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2勝目を挙げた開幕投手とローテーションの不安

開幕から2週間とちょっと。リーグ内の全てのチームとの対戦がひと通り終わった。
3勝11敗と最下位をひた走るファイターズだけれども、負けた試合の中にも希望があり、これから先の未来は決して暗くないと思っている。

☆北山亘基

「開幕投手が2勝目」というのは、この時期特段珍しいことではない。山本由伸は3勝しているし、開幕戦で『投げ合った』千賀も2勝している。
しかし北山は開幕戦を以降、リリーフ・抑えに回っている。ファイターズの3勝中の2勝が北山であり、その勝利はどちらもサヨナラ勝ちだった。
しかも昨日は自身の誕生日。
バースデー登板でサヨナラ勝利とは、ちょっと古い言葉で言うと『持っている』男だ。

ドラフト8位、支配下獲得選手77人中76番目の指名。崖っぷちで拾われた投手が開幕投手になり、守護神になり、2勝目を挙げる。開幕前からジェットコースターのような1ヶ月だっただろう。
あとは守護神らしく初セーブを挙げ(まだセーブシチュエーションで投げていない)、セーブ数を積み重ね、ドラフト1位の西武隅田やロッテ松川と並んで新人王候補と呼ばれるようになってほしい。

☆堀瑞輝

ファイターズが勝利した3戦とも8回堀、9回(10回)北山という勝ちパターンだった。
ピッチャーのテンポの良いピッチングが勝利を呼び込むのだとすれば、サヨナラ勝利を挙げた北山のピッチングだけでなく、セットアッパー堀の働きも大きい。
去年最優秀中継ぎ賞を取って自信が出たのか、マウンド上の堀には貫禄さえ漂う(まだ23歳)
ランナーを出しても危なげなく無失点で抑える堀はチームでいま一番安定感のあるリリーフだろう。
堀の登板が増える(勝ちパターンに繋がる試合展開が増える)ことを願うばかりだ。

☆清宮幸太郎

正念場の5年目だが、「今年こそやってくれそうだ」という雰囲気がある。
入団時の期待の高さとこれまでの成績からアンチも多い清宮だが、やはりチャンスで彼が登場すると盛り上がるし、打つと更に盛り上がる。
新庄監督からダイエットの指令を受け、「体を絞ると飛距離が出なくなるのでは」と消極的に反論したものの「今もそんなに飛んでない」というぐうの音も出ない意見があり、キャンプインの時には見違える細さになっていたが、現在までの活躍を見ると痩せてもホームラン打てるし、痩せて守備も良くなった。
そして今年の好調の裏には選球眼の向上もある。打率は2割そこそこだけど、出塁率は3割を超える。監督の方針で早打ちが目立つファイターズにおいて、しっかりと四球が選べていることも重要なファクターだろう。
ただ心配なのは痩せたことによるスタミナ不足。このまま一年持つのかどうか……

☆野村佑希

足首捻挫で出遅れていたジェームスが5日に戻ってきた。
戻ってすぐにマルチヒット。どちらも内野安打で、怪我も完治してしっかり走れることを証明してみせた。
そして6日のホームラン。清宮も万波も今川も頑張ってくれていたけれど、去年の実績という点からジェームスの存在はとても大きい。
清宮、野村、万波でクリーンナップを打ちたい、4番になりたいということをシーズン前から何度も口にしていた。有言実行のシーズンとなることを願うばかりだ。

☆松本剛

前回のnoteでも触れたが、「なんでもできるけど『これ』といった武器がない」と思っていた松本剛が驚きの活躍を続けている。
昨日のスタメンで5打席稼ぎ、規定打席を超えて首位打者となった。
盗塁数も西川を抜いて単独トップである。
これまでプロ11年間で、2017年の6盗塁が最多だったのに、現時点で5盗塁。チーム6盗塁のほとんどを松本剛が占めている。こんなのシーズン前には想像していなかった。もちろん足の遅い選手ではないし、器用な選手であるからおかしくはないけれど、こんなに走るなんて思わなかった。きっと誰も思ってなかった。
キャンプ前に
「4/11現在で、ファイターズの選手が5盗塁してリーグトップです。その選手とは誰でしょう?」
ってクイズを出したとして、正解できる人は一人もいないだろう。松本剛ファンですら正解できないのではないか。
キャンプに来てくれた武井壮臨時コーチや赤星臨時コーチの教えで何かが変わったのだろうか。その辺を誰か聞いてみて欲しい。

★先発ローテーションに不安

今のところローテーションの柱となるべきエース・エース級の上沢、加藤、伊藤に勝ちがついていない。
その中で上沢が中4日、伊藤が中5日で登板している。先発が足りないわけではない。だって先発で唯一勝ち星を挙げている立野は抹消後も帯同しているのだから。怪我なら鎌ヶ谷に戻っているだろうし、投げられない状態ではないはず。立野の抹消のあと誰かが怪我してローテーションが狂ったわけでもない。計画的な抹消と計画的(というには疑問符が付くが)な中4日中5日ということなのだろう。

先発ローテーションに不安、というのは投手に対する不安ではない。投手起用に対する不安だ。
吉井コーチがファイターズにいた頃には投手の管理をキッチリと行っていた。ローテーションは中6日。リリーフの登板間隔や連投にも厳しい目を光らせていた。
吉井コーチがいなくなってから、オープナーやショートスターターという特殊な試みはあったものの、中6日はキッチリ守られ(堀の2日連続先発はリリーフ扱いとして)、昨年まで投手管理の観点では吉井コーチが所属するロッテと同じくらい厳格だった。

それがシーズン序盤からの中4日、中5日だ。
元々今シーズンはそういう運用で行くと伝えられていたのならいい。逆にキャンプ中には「中6日なら120球くらい投げてほしい」というような監督の談話がニュースになっていたくらいだ。朝令暮改のごとく、行き当たりばったりであれこれ弄っているようにしか思えない。
武田勝投手コーチはどこを向いているのか。きちんと投手に寄り添っているのかも気になる。
数多の投手コーチ経験者たちが「監督に選手の状態や考えを伝え、時には監督に意見するのがコーチの仕事だが、最終的に決めるのは監督」と言っている。最終決定は監督であることは間違いないだろうけど、そのしわ寄せを受ける投手に対してコーチがきちんとフォローできているかが今後のチームにとっても重要な課題となる。

一体監督は何をやりたいのか。今後を見据えた作戦であるなら、その真意がチームの外に伝わるのはシーズン終了後かもしれない。
しかし選手たちにはその真意がきちんと伝えられているのだろうか。
選手はプロスピのキャラクターではない。勝手に配置して動かしておけばいいわけではなく、人間としての意思があり感情がある。無理すれば怪我もする。慣れないことをやると怪我のリスクも上がる。監督の考えを理解することはできても、果たして納得することができるのか。
そんな不安を抱えた今週の投手起用だった。

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