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つつじを見にいく

 休みの日に季節のお花を見にいくと決め、2月は梅、3月はマグノリアを見た。4月は上旬に菜の花を見にいくつもりで有休もとったのだけど、天候に恵まれず、すべりこみで4月の終わりにつつじを見に行った。結果的に夏のような好天でおさんぽ日和ではあった。

 何度か行ったことのある根津神社のつつじ祭りにしようかとも思ったけど、連休中で混雑していそうだし、練馬の平成つつじ公園というところに行ってみた。

 お花を見る前に駅から10分ほどの中華料理屋でお昼ごはん。カニチャーハンと餃子をいただいた。味も値段もお店の佇まいも、かくあるべしという教科書通りの町中華。
 たぶん80近い老夫婦がふたりで営んでいて、奥さんのほうがでかい中華鍋を片手で振って、おたまにチャーハンを詰めていく手際が見事過ぎた。練馬に行く機会があったらまた食べに行きたいお店。
 とはいえ、東京で一人暮らしを始めて四半世紀以上経つし、西武池袋線方面に住んでいたこともあるのに練馬で降りたの2回目くらいだけど。

 平成つつじ公園は駅を降りてすぐの場所。家族連れなどがボール遊びに興じるのどかな広場を抜けて、奥のほうにつつじ園が広がっている。
 ただ、ここに植えられているつつじは「くるめつつじ」という品種で、小ぶりな花が群がって咲くタイプが中心だった。これはこれでかわいいのだけど、どちらかといえばオーソドックスなつつじが見たかった。
 それに、そもそも全体的に盛りを過ぎていて、萎れ始めた花が多かった。つつじは満開の時は本当に華美で綺麗なのだけど、萎れるとちょっと目も当てられない悲惨な姿になるんだよな。

 そんなことを思いながら花を見てまわっていたら、すぐ近くで「いや〜綺麗だけどもっと早く見にくればよかったなあ」と大きな声がして、振り返ると中年の男性がいた。近くに家族でもいるのかと思ったけど、ひとりで来ているようだった。歳をとるとあんな大声で独り言をしゃべるようになってしまうんだろうか。自分の末路を案じて怖くなる。


 平成つつじ公園だけではすこし物足りなかったので、急遽、駒込の六義園にも行くことにした。駒込もふだん滅多に来ない土地。ずっと前に駅前のサウナのバイト面接に行って以来か。面接は落ちたので駒込に行く用事もなかった。

 六義園は山手線の内側とは思えないほど広大な敷地で、それなりに人はいるけどごみごみした感じはなく、つつじもまだまだ見頃でとてもよかった。特に藤代峠という名の小山のようになった場所に色とりどりのつつじが咲いていて、たいへん見応えがあった。 
 

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