三千世界覇王グローブ 第13話
俺--立浪優馬--は、世良快里と相対していた。
「単刀直入に言う、俺と手を組め。」
どうせ正体も本性もバレたんだ。
取り繕ってもしょうがない。
「何バカなこと言ってんだ!ふざけるな!」
世良快里の反応は至極真っ当だ。
だから俺はネタバラシした。
「ドール怪人を操っているのは俺の他にあと二人いる。鶴騎フレスベルグと蛇騎バジリスクだ。バジリスクは知らないが、フレスベルグの正体は長田春子だ。」
そういえば、バジリスクは俺やフレスベルグに素顔をさらしたことがなかった。
アイツは誰なのだろうか…。
俺--世良快里--は衝撃を受けすぎて、むしろ冷静になっていた。
要するに騎馬スレイプニルこと立浪優馬は、感情エネルギー独占のために仲間の鶴騎フレスベルグや蛇騎バジリスクを裏切ろうというのだ。
ヤツはわかっている。
俺がフレスベルグやバジリスクに勝とうと思ったら手を組むしかないことを。
ひとまず俺はヤツと組むことを了承した。
「わかった。ただし条件がある。もうドール怪人作らないと約束してくれ。」
「わかった。一緒にフレスベルグとバジリスクを倒そう。」
立浪優馬は俺と約束を交わし、いつもの笑みを浮かべた。
本性を明かしても作り笑いできるヤツの根性に、俺はある意味感心した…。
俺--立浪優馬--は笑いが止まらなかった。
世良快里は適合レベル5、理論上フレスベルグやバジリスクと戦えば相討ちで死ぬ。
感情エネルギーは先の戦いで俺が大量に作ったドール怪人が十分な量を稼いだ。
後は世良快里をフレスベルグ及びバジリスクにぶつけて、全員に死んでもらうだけ。
そうすれば俺は、感情エネルギーをミコ姉に与えて助けることができる。
あと少しで、俺の計画は完成する…。
後日、俺--世良快里--は立浪優馬と共に長田春子=鶴騎フレスベルグと相対した。
俺はグローブに変身、立浪優馬はスレイプニルに変身し、フレスベルグに挑んだ…。
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