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 ひとりぼっちのヒヨドリ その13

   

   前のお話 ➡ ひとりぼっちのヒヨドリ その12


前の記事を書いた翌日の夕方


桜の木とかなり古木の桑の木と
雑草のみになっている下の畑の方から

 ピーーッ! ピーーッ! ピーーッ!            

       ピーーーーッ! 



と、ただならぬヒヨドリの鳴き声。

      
そしてヒヨドリの声に混じって

  キチキチキチキチ 
    キチキチキチキチ とモズの声 


毎年秋になると決まって聞こえるあの鳴き方。

これから梅雨というこんな季節に、
「あの鳴き方」を聞いたことは無い。


え?まさか・・・と思いながら
急いで行ってみると、
1羽のヒヨドリが桜の木のあたりから飛び立った。

モズは見当たらなかったが
私は直感した。

  その「まさか」の事態が起こったのだ。


  きっとひよちゃん一家の1羽のヒヨドリがモズに襲われて
  その家族が悲鳴を上げていたんだ!

台所に居ると毎日聞こえてくる
ヒヨドリたちの鳴き声や、
毎日庭の木の実を食べにやって来る
ヒヨドリたちの様子から、
近頃下の畑のあたりによく居るのは
ひよちゃん親子だけのようだったから
私はとっさにそう思った。



  やられたのは誰?!!
  ひよちゃん? 親鳥??

  それともひよちゃんの親たちが新たに巣づくりして
  生まれたヒナが ?

  そんな筈無いよね、
  新しく巣作りをしたら
  きっとひよちゃんとは一緒に居ないと思う。

 

  わあ、ひよちゃん親子の誰かが・・・
   

    No ー!


急いで家に戻ってパソコンを開いた。


モズって、あの可愛らしい姿に似合わず
(よく見れば猛禽類らしい顔だけど)
自分の2倍以上も大きい動物も餌食にしてしまうという。       

      ( ゚Д゚;)


 無いことを祈りながら
「モズ ヒヨドリ」で検索すると、 

  エーッ、有る ! 


モズがヒヨドリを襲って食べてしまう一部始終を
偶然目撃してカメラに収めた方の 記事を見付けてしまった。 

   ………………………………………………………………
   「自然と友だち118 信州辰野便り  
    モズがヒヨドリを襲う」
    …………………………………………………

  という記事。

  ( 残酷過ぎて載せたくないので、
   「どーしても見たい!」という方は
    ご自分で検索して下さい ) 
           
  
翌朝


ちょうど朝食が済んで
居間に来たタイミングで、
目の前のグミの木に一羽のヒヨドリがやってきた。

  メスだ。
    ひよちゃん?
  無事だったの?

と見ていたら、
私が昨日の夕方置いておいたエサをひとしきりついばんで
入れ替わりに
先のより ひと回り小柄なメスのヒヨドリが。 

  あ、こっちがひよちゃんだ!
  さっきのは お母さんね。
 
  あ~あ、お父さんがモズにやられちゃったんだ
     
   

昨夜見つけたネット記事の
ヒヨドリの無残な姿が脳裏をよぎって
ヒエビエと胸が痛んだ。


   だけど、
   モズを憎んでも仕方ないね。
   猛禽に生まれついたんだから。

   昆虫や小動物を捕食するように
   生まれついたんだもの。


   あ、そう言えばヒヨドリだってヒナには
   大きなセミやバッタとか アマガエルなんか
   食べさせてるんだっけ!
   元々アマガエルが可愛くて仕方ない私なのに、
   ひよちゃん可愛さにケロちゃんの事は
   意識の外に押しやってしまってる。

   人間てその時々で自分本位に
   物の価値や大切なもの、
   愛するものまでが変わってしまうんだ。((+_+))


             
   ヒヨドリに果樹を食べられて困ってる
   果樹園のおじさんなら
   「もっとモズが居てくれたらいいなあ」
   と思うかも知れない。
      きっと思うだろう。

   この辺りに
   モズはそれほど多くは居ないようだけど
   今度はひよちゃんが標的にされる可能性だって (・_・;)               

     ・・・・・・・・・

   自然界の営みの
   ほんのひとコマに過ぎないのだと割り切って
   胸に収めるしかないんだ。   
      ( ;∀;)
   
           
あれこれと様々な思いが頭を駆け巡った。

  

   つ づ く

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  ひとりぼっちのヒヨドリ その14


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