今日は特別な夜さ【群青日和 #18】
【試合結果】
4/20(土) 東京ヤクルトスワローズ
◯7-4
[勝]ケイ
[敗]阪口
[S]森原
◇ ◇ ◇
開幕して18試合。
横浜DeNAベイスターズのショートは2年目の林が2試合、19年目の大和が2試合、そしてルーキーの石上が残りの14試合にスタメンとして選ばれてきた。
なんとなく予測はしていたものの、疲労のせいか石上は少しずつスイングが小さく、鋭さが失われていって。
守りも決して雑なタイプではないものの、細かなミスやエラーが増えてきた。
それ自体は全然問題じゃない。
むしろ春季キャンプ、練習試合、オープン戦とここまでよく喰らい付いてきたものだ。
ここでそろそろ、意地を見せてくれるような先輩が起用されてほしいなあ。
そんな事を昨日の試合後にぼんやり考えていた。
ふと思い出したのが、昨シーズンの開幕カード、京セラドーム阪神戦で行われた一戦。
相手先発の青柳対策として起用された若手の左打ち内野手、サードの林、ショートの森敬斗が開幕戦特有の空気にのまれ、正直言って地に足がまるでついていなかった。
その二人と対照的に落ち着きを見せていたのがまさに京田陽太だった。
もしかしてそろそろ京田の出番じゃない?
なんて考えていたら、そうだ今日誕生日じゃん、と思い出す。
スタメンが17時過ぎに発表されると、8番打者の欄には今年初めて
「遊・京田陽太」の名前が記されていた。
番長も粋なことするなあ。
本職はショートだが、ここまでの試合では守備固めでのファースト起用しか無い。
昨年同様に、しばらくショートを守っていない弊害はないだろうか、なんてほんのり心配になる気持ちも無くは無かった。
でも、そんなのは杞憂でしかなくて。
毎日毎日いつ名前を呼ばれても良いように準備してきたこと。
今まで積み重ねてきたプレーの数がそのまま、世間では『経験』と呼ばれているものになっていること。
例えば飛び出したランナーを見逃さずに送球し塁間でのランダウンプレーに持ち込む判断、併殺を確実に完成させるための丁寧な足捌きと送球、そういった細かい動きが彼自身の中で「当たり前」として蓄積されているのが、プレーの端々から感じられる。
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202402090000342.html
2ヶ月前にこの記事内で話していたバッティングの感覚は、どうやら正しかったらしい。
高めに浮いてきた球を無理なく引っ張り、打球は右中間を破っていく。
止まるかと思いきや、京田はセカンドベースを蹴った。
迷いなく、サードベースへヘッドスライディング。
今日最初の打席、それもスタメンでの打席は今シーズン初めてだというのに、京田のユニフォームは若手選手達と同じようにもう真っ黒に汚れていた。
そう、そうだよね。
京田陽太は誰とも競っていない。
ただ、自分と競い続けている。
明日、明後日、その先、いつまた名前が呼ばれるかは分からない。
ただ自分に恥じない自分を見せていく。
多分きっと、これが先輩の意地ってやつなんだろう。
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