エストニア

例えばエストニア


恋愛のすすめ

バルト3国の小国タリンにて足りん。

ヨーロッパの小国バルト三国の一つエストニア、日本から10時間と少しで着いた。初めてのヨーロッパで緊張したがなんとかなった、トラブルと言えば恋人の姫が迷子になったことぐらいで、大したトラブルもなく過ごしている。タリンの街並みは絵本のようにかわいく、レンガ作りの小さな建物が連なっていて、色合いがとてもカラフル。道が細く日本の京都のような印象を受ける、ガイドブックには音楽の力で、国を盛り上げていると書いてあった。

桐谷「おーい姫さんや、早く休もうよ。」

姫はタリンの街角にあるお土産屋をはしごしては、物色かわいい物を見定めいくらになるかと一つ一つ吟味している。

姫「こっちは1300円、この木馬は680円、お菓子は1100円、あそこの店のケーキは。」

 いやいやいつまでかかるんだよ、ここはがつんと言ってやるか。

桐谷「日本帰るよ、全く。」

 その言葉を聞いて姫はスッと立ち上がり、拳を作り、桐谷に向かっていった、タリン市街大勢のひとが行き交う街の中で夜のタリンだから星空とランタンが並ぶげ幻想的な場所でだ。

 姫「もうわかってないなあ、困るよそういうのは、楽しんでる時に水を刺すなんてひどいよ。」

 桐谷「え?何が?」

僕は姫が言っていることがわからなかった、こんな街中で海外で言わなくてもと思ったが。

 姫「あのね、空港に着いて実は私ドキドキよりすごい不安だったの、女だし何かあったら自分で自分の身をまもれないし、それに迷子になった時も言おうとしたけど、こっちに来てじゃなくて、あなたが来て欲しいの。」

 桐谷「え、でもちいさな街だし、なんとかなるんじゃ。」

日頃私は確かにこの人を愛しているし、寄り添いたいとおもっているけれど、こっちの身になってくれない、男なんて思いたくないが頭が足らない。

 姫「だから私は不安だし、ドキドキしたいし楽しみたいの、だからあなたが一緒にいるの、わかる?もっと私の身になって欲しいの。」

 そんなこと言われてもというのが正直な話だ、困った。

桐谷「ごめん。」

口ではなんとでも言えるでしょう?全くもじもじしながらこっちの機嫌を確認して、いらつかせないでよ、そこはあなたが好きなドラマの何かになって機嫌損ねてすいませんとか、肩肘ついてバラを差し出すとか、あれ買ってあげるとかしなさいよ、全く今目の前にはランタンと赤い三角帽子の建物歩いている道は石畳なのよ。

 姫「もう、ばか、ほうき星に乗って日本に帰っちゃうぞ、あなたが慌てても知らないから。」

 桐谷「ごめん。」

私は怒ったふりして横にある噴水に行った、周りにはカフェでお酒を飲んでいる人たちがたくさんいて、音楽を奏でて合唱しているひとたちまでいる所に行って。

 姫「あーあしらけた、帰ろっかな、このまま私つまらないし、かえろっかな。」

 やば、大きな声出して人が見てるし、絡まれたどうしよう?こうなったら止められないのが姫だ、土下座かプレゼントか?出費が増える。

 桐谷「もうーごめんって行かないで。」

 姫「どうしようかなーー土下座であそこにあるガラス細工の木馬を買って、許してくださいって言ってもらおうかな?大勢証人が欲しいし。」

脅しとも取れる文言だった、僕が何をした?寒い夜空煌びやかさが町の明るさが涙を誘った、人生って何?
 桐谷「買います、買います、もちろん土下座も。」

そのあとそのガラス細工が4万近くになり分割で払い、彼女が覚えたての現地語で周りを集め、僕はどうしようもない気持ちで噴水の前に行った、それから僕の脳裏にはタリンと聞くたび、あのガラス細工の木馬が音をたてて迫ってくる恐怖を覚えた、女性への気遣いが足らん

旅だった。

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