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愛を体験すると平常心ではいられない

ごきげんよう。
婚活コーチのまいあ姉さんよ。


「あなたは『愛』を知っていますか?」

数年前、コーチの訓練中に、そんなことを聞かれたことがあったわ。
私はもちろん知っていると答えた。

「では、あなたは愛を体験したことがありますか?」
と、さらに聞かれたとき、自信はなかったけど、あると答えたの。
すると、師匠は、

「どんな場面ですか?」
と、聞いてきたの。

困ったわ。
場面て言われても、好きな人もいなかった私には何も浮かんでこない。

すると、師匠が言ったの。
「もしかしたら、佐浦さんは愛を本当には知らないかもね。」

何言ってんのこの人…?って最初は思ったの。

だけど、じわじわとその言葉が私の心を浸食してきたのが分かった。
(私は愛を知らない、欠陥人間…?)


私は、人の話もよく聞くし、優しいと言われることも多かった。
仕事を変わってほしいと言われれば予定があってもマネージして変わってあげたり、元気のなさそうな人がいたら、自分から声をかけてあげて、救われたと言われることもあった。
嫌われている人にも積極的にではなかったけど、話しかけられれば、みんなと分け隔てなく付き合ったし、上司の言うことに逆らったことなんてなかったから重宝がられた。

「まいあは愛の人だもんね!」
なんて言われることもあったのに、どうして!?


師匠は言ったわ。

「私がいま、佐浦さんに感じるのは、自己犠牲。
自己犠牲で愛を与える人は、愛がほしいから愛を与えてる人が多いのよ。

私はあなたが笑ってるのに、泣いてるみたいに見えるけど、どう?」

そう話す師匠の瞳は、少し困りながらも、とてもやさしくて、暖かくて、キラキラしていた。
そんな風に私を見つめてくれる人は今までいなかった。

気が付いたら、私の目から大粒の涙がこぼれていた。


私はずっと『無償の愛』に憧れていた。
ないからこそ、憧れて、それを演じ続けていたのだとその時に知った。

(私は偽物だった…。)

そう思ったら、ますます涙が出た。

「大丈夫、私もそうだったのよ!
愛は、体験したことが無いと、人に体験させることも難しいの。」

そのあともう一度私に笑顔で

「大丈夫!!」
と、師匠は私の背中をちょっと強くたたいたんだけど、その時、私は師匠が言葉にしていない言葉を聞いたの。

(good!あなたは愛を、よく頑張ったわ!)

そんな言葉は一言も言ってないのに何故か私にはそう聞こえた。

師匠は、普段はとても厳しかったけど、不思議と私は嫌じゃなかった。

私がどんなにダメでも、あきらめず勇気づけ、信じ続けてくれた人。
何度思い出しても、あれは愛だった。


5年以上前の体験だけど、私はあの時の師匠の目を思い出すと、今でも心が震えて涙が出るの。


ここのところ忙しくて、愛する人と会う時間があまりとれていなかったんだけどね、久しぶりに昨日、ゆっくりと上野を二人で散歩したの。
「寒いね」「雨あがってよかったね」って話しながら。

別れるとき、鶯谷駅の改札で、目を合わせた時、とてもやさしくて、暖かくて、キラキラした瞳が見えた。

(あ…瞳の中が宇宙だ。)

大げさでも何でもなくそう感じた。

(今、二人の間に愛がある。)

胸と胸の間がぽわんと温かくなり、湧き上がるような喜びと満足感。
思い出すとなんだかうれしくて涙が出る。

それは、師匠との間に感じたものとも、とても似ている。


「愛という概念を知っている人は多いけど、愛という人生を生きている人は、ほとんどいないわ。

そして私は、佐浦さんは愛を生きることができる人だと思うの。

1000人以上の人たちのコーチをしてきた私が言うんだから信じて!」



そして私は今日も

愛を生きている。


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