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なぜブラタモリは良コンテンツなのか

ブラタモリが好きです。屈指の良番組であり良コンテンツだと思う。もともとタモリさんが好きというのもあるけど、それだけじゃないんだよなあ。いろいろなところに行って、いろんなものを紹介してもらって、でもそこじゃない。一番の白眉はやっぱり、タモリさんなんだと思う。

タモリさんは何しろ、好きなものが多い。城に行っては「城壁が好き」といい、遺跡に行っては「古墳が好き」といい、海辺に行っては「灯台が好き」というにとどまらず「碍子が好き」とまで拾う。好きなことが多いということは、目に映るこの世界を好きでいる割合が多いということで、人生豊かに決まっている。この番組はそんな、タモリさんの「世の中の好き方」を見ることに最大の価値があるとやっぱり思ってます。

良コンテンツってそもそも、それを体験する人の価値観や世の中の見方を揺さぶるものだと思ってます。でもそれって必ずしも、出会いがしらのインパクトの大きさとは比例しないと思っていて。「すごい驚かされたけど、明日には何も残ってない」ものもあれば、「地味だったけど、なんだかあれ以降、街中でやたらと〇〇が気になって仕方がない」みたいな変化がもたらされるものもある。タモリさんの「世の中の見方」を面白がることを通じて、そもそも良コンテンツとはそうやって世の中の見方を変えることができるものをいうなあなんて、入れ子構造的に考えるわけです。

あと、タモリさんってそれをいちいち、ちゃんと口に出すのがいいんですよね。「俺、古墳はすごい好き」って。カメラ回ってるからっていうのもあるかもだけどさ。『好きなものは好きといえる気持ち抱きしめてたい』っていい歌詞だよね。

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