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チェンジ&シフトの人生

私は基本的に、引っ越しはしたくない。
引っ越しってパワーを使うし、環境の変化はストレス。
知った土地や場所で生きるのが心地いい。

なのに、私は今、フランスに住んでいる。
そしてこれからも、世界中に住む可能性と
どこに定まるかわからない未来が待っている。

フランスに憧れる人は多い。

けど実際は、住むと不便なことが数多くある。
荷物は届かなかったり、届いても箱に穴が空いていて中身が飛び出していたり、ボイラーが壊れて2週間以上お湯が出なかったり、修理の人は来なかったり、スリにあう確率は高かったり。ストだらけだし、正月は車は燃やされるし、デモで身の危険を感じることもある。

何もかもがスムーズにいかない、それがフランスでの生活。

本当にうんざりすることがありまくりのフランスでの生活だけど
今回「フランスを出るかもしれない」という未来が訪れかけて
途端に名残惜しくなってきた。

「ああもっとアートに触れれば良かった、もっと美術館に通えば良かった」
といった後悔や
「家の周りに何もない」とか言いながら、
「こんなにも自然豊かで、美しいじゃないか。スーパーの人だって親切じゃないか。理由をつけて引きこもっていたのは自分じゃないか」
といった嘆き。

でもそれって、「散々な男ともう別れる」ってなった時、
相手のいいところばかりが見えて、情が入って
別れるのが名残おしくなるのと似てるよな。
と、フト恋愛体質&なかなか長くなればなるほど、
クズ男と別れられない私は思った。

結局何にでも、いい面・悪い面があり
離れるってなったら、そのいい面ばかりにフォーカスしてしまって
なかなか決断できない弱さが私にはある。

でも離れてしまったら、フラットな状態で物事が見れるから
クズとは離れて良かったと心から思うし
でもこういったところは良かったよな、ありがとう。
と、素直に感じることができる。

住む場所でもそう。
30年間ずっと生まれ育った香川県に住んでいて、
私は香川を出たくて仕方なく、31歳でようやく飛び出した。

飛び出してわかったのは、香川という場所はとても住みやすい場所だったということ。
気候はいいし、のどかで心が落ち着くし、物価は安いし、人は優しい。
辛くなった時、戻りたくなる場所になった。

そして引っ越した先での大阪では、散々な目に遭うことが続き
最初は本当に大嫌いになっていた。

でも、フランスから一時帰国するとなった時に、帰る拠点は大阪一択。
離れたら、大阪は大切な場所になっていたことに改めて気がついた。

占星術的に、私は一つのところに定まらない星のもとに生まれているらしい。
そして後継がいるのに、墓じまいをしたら根無し草になり転々とする人生になるらしいが、私の両親の家系は両方とも後継がいる段階で墓じまいをやっている。

それらは本当かどうかわからないが、そういう運命だと受け止めて生きると、拠点が定まらない自分の人生を少しは楽観的に受け止めることができる。どれだけ引っ越したくないと願っても、引っ越すことになるのだから。

むしろ、なかなか自分では決断できずに、
離れるべきなのにずるずると同じ場所にいたがる私を、
強制的に今までの縁を整理して、
断捨離をさせて次のステージへ運んでくれる運命に
感謝しなければならない。

これからの未来どこに住むかわからない、
そして「どうしてもここに住みたい!」といった
強い希望が私には特にない。

でも家の周りに、自然や心を穏やかにできる場所はあってほしい。
それはただ1本の木でもいい。
月が見える空間でもいい。

自然と繋がれ、気持ちを落ち着かせることができる場所。
それさえあれば、どこでも私は生きていける気がする。























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