古川孝次の私小説(5)

「私は人一倍、人生を謳歌しているんじゃないか」

と、ある日、ふっと思ったのである。
たっぷり凝縮した人生を歩んで来たのではないかと。

以前、あるお店に毎日ではないが、週に3日ほど仕事をしていたことがある。
そのお店のブログに健康麻雀の成績優秀者を書いていた。途中でただ成績を書くだけでは飽きてきたのでエッセーなどを少しずつ書き込んでいた。

いわゆる自己表現である。私は20代頃、絵が好きで絵を描くことも自己表現。そして、今、麻雀のプレイヤーとしてプロ活動していることも自己表現と思っている。

私の人生の集大成として私の生きた青春時代、社会人になっても一生懸命生きているつもりでであるが、どこか足りない。何かが抜けていた。順風に過ごした記憶はひとつもない。
「古川は詰めが甘い」
という人は一人だけではなかった。実際に自分でもそう思っている。

「何が言いたいのか?」
と思う人もいるだろう。文も自己表現であると書き綴っている。
文としても脈絡もないし、人が呼んで不快に思われる方もたくさんいると思いますが、拙い文章をここで詫びますので、しばらく私と付き合ってください。

自己表現として文をしたためている。
さて、以前自分の性格を型にはめて見ようと考えたが、とても難しいし、自分としては型にはまるのは嫌いである。
そしてよくよく自分のことを考えているといつも夢を見ている少年だと思っている。空想に耽ることも大好きである。夢を追い求めているジジイである。

まだ諦めていない夢が2つある。
1つは名古屋で健康麻雀を普及していくこと。
麻雀の評価が変わってきている。
今ではコミュニティーセンターや生涯学習センター、福祉会館の中で地域の人たちの親睦の一つとして麻雀が使われている。私は健康麻雀のノウハウや麻雀を教えることをしてきたのだから、それぞれ個人でやっておられるサークル運営のお力をお貸しできるようになりたい。そして、その輪を広げるには若い人の力がいる。若い人はボランティアでやるわけではないから、食える程度の支援はいただきたい次第である。
今は私が奔走しているのだが、後進の芽がたくさん芽吹いてほしいと願っている。

しかし、私的には変な癖があって
ある程度、集客や人数が増えて満足すると、そこにいるのがすごく苦痛に思えてくる。

以前、小島武夫が言っていた。
「自分の住居は誰かと一緒になっていて、一緒に住みだすとすごく居心地が悪く、家に帰るのが億劫になる。」
私の問題と小島武夫の話は全く別物であるはずだが、何故かこの言葉に共感した。安心した。

独立独歩で歩んで来た人たちは一人の時間がとても好きな人種。人と同じ空間で息を吸っていると息苦しさを感じるのである。外で人と食事、お酒を飲みはするが、これもほんの束の間。一匹狼の習性だと思うのである。
ひとりねぐらに帰って就寝するのがとても心地よいのだ。

小島武夫の言葉で思い出す言葉は他にもある。
「いっぱいモテて、人が集まってわいわいとやっていた時もあったが、あの人気絶頂な頃より、今が幸せだ」
本当に幸せな顔をして話してくれた。

もう一つの夢は
「あと20年生きたい」
と思うことである。
一人暮らしはすごく気楽であるが、身の回りの世話ができないから不便である。食事も外でしてしまうことになると、カロリー、塩分、栄養バランスのことが不安になる。身の回りの世話をしてくれる運命の人がいないかと思っているが、その運命の人を食わせることができない。自分の生活で精一杯であれば、誰も寄り添ってくれない。それが現実である。仕事が増えたり、仕事の価値を高く評価してくれる人からの助けでお迎えする人を探したいと思う。

「神様、20年、後10年でいいから生かしてください。私を支えてくれる人。無償で協力してくれる人。健康麻雀の生徒さんたちをよりハッピーにしますから!!どうか願いを叶えてください」
と祈る。

しかし、この20年生きたいというのは実は20年前からも言っていることある。

「先生、大丈夫ですよ。先生は耳が悪くなって悪い言葉も耳に入りません。十分長生きしますよ!」
自分の都合のいい事しか耳に入れられないなら、20年前と一緒じゃないか。
私が多くのお店を出してきて誰も私に悪い事を耳に入れなかった時代
「裸の王様時代」
これは嫌である。

2024年、この1年は頑張って、私を支えてくれている人に仕事を任せていきたいと思う。そして、いつかくる麻雀プロを引退するような時のことを考える。

「絵が描きたい」

今年の中頃から、デッサンを学び直したいと思っている。プロを引退してからの仕事にしてみたいと願っている。
2つの夢と語っていたが、3つになってしまった。

最後に健康麻雀に関する小話をひとつ披露しよう。
ある卓に四人で麻雀している時に一人がトイレに行った。
しかしちっとも戻ってこない。そして残った三人の中の一人がこう言った。
「おーい、早く戻ってきてくれ!俺たちは残りの時間が短いんだ。一刻も早く帰ってきてくれ!」

ご老人の人生も短いのである。

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