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しゃぼん玉/柔軟剤 [詩]


『しゃぼん玉』


しゃぼん玉 作りましょう

つー っと 吐息 注いで

まあるく まあるく



くるくるくるーって 色彩が     

ぺかぺかと 笑いながら

こころもとない 境界線を 流れていく



旅立つときは どこからみても 

円であれば それだけでいい

なるだけ 遠くに いってほしい



私の 気持ちだけ ぷるんっと はなれて

なるだけ 遠くへ いってほしい


* * *


『柔軟剤』


わたしの 引き攣った笑みが

上擦る声が 口癖が

ミートソースのように 飛び散って

だれかの顔に 染み付いた



とてもきれいだったのに と哀しくて

もし 漂白剤をお持ちなら

だれか おひとつ貸してほしい



もしも なれるならば

ふわあと香りを残すような 

柔軟剤に なりたいなあ



***

最近、詩をかくことにハマっています。

『しゃぼん玉』は会社のお昼休みに円卓を囲み、かしましくお話をしている女子たちから浮かんできました。その円卓では、日々色々な話題が目まぐるしく入れ替わります。私自身が話ベタで、どこかとろくさいところがあるので、たまにそのテンポについていけないことがあります。タイミングを逃すと、その輪を壊してしまいそうで正直怖いなあ、と感じる日があります。

色々と試みながら相槌を打ったり、話題を合わせたりしてみました。でも、自分のペースを抑えて無理をしてたら、段々きゅうきゅうと苦しくなってしまいました。どうしたらいいか考えた末に、思い切って余裕がないときは一人の時間を過ごしてみよう、とそこへ行くのをお休みしてみました。それによって、すっと心が楽になりました。
そうやって、自分抜きでコミュニティが完結してるなら、ちょっぴり寂しいけれど、それを遠くから見てるのもいいなあ、と、ふと思ったのでその瞬間を表現しました。(勿論、その中で楽しい時も沢山あるので、気持ちが回復したらまたお邪魔したいです。)

しゃぼん玉って、息を吹き込んでいるときは自分と繋がっているけど、まあるく完結した瞬間から自分とは離れてしまう。でも、それがいいな、って思いました。
折角まあるくなったなら、壊れてしまうのはもったいないから、どうか長いことそのまんまでいてほしいなって気持ちが、先ほどの円卓への想いと似ている気がしました。私は、なんとなく、円や丸という形が好きです。

『柔軟剤』も同じく、話ベタがつらいという想いを込めた詩です。気づいたら自分の嫌な癖が周りの人に移っていて、ものすごく嫌で哀しくて。そのままの気持ちです。

その感情がいいか悪いかは置いといて、最近の気持ちを表現した詩を二つ作ってみました。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

トップのしゃぼん玉のお写真は、みんなのフォトアルバムにご登録されている ありんこ さんのお写真をお借りしました。寂しい詩でごめんなさい。
とても綺麗なお写真を使わせていただきありがとうございました。

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