三千世界覇王グローブ 第9話
俺--世良快里--は学校中のあらゆる人間を警戒した。
心の言う通り、これまでドール怪人にされていたのは学校の関係者だ。
つまり敵は学校内にいる。
なんてことを考えながら過ごすのには、疲れた。
今日は休日、学校のことなど忘れ、目一杯遊び倒そうと俺は誓った。
こういうときはお一人様に限る。
なんて思っていたら、俺は優馬クンと心を見かけた…。
俺--立浪優馬--は、恩田心に呼び出された。
「優馬クン、アナタ長田先生とどういう関係なの?」
せっかくの休日に呼び出して、不躾な質問だ。
「別に。担任と生徒以外のなにものでもないよ。」
「これ以上追及しても、アナタはのらりくらりとかわすだけよね。」
恩田心はそれだけ言って去ろうとした。
やれやれ、あの女も殺す必要があるだろうか…。
俺--世良快里--は、思いきって優馬クンと心に声をかけた。
二人はなんの話をしていたのだろうか。
「安心して快里クン、アタシの心はアナタだけのものだから♥」
心よ、俺はヤキモチなど妬いてない。
「じゃあ、あとは二人で仲良くね。」
優馬クンはそう言って去っていった。
確実に誤解された。
あとせっかくの休日に心の相手はご勘弁願いたい。
そんなとき、ドール怪人・イールドールが現れた。
イール(=うなぎ)というだけあって、粘液がうっとうしい。
俺はグローブ・アクアに変身した。
海産物には水の力に限る。
事実相性は抜群で、俺は勝利した。
ドール怪人にされていたのは、同じ中学校の水泳部の生徒だった…。
俺--騎馬スレイプニル--は、グローブとイールドールの戦いを見守っていた。
案の定イールドールはグローブに倒され、感情エネルギーを放出した。
水泳部生徒の「タイムが伸びない」という下らない悩みも、俺の目的のためには有益だ。
さてこれからどうしよう。
世良快里については現状維持だろう。
恩田心は早めに手を打ちたい。
俺には達成しなければいけない目的がある。
俺を取り巻く者たちよ、俺の思い通りに動いてもらう。
さもなくば「死」あるのみだ…。
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