三千世界覇王グローブ 第16話
俺--騎馬スレイプニル--は、バジリスクの話を聞いていた。
バジリスクは語った。
「俺の目的は感情エネルギーを使ってグローブを神にすることだ。そうすればお前たちの望みを叶えることも出来る。」
なるほど、ヤツの話が本当なら、血気に逸ってフレスベルグやバジリスクを攻撃してもしょうがないというわけか。
もっともヤツの言葉を信じる根拠はどこにもない。
だいたい「神」なんてバカげてる。
フレスベルグは告げた。
「当面は現状維持が妥当ね。スレイプニル、今回は見逃すけど今度反乱したらただでは済まさないわよ。」
どうやらフレスベルグはバジリスクの言葉を信じたらしい。
とりあえずヤツらに乗っておくか。
俺は決意した…。
俺--世良快里--は考えていた。
立浪優馬の狙いを。
アイツは感情エネルギーで何をするつもりなのか。
それがわからないとどうしようもない。
すると心がアドバイスした。
「立浪優馬の狙いが何であろうと、今出来るのは目の前の敵と戦うことだけじゃない?」
心の言葉はごもっともだ。
俺はグローブに変身し、特訓に励んだ。
「適合レベル」というやつが上がれば、もっと強くなる。
きっとスレイプニルもフレスベルグもバジリスクも倒せる。
このときの俺は、この決意がヤツらの思惑通りだなんて知るよしもなかった…。
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