三千世界覇王グローブ 第11話
俺--立浪優馬--は、焦っていた。
感情エネルギーがまだ足りないのだ。
こうしてる間にも、ミコ姉の状態は悪くなる一方だ。
ミコ姉=華村命(はなむら・みこと)は、俺の最愛の人。
ミコ姉とは家が近所で、幼い頃から一緒に遊んでいた。
俺はいつからか、ミコ姉を女性として意識するようになった。
ある日、俺は思い切ってミコ姉に告白した。
正直フラれると思ったが、ミコ姉はOKした。
以来、俺はミコ姉と思い出を重ねていった。
けど、俺たちの幸せは長く続かなかった。
ミコ姉が大病を患ったのだ。
まだ18歳なのに、余命宣告を受けた。
なぜミコ姉が死ななくちゃいけないのだろうか。
ミコ姉がどんな悪いことをしたのだろうか。
俺は絶望した。
そんなとき、あの人に声をかけられ、俺は騎馬スレイプニルになった。
感情エネルギーを集めれば、ミコ姉は助かるという。
本当かどうかわからないけど、賭けるしかない…。
今俺は、ミコ姉の病室にいる。
「いつもありがとう優馬クン。」
「気にしないでよミコ姉。俺は好きでそばにいるのだから。」
何気ないやり取りの後、ミコ姉は咳き込んだ。
やはり状態が良くないのだ。
早く感情エネルギーを集めなければ…。
俺--世良快里--の前には、無数のドール怪人が現れていた。
そのリーダーは例の戦士で、ヤツは騎馬スレイプニルと名乗った。
グローブ・フレイムに変身した俺に、スレイプニルは告げた。
「グローブ、俺やコイツらと戦ってもらう。」
俺の心は怒りに満ちあふれた。
ついに戦いが始まった…。
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