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7月20日、3000円でポッドキャストを始めて、思ったこと

一昨日の新月の日に、長野県東部=東信エリアのローカルのポッドキャスト"sprout!"を開始した。東信で「サステナブル」(広義で)な活動をしている人たちにインタビューし、活動の魅力やその人の思想、背景にある社会問題や気候変動、活動のルーツとなった本について、などを紹介するプログラムだ。

ポッドキャストではインタビューのダイジェストを配信。未公開パートはテキスト化してnoteに全文掲載している。

いずれはポッドキャスト+note+αで書籍化するつもりだ。

取材対象は基本的に東信に限定するが、東信以外の人が聞いてもまったく構わない。むしろ、「自分の住む地域にも関係ある話」として聞いてほしい。言及する社会問題や気候変動などのトピックは、世界中の共通項だからだ。

もっと言えば、いろいろな地域で"sprout!"を始めてほしい。
そして世界中に連帯をつくっていきたい。
最終的に目指すのは、社会変革である。
200年後の豊かさのために貢献する場づくりである。
私にはそういうビジョンがある。


ところで、過去を遡れば1990年代にインフラが普及したことでインディペンデントなメディアが続々と登場した。エレン・フライスも創刊に携わった雑誌『Purple』が好例だろう。

現代はと言えば、インターネットの一般化然り、「メディア」はすっかり「誰でも簡単につくれる」ものに、なってはいる。

実際、sprout!を始めるにあたっての原価は3000円だった。
詳しく記すと以下のようになる。

  • インタビュー録音用マイク:メルカリで3000円

  • 音声編集アプリ:無料

  • note:無料プラン

  • アイコンなど制作用デザインアプリ:無料

音声の編集と、アプリを使ったデザインは自分でやっている。ついでに言うと、いまさらだがnoteの記事用の文字起こしもアプリを使い始めた。
現在、地元の店舗などに配布する、プロモーションのためのフライヤーをつくろうとしていて、これはいくらか制作費がかかる。

  • デザイン費(外注):2万円

  • 印刷費:1万~1万5000円

印刷費よりデザイン費のほうが高いのはよくわからないが、むしろ印刷費が低いということにしておく。イラストやドローイングをフライヤーのデザインに使用することになれば、その制作費(または使用料)で、数万円追加されるかもしれない。あと、まだつくっていないが、いずれロゴも必要になるだろうから、それも数万円かかるだろう。

といっても、予算はせいぜい10万円前後のレベルだろう。
なんて簡単な時代だ。


もうひとつ大きいのは、周囲の反応だ。
これまでは「新刊をつくった」とアナウンスしても「へぇ、そうなんだ」程度がおおかたの反応だったが、「東信ローカルのポッドキャストを始めた」と言うと、ことごとく「いいですね!」と、明らかに温度が違う。

時代が求めているのか?
こういう考え方はしたくないが、セグメントが明確だからだろうか?

本の役割が終わった、などと言うつもりはない。本が数百年単位で「残る」ことは歴史が証明している。なにより、本に対していまだ「思い」を持つ人は決して少なくない。

けれども、「本」という本業に還元することを忘れなければ(なぜなら八燿堂は「一人出版社」であり、私の本業は「本の編集」だからだ)、「本」が届きにくい部分に対して、別のアプローチを試みてもいいのではないだろうか。

実際、"sprout!"の開始と前後して、八燿堂への本の注文が増え始めた。ポッドキャストでは八燿堂の刊行物の話はしていないにもかかわらず、である。

正直のところ、これは予想以上の数だったが、「やっぱりそういうことか」と思わされる部分が多い。なぜなら、「本に還元する」と、自分で掲げていたからだ。

つまるところ、自分の思いに忠実に実行すれば、何かしらの形で思いは叶うのだ。

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