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響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編 武田綾乃

大好きのハグ。

北宇治高校吹奏楽部は、『全国金賞』を目標に掲げた暑い夏が始まって、いよいよ全日本吹奏楽コンクールの、最初の関門である京都府大会に臨む事となりました。

前年に、全国大会出場を果たしたとは言え、先ずは京都府代表となり、更に関西大会を勝ち抜か無ければならない訳で、過去の実績は実績としても、当然楽な道程で無い事は確かでした。
後顧の憂いは、可能の範囲で払拭された筈でしたが、懸念材料が無い訳でも無かったのです。

2018年

コンクールの自由曲である『リズと青い鳥』は、童話を元にした楽曲で、それはまるで鎧塚みぞれと傘木希美を表している様な楽曲作品でした。
部長の吉川優子と副部長の中川夏紀は、みぞれと希美の歪な関係性を把握していましたし、久美子もまた違和感を感じていました。
高坂麗奈も演奏面での疑念を感じていて、みぞれと希美はその現実と向き合う事になった訳です。

希美派の私としても、ちょっとしんどくて、最新刊『飛び立つ君の背を見上げる』を先に読んでいて、良かったかもしれないです。
勿論、映画を観ていたので、2人の行く末は把握していましたが、文章となるとかなり直接的に堪えます。
私自身が、希美の下位互換みたいなものでしたから、アニメの中の人絡みで派閥入りした訳ではありません。
尤も下位互換と言っても、特定の友人と言うよりも、周囲の優れていた人全てに対して、複雑な感情を抱いていた時期もあったと言う話です。
それも、中学くらい迄ですよ。

それでも関係性を改善するには、直接本音をぶつけ合う必要があるのは、多分間違い無いでしょうね。
中学時代で時が停まっていたかの様な、みぞれと希美の時計が漸く動き始めたところでありますかね。

懐へ踏み込む時にはとことん踏み込む、そんな久美子の存在も小さくは無かった筈です。
勿論、優子や夏紀始めとする周囲の尽力が、あったからこそかも知れません。
最後にちょっと、黄前相談所の真相?も明らかになっていました。

2019年

夏を迎えて、コンクール中心の吹奏楽部ではありましたが、久美子も高校2年生となり、恋の話やら進路の悩み等、青春は部活だけでは無いのです。
それでも部活に限りませんが、この時期に夢中になって取り組めるものがある事は、この先で大きな糧になる筈ですし、きっと幸せな時間でもありますね。

高校の部活は、吹奏楽はまた少し違うのかも知れませんが、スポーツであれば将来の全日本クラスや世界クラスの有望アスリートと、同じカテゴリーで競える最後の機会ですし、大抵は本格的に取組む最後の時間だったりします。
だからこそトラウマでは無く、将来の糧のみならず、良い思い出となって欲しいと思うのです。

第二楽章となって、登場人物も増えましたが、久石奏の相方?の剣崎梨々花の出番は少な目でしたが、実は周囲が良く見えている様なので、出番が増えると良いですね。(短編で取り上げられてるのかな?)
奏は、わだかまりも消えて、すっかり部に溶け込んでいました。
みっちゃん(鈴木美怜)さっちゃん(鈴木さつき)もすっかりナチュラルですし、後藤夫妻の安定感たるや言う迄もありません。
釜屋つばめも、前編で久美子と同じクラスと言う事で触れられた以降、特に音沙汰はありません。
月永求は、川島緑輝(さふぁいあ)に弟子入りして更生しておりますが、まだ根本的なところでモヤモヤしています。
緑輝と奏は、いち早くその原因に気付いていた様ですが、特に緑輝はなんだか"おかん"感…聖母感が強くて、師弟と言うより宗教的な感じもあります。
加部(友恵)ちゃん先輩は、マネージャーに転身して、本領発揮と言うのか生き生きとしていましたね。
元は同じトランペットパートの、小日向夢のサポートもさり気なく頑張っておりました。
麗奈は相変わらずでしたが、孤高の人と言う感じが薄れて来ている気がします。
自他に関わらず、音楽に対して厳しいのは悪い事ではありませんが、視野が拡がる事で演奏家としてマイナスになる訳もありません。
葉月も、高校初心者からのハンデを抱えながらも、頑張っていましたし経験値も高くなっている筈です。

それと、卒業した田中あすかと中世古香織はガチだった模様で、中世古香織ラスボス説(個人の見解です)を裏付けました。
何を以てガチで何がラスボスなのか、よくわかりませんが。

実はアニメでは、吹奏楽部員全員がネームドになっているので、『アンサンブルコンテスト』を観て戴けたら、かなり痺れるかと思います。

久美子が、物語が進むに連れて、『狂言回し化している』と言った感想を見掛けたのですが、確かに終盤はそんな感じもありました。
まぁ群像劇なので。


一先ず、久美子2年生迄(5巻分)を読了出来ましたが、この第二楽章前の2巻と後の1巻、短編が手に入っていないので、画竜点睛を欠いています。
と言うか、早く読みたい。
まぁ、何とかなればとは思いますが、宝島社次第なのですよ。

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