安心安全アンテナ

1月に達人戦を終えて、4月までは対局がないなと思っていたところ「古川先生はグランプリMAXはどうなるんですか?」と聞かれハッとしている。
グランプリMAXの説明をしておこう。
グランプリMAXは4月から今までの活躍をしたメンバーを入れた締めくくりのタイトル戦となる。
おそらく、A1残留と十段戦、達人戦の功績があって出れるだろうし、去年は複数タイトル所持をしている9段Sということで出場枠を作ってもらっていた。

実は今回は不安いっぱいである。
というのも何度か書いているが、去年の暮れあたりから危機管理能力=安心、安全な打牌をモットーとしていた自信が無くなっている。

私はこれを「安心安全のアンテナが折れた状態」と読んでいる。

こういう状態を壁にぶつかったといえば聞こえはいいし、王道麻雀が壁にぶつかるというのは格好いいのだが、私の麻雀は邪道、壁などというものが存在するのだろうかとも思う。ともかく、もう一度麻雀を見直さなくてはいけないと思っている。

サーフィン打法を取り入れたいと思う人へのアドバイスとして
「不安の中では成就しない」
ということをお伝えしよう。きちんと麻雀を打って上達し、自信を持たなくてはいけない。きちんと直して皆さんの前で対局をお披露目しようと思う。

サーフィン打法とはんぞやということで、有料記事の実践1や実践2をお伝えした。
実はこのサーフィン打法で1番効果が高いのが一発裏ドラのない公式ルール。

というのも、サーフィン打法はガチンコを避ける。もちろん向かうこともある。私がいうガチンコというのはめくりあいのこと。サーフィン打法の根本は迂回して回って手作りすること。総じて、トリック打法みたいなものである。
マジシャンが手品の最後にタネを見せて解説をするのだが、それと似たところがある。皆さんが考えもつかないようなことをしているのを放送対局でお見せしているのはそういう理由なのである。
 その迂回のひとつが高打点の迂回なのである。二千点しかないものが跳満として成就することもお見せているはずだ。このような化け方がサーフィン打法の真骨頂である。

一方で巷で行われているのは赤入り麻雀である。そうすると、かたやリーチドラ2で、ツモれば満貫、かたやピンフ赤赤からリーチということになる。もう一人は手役を作っていて打点が見込める。
そうなると、本手同士がぶつかりやすい。ガチンコは避けて通れない。
そして、トップを取らなくてはいけないルールではさらにガチンコは必要なので、ガチンコと迂回の両用が必要となってくる。達人戦は赤の使い方の理解が必要な上に手の内を知る強い打ち手が揃う。だから難しい。

さて、私の邪道的な麻雀というのは基本をしっかりしなくてはできない。
基本というのは「座学」「実践」をしっかりこなすこと。
アスリートは本を読んでばかりいてもダメ、闇雲に体を動かしてもダメ。
しっかりと勉強し、それを踏まえて麻雀をたくさん打って身につけること。
その繰り返しで自分にとって一番居心地のいい打ち方を見つけることだ。
バッターの打ち方が人にって違うのと同じように麻雀の打ち手もそれぞれが違う。
たくさんの実践が自分の雀風を確立する。それが基本となる。
もうひとつは守り(ディフェンス)を極めること。そうしないとただの鳴き麻雀になってしまう。
鳴いて、行けるかどうかの判断をしながら手を進める。他家の動向にも目を凝らす。
鳴き派というのは他家から見ると軽い打ち手、安手ばっかりと思いがちであるが、私は随所にメガトン級な手をはさみながら向かう。

他者に目を凝らし、迂回をするとかしないとかの判断をする。このときに最も大事なことは、相手の動向が分かるかどうか…、つまり、安心安全アンテナがしっかり機能しているかどうかである。
アンテナが立っていれば安心安全。
相手の進行が読める。ノーテンなら迂回する必要がないし、相手の聴牌には対応しなくてはいけない。
こっちの鳴きが怖いとか、相手があたり牌を掴んでいることがわかれば、そのまま進めばいいし、相手が本手ならばガチンコを挑んだり、私を陥れようとするのを読み取らなくてはいけない。
だから、他者の動向がわかるアンテナが立っていれば、対応したりしなかったりと判断ができる。というわけだ。

逆にアンテナが立ってないと怖い。

いつの頃か忘れたA1での対局。
私が混一色で西北のシャンポン待ちで聴牌。
そこに吉田が私の色をどんどんかぶせてくる。吉田も一色系の河だったので、
「字牌のもちもちかな」
と思い突っぱねたところ、相手の色で放銃、手を開くと清一色だったのである。
ガチンコをしてしまうのは、アンテナが立っていない証拠なのである。
吉田とガチンコして負けたら痛い目を見る。よくよく考えていたことなのにと反省したものである。

「安心安全アンテナが立ってない時にどうしようか?」こんなことを考えながら、麻雀を最近打っているうちに、展開とか手組みを変えようと思えてくる。

例えば
「古川のリーチは安く、ダマの時が怖い」
「私の麻雀の肝である鳴きのタイミングを少しずらしてみる」
「打点の低い鳴きは避けてみようか?」
などと私のサーフィン打法の特徴をいじることを色々とシミュレートしてみる。
私の麻雀も革命が必要なのである。不安はいっぱいある。でも人間は進化しなくてはいけない。雀風も進化しなくてはいけないので、変えてみないといけない。

来年度の鳳凰戦をめどにしっかり考えていこうと思う。

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