バン

嘘はつくけど裏切らない人間です

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最近の記事

「鬼」ジャンル:ホラー

誰かに見られている 一週間ほど前から、何者かの視線を感じていた 家にいるときも、バイトをしているときも、大学で講義を受けているときも、何者かに見られている気がした 僕は深夜のコンビニでアルバイトをしている大学生だ 誰かが僕を見張っているのではないかと考えたが、見張られる理由も思い当たらない 一人でいると気味が悪いので、僕は人の多いところにいることが増えた 深夜のバイトが終えた僕は、お金を入れると銀色の玉が出てくる機械の前にいた 財布の中の福沢諭吉が、どんどん消えていく 僕

    • シケモク

      とてもおいしい

      • 待った

        結婚式に乱入して待ったかけるやつ、やる側もやられた側も幸せにならないと思うんだけどどうなるのかはすごく気になるところ

        • 『後ろにいる者』ジャンル:ホラー

          仕事を終えた私は、自宅に向かって歩いていた。 駅から10分も歩くと、街灯も少なく人気もほとんどない住宅街に出る。 国道の方から時折聴こえる排気音が響く夕闇の中で、背後に気配を感じた。 少し恐怖を覚えた私は背後を一瞥した。20m程後ろにフードを被った男が歩いているのが見えた。少し駆け足気味で歩くと、男も着いてきた。 そんなに速く走っているわけではないが、男と私の距離は縮まない。 曲がり角に差し掛かり、そこから少し進んだところで、あの男が私を呼び止めた。 恐怖で固まってしまったが

        「鬼」ジャンル:ホラー

          『Danger zone』ジャンル:青春

          これは私の実体験です。 私がまだ小学生の頃は、男とか女といった意識も薄く、男女関係なくみんなで遊んでいました ある日私は、幼馴染の女の子の家にスーパーマリオ64DSをやるためだけに遊びに行きました。彼女と私は、中学生になってから(一瞬ですが)付き合うくらい仲が良かったのです。 狂ったように「たかいたかいマウンテン」のスライダーを繰り返しプレイする私の耳に、あの悪魔たちの声が聞こえてきたのです。 クラスの女子が3人、幼馴染と遊ぶために来ました。私は内心、ヤバいと思いまし

          『Danger zone』ジャンル:青春

          『おともだち』ジャンル:ホラー

          大学時代の知り合い(以降、Sくん)から聞いた話。 Sくんが高校生の頃、家に変な電話がかかってくる時期があった。 「わたしよ、しょうこよ」 開口一番、電話の相手はしょうこと名乗った。すごく上品そうな声色で、ゆっくり1文字1文字読むような感じで話すらしい。 相手が誰かもわからないし、間違いじゃないのか?と思ったSくんは、相手にそう伝えて電話を切った。 これが複数回あったが、そんなに高頻度ではなく忘れた頃にくるもんだから着信拒否とかは特にしていなかった。 ある時、家にお母さんがい

          『おともだち』ジャンル:ホラー

          『赤の交差点』ジャンル:恋愛

          晴美はひどく憂鬱だった。 大学を卒業した彼女は、長年付き合っていた恋人の正俊と結婚を考えていた。 だが人生とは思い通りにはいかないもので、彼女が卒業すると同時に正俊は100キロも離れた場所への転勤が決まり、引っ越してしまったのだ。その上、今日は夜勤だから電話もできない。彼女にとって遠距離恋愛は苦痛でしかなかった。 「もっと近くなら良かったのに。最近は連絡しても反応薄いし」 彼だって忙しい。わかっていてもつい愚痴がこぼれる。 彼は大学の先輩で、とても優秀で気配りのできるスポーツ

          『赤の交差点』ジャンル:恋愛

          『呪いの歌』ジャンル:ホラー

          私はある歌を聴いてしまった。一度聴いたら絶対に忘れられないあの不気味な旋律。歌う女の執念すら感じさせられる詞。聴いたものは必ず死ぬと言われる、そんな歌。 その歌は、少なくとも40年以上前から存在するらしい。この歌を聴いたであろう祖母は、私が小学生の時に死んだ。 この歌を聴いた者は、まずあの女に呼ばれ、幻覚を見るようになる。そして、血塗られた殺人劇が好きな狂人へと変貌する。若さを隠さないほど醜く歪んだ顔は、完全に人間のものではない。魂を奪われ、危険な行為をも厭わなくなった者た

          『呪いの歌』ジャンル:ホラー

          『超高齢化社会』ジャンル:SF

          誰もが知っていた高齢化社会という言葉を今を生きる若者は知らない。 年金制度、終身雇用、定年退職という言葉さえも遥か昔のものとして認識されている。 出生率は1%を切り、平均寿命は100歳を遥かに上回ったこの国は、当時の水準で言えば超少子高齢化社会と言ったところか。 「昔の私なら、なんて時代になってしまったんだって、きっと嘆いていたと思う」 そう言ったジョセフィーヌは笑っているようで、悲しんでいるようにも見えた。 「そうかな。僕にとっては予想通りさ。まぁ、まさか本当に死ぬまで働

          『超高齢化社会』ジャンル:SF