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アニマ、アニムス、ペルソナの定義と、それを学ぶ必要

「ユング心理学入門」河合隼雄より
アニマ・アニムスの章では、恋愛、ジェンダー、夫婦関係…あらゆる男女の問題を過不足なく説明されています。
わかりやすかったので、この感動を共有したいと思います。


定義

アニマ・アニムス

男性であれば女性像、女性の場合は男性像が、心理的に非常に大きい意味を持つ(以下略)。

女性像の場合をアニマ(anima)、男性像の場合は アニムス(animus)と呼び、その意味を探求したのである。

影(shadow)は個人的無意識との関連が深く、比較的理解しやすいものであるが、アニマ・アニムスは、無意識のより深い層にあって、把握することが困難なものである。


ペルソナ

われわれ人間が、この世のなかに適用して生きていくためには、外的な環境に対して適切な態度をとってゆかねばならない。外的環境は常にわれわれに、そのような態度を取ることを要求している。つまり 父親は父親らしく、教師は教師らしく、子供は子供らしく、ある種の期待される行動に合わせて生きてゆかねばならない。そして、これを怠るときは、われわれは「不適用」のレッテルを貼られてしまう。

ユングは、われわれは外界に対してのみならず、内的世界に対しても適切な態度をとらねばならないとし、(中略)外界に対するものをペルソナ、内界に対するものをアニマと呼んだ。


ペルソナとアニマ・アニムスの関係性

ペルソナとアニマは相補的に働くものである。男性の場合であれば、そのペルソナは、いわゆる男らしいことが期待される。彼の外的態度は、力強く、理論的でなければならない。しかし彼の内的な態度は、これとまったく相補的であって、弱々しく、非理論的である。

女性の場合であると、女性に対して一般に期待される態度、やさしさとか柔順さなどがペルソナをかたちづくり、そのこころ(soul)の像は男性像として人格化されて現れることとなる。


アニマ・アニムスを理解する必要。

アニマは男性の心のなかの抑圧されたもの劣等なものと結びつきやすく、多くの場合、その劣等機能と結合している。思考型の男性として(の場合 )、感情機能がアニマと結びついており、(夢の中での)アニマの誕生はすなわち、このひとの劣等機能の感情が開発されていくことをも示している。

男性の心の中にあるこの「永遠の女性(アニマ)」は、外界に投影されることによって、その性質の一端をわれわれに示す。実際、男性たるものは自分を取り巻く女性のなかにそれを見る。(あるいは、見たように感じる)のである。

堅いひとで通っていた科学者が娼婦型の女性に心を奪われたり、ドン・ファンとして知られた男性が、ただ一人の清純な少女に変わらぬ愛を誓ったりする。これらはむしろ当然のことであり、慧眼の人であれば、その一見愚かしく見える恋のなかに、その男性が開発させてゆくべき可能性の輝きをさえ読み取ることができるだろう。実際そのような女性に自分を縛り付けようとする自分の心のなかの因子、アニマの存在に気づき、それと対決してゆこうとすることによって、このひとはますます自分を豊かにし、 統合性の高い人格へと発展していくことができるのである。

アニマ・アニムスについて、必要ないかと思われましたが、知らない人のために一応解説を入れておきました。

一見愚かに思える行動や感情にも、その人を成長させてゆくのに必要な意味があったのですね。

次の記事で、男性にとってのアニマとはどのようなものか詳しくみていきましょう。


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