不正行為

これまで仕事を通して金の使い込み、無断備品売却など様々な不正行為に出くわしたことがある。ここでは、粉飾決算を犯罪学者のドナルドRクレッシーの提唱する「不正のトライアングル」を使って当てはめてみて、最後に抑制について考える。
※トライアングルというくらいなので3点である

その① 動機(不正に動く理由)

会社役員から強烈に目標売上を達成するよう指示が再三あり、営業としては未達を報告しにくい雰囲気が出来上がっている。

その② 機会(不正ができる環境の存在)

長年担当している経理担当は1人で、手書きの売上伝票、返品伝票をもとに帳簿に記録しているが、伝票の内容については1度も質問された事はない。

その③ 正当化(不正の抵抗感の排除)

過去の営業の先輩方も、裏技と称して、決算前に架空の売上伝票を作って経理担当に渡して、決算後に取り消すための返品伝票を渡すことで、毎回決算までの売上目標をクリアできるよう繰り返していた。

このように架空の売上計上は3点の分類に当てはめるとすっきりすることが多い。特に粉飾決算における第三者委員会のレポートは原因がわかりやすく記載されているので分類しやすい。

※最近ではその④ 専門的な知識 を加えて不正のダイヤモンドという概念もあるようだ。

抑止方法の例

ところでこれらを抑止するにはどうしたら良かったのだろうか。それはまず単純に各々その①〜③までの要素を丁寧に取り除く事だと考える。

例えば、

①社外役員を招き、非現実的な予算は一切承認せず、実現が難しい売上目標の達成を従業員に強いないガバナンス体制にする。

②ジョブローテーションによって経理担当を変える。また、伝票承認者を配置して伝票を確認後に計上させる

③営業担当が作成する売上伝票には、取引先の受領書を必ず添付したものを計上するルールに変える

などの対策である。

ダブルチェックや、一定期間後の担当の配置替えのみならず、期末と翌期に不自然な赤黒伝票がないか、その伝票の作成者はいつも同じでないかなどにも気を配る必要がある。

複雑になると海外子会社を何社も使って追跡を難しくしたり、承認者と示し合わせて不正を行うものもいる。

おそらくこれまでの粉飾事例もデータベースで多くあり、このフレームワークを行って整理すれば相当程度共通課題の掘り起こしと解決策が見えてくるのではなかろうか

それではまた!


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