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Deneb


白鳥座のデネブは一番白く強く光る星で、
地球の4倍の大きさで白色の超巨星です。


「夏の大三角」をつくる3つの一等星のひとつであり、
はくちょう座のα星がこのデネブです。

この白鳥は大神ゼウスがスパルタ国の王妃レダに会いに行くときに変身した姿だというのがよく知られているお話ですが、

私は別のお話を見つけました。

それは
この白鳥は妻を失ったオルフェウス(こと座の竪琴の持ち主)の姿なのだというお話。

あまり知られていないですよね。
私はしらなかったです。

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亡くなってしまった妻エウリュディケを連れ戻しに冥界へ下って連れ戻すことに失敗してしまった後、失意の中オルフェウスは放浪を続けトラキア国にたどり着きました。

そこで美しいオルフェウスに酒神祭の乙女たちが大勢言い寄ってきますが、

すっかり心を閉ざしたオルフェウスは誰にも心を開かず関心を寄せませんでした。

自慢の竪琴の音色も悲しい音色。


乙女たちのオルフェウスへの恋慕は、
だんだんと自分たちを蔑ろにしたと激しい憎しみに変わっていきます。


そしてお祭りの夜、乙女たちはお酒に酔った勢いでオルフェウスを八つ裂きにしへブロス川に投げ込み流してしまいました。

ヘブロス川に投げ込まれたときにオルフェウスの姿が白鳥の姿となって天へと上り、こと座の隣に白鳥座として星座になったのだというお話。

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彼はここまで憎まれ恨まれ怒りを買っていることに殺されるまで気が付かなかったのでしょうか?

私は気が付いていたと思います。

気が付いていたうえで甘い誘惑や慰めに乗らなかったのだと思います。

自分が一番愛する人は誰かを最後まで握りしめて離さなかったのでしょう。


嫌われてもいい
そこに恐れはない
大切な人に好かれていることの方が
自分にとっては意味がある
たとえもうこの世界にいなくとも

きっとそのような心境だったのではと思うのです。


そしてこの話には後日談があり

オルフェウスは亡くなったあと黄泉の国に行き、
そこで待っていた妻エウリュディケを探し出し再会します。

彼ももう冥界の人間ですから地上に連れ戻す必要はなく振り返っても彼女は消えることはありません。

二人は冥界の中にあると言われるエリュシオンで幸せに暮らしているそうな。


このことから

白鳥の姿となって地上から去る時はきっと
妻エウリュディケに会えると感じうれしかったのではないでしょうか。

全ての悲しみや絶望や虚無感から解放され上っていく顔は

きっと安らかで穏やかな顔だったのではないかなと想像します。

私は夏の大三角シリーズで先に書いたベガのエウリュディケと、
星としても二人を繋いであげたいと思い彼をデネブとして描きました。
ベガはこちら☞ベガ~エウリュディケ~


天に上った失意の光
地上でついえた希望はのちに
空で輝く歓喜の光

孤独に燃やした 記憶の日々は
光へ至る試練の旅

見つけてほしい
純白の想い


私達も大きな失意の中で、
寂しさを紛らわせたり、
優しい言葉をかけてくれる人には心は傾きやすくなります。

人ではなくても魅力的なものに心を奪われ
別の選択をして本来の心とは違う道に行ってしまうときはあるでしょう。


ですが

どんなにたくさんの人に好かれても、
甘い言葉をささやかれても、
魅力的なものに囲まれても

本当に自分が願っているものに辿り着きたいと願う心。



オルフェウスが自分にとって一番大切な人が誰かを
最後まで恐れず見失わなかったように

本当に自分にとって大切なものを
辛い中でも見失わないでいることは、

彼が死すらも恐れず惑わされない姿勢を貫いた先に望んだものを手にしたことから教えられないでしょうか。


望んだものは簡単に手に入るものではないからこそ
尊く大切で、
手放したくないものになるのだと私は思う。

そんな存在が与えられることは人生はとても幸せで豊かになる。
簡単ではないけれど。

それまでの過程では

傷つくことも
傷つけられることも勿論ある。

そのような状況の中でも

恐れや絶望も気にしないと抗い真っすぐ芯をずらさないことが
人が強くなれる部分でもあると私は思うのです。

自分が弱った時や、
悲しみの時に甘い言葉をかけてくる人は確かに魅力的に映る。


その言葉に騙されるのも、
騙されまいとするのも

本当に望んだ結末を手に出来るのだと信じて進むか進まないかの

すべては自分の選択。

オルフェウスのこのお話はそんな風に語り掛けてくるように感じます。
私も日々心がずれないようにしたいです。


私は彼が最後に彼女に会えて本当に良かったと思う。


あなたが本当に願って手にしたいものは何ですか?


Maho

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